「CRMを導入したのに、なぜか成果が出ない…」 「営業リストはあるけれど、活用しきれていない」
もしかすると、あなたの会社も同じような悩みを抱えていませんか?
実は、このような課題は決してあなたの会社だけの問題ではありません。多くのCRM導入企業が直面している、一般的な課題です。
2024年にHubSpot Japanが行った調査によると、CRMの導入率は全体で36.2%で、従業員数が1,001名以上の営業組織では47.4%に達しています。この「従業員規模が大きくなるとデータが意思決定において重要視される」という傾向は、CRMのようなデータを蓄積・管理するインフラを組織として持っていることが影響していると考えられます。
そして、データは組織の重要な資産であるにもかかわらず、営業組織の79%がデータ活用に関して何らかの問題を抱えていることが明らかになっています。
営業活動において、質の高い営業リストは「成果につながる戦略資産」です。しかし、その資産をうまく活用できなければ、本来得られるはずの成果を逃してしまいます。
多くの企業が抱える課題の一つに、「大量のデータは保有しているのに、その活用が進まない」状態があります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発行する『DX白書2023』によると、企業のデータ利活用において最も大きな課題は、「データの整備不足」や「運用の複雑さ」に起因していると指摘しています。
リストが存在していても、それを戦略的に活用し、成果に結びつける運用の仕組みがなければ、「眠ったままの資産」として埋もれてしまいます。
営業リストの管理や入力に明確な共通ルールがないと、情報の質や内容がばらつきが出てしまいます。結果、情報の信頼性が低下し、属人化が進行しやすくなります。
2025年のHubSpot Japanの調査では、生成AIの認知と活用に世代間で明確なトレンドが見られることが明らかになりました。特に20代では生成AIの活用率が46.3%と高い一方で、60代では24.2%にとどまり、認知していても活用に至らない世代間のギャップが顕著です。このような、新しいツールの活用に対する意識やスキルの差は、組織内でのデータ活用の足並みを乱し、結果として属人化を進行させる要因となり得ます。属人化が進むと、経験や個人のスキルに依存した管理になり、結果的に全体の営業効率やデータの精度が落ちる結果を招いてしまいます。
営業リストは、一度作ったら終わりではありません。企業情報や担当者情報は常に変動する、いわば「生もの」です。しかし、多くの企業でこの重要なリストが更新されず、情報が陳腐化するという課題に直面しています。
『DX白書2023』にも、データが存在しても活用できない理由には、単に質が低いだけでなく、情報が古くて利用できない場合も多く含まれているとされています。企業の名称変更、移転、電話番号変更、組織変更、担当者の異動、さらには事業の停止や倒産など、法人情報は常にダイナミックに変化しています。一般的に、企業情報の約20~30%が年間で変化するとも言われています。
このような急速な情報の変化にもかかわらず、営業リストの更新が滞ると、以下のような問題が発生します。
2025年のHubSpot Japanの調査によると、営業担当者・責任者の約3割が生成AIを業務に活用した経験があり、業務効率化への期待が見られます。データ入力など日々の多忙な業務の中で発生する負担を軽減する技術の活用は、リストのきめ細やかな更新やメンテナンスを後押しし、情報が常に最新かつ正確に保たれる運用を実現するための一助となります。
多くの企業がシステム導入を進める一方で、期待した結果が得られないケースが少なくありません。その背景には、「システム導入」と「運用の定着」を切り離して考えていることにあります。
CRMや営業支援システムは、「ただの箱」に過ぎません。中身のデータの質、入力者のスキル、運用ルール、改善の仕組みが整ってこそ、初めて価値を生み出します。システムだけではなく、「適切な運用と継続的改善」が効果を最大化させるのです。導入に成功しても、運用や改善をおろそかにすると、本来の価値を発揮できず、成果にはつながりません。
以下の項目にいくつ当てはまりますか?
✅営業担当者によって入力項目や記載方法がバラバラ
✅データの更新頻度がまちまちで、古い情報も混ざっている
✅重複データが放置されている
✅営業成果とリストの質の関連性を分析していない
✅CRM機能の一部しか活用できていない
✅データ入力を負担に感じる営業担当者が多い
3つ以上当てはまる場合は、営業リストの十分に活用されていないと言えます。
多くの企業が営業リストに関して何らかの課題を抱えながらも、十分な整備や活用がされていない現状は、決して特別なことではありません。しかし、課題に気づかずに放置すれば、営業機会の損失や非効率な活動が積み重なり、組織の成果に大きな影響を及ぼします。
本記事で紹介した「3つの典型パターン」や「チェックリスト」に思い当たる節がある場合は、営業リストを“使える状態”に再整備し直すことが最初の一歩です。
営業リストは、単なる顧客情報の羅列ではありません。適切に管理・活用することで、売上を飛躍的に向上させる「成果を創出する資産」へと変えることができます。
今一度、現状を見直し、営業部門が本当に活用できる状態に再構築していくことが重要です。
次回は、具体的なCRM/SFAツールの「失敗事例」を深掘りし、そこから得られる教訓と、実践すべき具体的な改善策を徹底解説します。ぜひご期待ください。
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