CRH_PANGEA_STATION Vol.5-7 企業のDX ~なぜ企業にDXが必要なのか~

2020/09/30

クリエイティブホープ(CRH)がお送りする動画コンテンツ『CRH_PANGEA_STATION』。前回のVol.4『世の中のDXとCRHのDX』に続いて、Vol.5~Vol.7では、ゲストにMarketing&Sales Tech事業部の事業部長である篠原さんとマネージャーの吉川さんをお招きして、『企業のDX』についてお話しました。

※Vol.5~Vol.7で使用している資料はダウンロード可能です。ぜひご活用ください!!

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なぜ企業のDXが必要か?

吉川:

前回の動画でDXの全般的な話をしていたかと思いますので、今回私からはグローバルな視点を交えつつ、DXについてお話しようと思います。まず、経済産業省が2018年に出しているDX推進ガイドラインでは、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し競争上の優位性を確立すること」と定義されています。非常に長いですが、我々が考えるDXとは、デジタルを用いてビジネスを変えていくこと、つまり「デジタル技術とビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」です。

デジタルを入れれば何とかなる、と考えている企業様が多いですが、デジタルはツールに過ぎませんので、デジタルを活用してビジネスを変革していく、組織を変えていく、ということが大切なのです。

では、なぜ企業のDXが必要かについてお話していきたいと思います。IMDとCISCOが出している資料によると、MEDIA&ENTERTAINMENTを中心とした14業界すべてがデジタルの渦に巻き込まれています。たとえ渦の外側に位置している業界でも、遅かれ早かれデジタル化の影響は受けることになります。そのため、デジタル化を進めていかなければ、既存のビジネスがうまくいかなくなる、ということになるのです。

ハーバード・ビジネススクールのクリステンセン教授が提唱した破壊的イノベーションの理論は有名ですが、デジタル業界ではGAFAを中心とした企業が既存事業の秩序を破壊し、業界構造を劇的に変化させているので、世の企業はこの動きについていくことが必要になってきます。

他にIMDとCISCOが出している資料には、2015年から2019年にかけて、各業界の経営者に対して「破壊的イノベーションが自社の業界に及ぼす影響度」についての意識調査を行っているものもあるのですが、2015年に影響度が高いと考えている経営者は1200人中27%だったのに対して、2019年に影響度が高いと考えている経営者の割合は88%まで増えています。たった4年で、多くの経営者が「変わらなければならない」と危機感を持つに至ったということが伺えます。

では、破壊的イノベーションが起こるときにどのような変化があるかというと、顧客に対しては3つの価値提供の変化があると言われています。「提供価値の変化」(これまで有料だったものがはるかに安価または無料に)、「体験価値の変化」(これまでにない素晴らしい体験)、「仕組み価値の変化」(独自のプラットフォームを構築し優れた持続性を持つ)です。これら3つを軸に新しいビジネスを考えるということが非常に大切になってくると思います。

では、日本の企業のDXについては、篠原さんからお話をお願いします。

 

 

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日本企業のDXの現状

篠原:

グローバルでのDXについては吉川よりお話しましたので、私からはより悲惨な日本企業の現状についてお話したいと思います。経済産業省が出したDXレポートで「2025年の崖」が発表されています。これは、2025年までに負の遺産となっている既存システムを捨て、DXを実現できないと年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるよということです。

色々な切り口がありますが、経営面では、「データ活用ができないため、市場の変化に対応して、ビジネスモデルを柔軟・迅速に変更することができない」「システム維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上になってしまう」「保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルなどリスクが高まる」ということが挙げられますし、人材面では「2015年時点ではIT人材不足約17万人だったのが、2025年時点では約43万人まで拡大する」なども挙げられます。

以降は、マッキンゼーが2020年9月に発表した資料「デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ」を参考に解説していきます。

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本の行政が各国と比べデジタルに対して構造的に遅れていることが明らかになったとニュースでは取り上げられていましたね。新型コロナウイルスによる外出規制により、人との接触を極力減らすためデジタルサービスへの需要が一気に高まったものの、新型コロナウイルス発生以降のデジタル・非接触型サービスの利用状況を見ると、日本を除くほぼ全ての国において、半数以上のサービスで10%以上の利用割合の増加また新規ユーザーの増加が見られる一方で、日本だけが10%未満の増加にとどまっているのです。


デジタルの先進事例が良く紹介される米国や中国だけではなく、欧州各国、韓国、インドと比べても低いため、消費者側の需要の問題ではないことは明らかで、日本がこの急速な環境変化に対して、企業側が提供しておくべきであったデジタルサービスの拡大・展開が十分に出来ていないことが分かります。これが、日本のデジタル化の現状なのです。

日本がデジタル化できていないことの原因として、3つのハンディキャップがあると言われています。「ユーザー企業でのデジタル人材不足」「社長の年齢と在任期間」「外部の人材が活躍しにくい組織文化」です。これらは実際に私たちが企業様にコンサルティングをしていてもよく感じられることです。実際にどんな取り組みをしていけば良いかについては、前出のマッキンゼーの資料によると、①包括的なデジタル変革、② 顧客体験のデジタル化、③ オペレーションの弾力性、④新規ビジネス構築、⑤スキル再教育と組織能力構築、⑥ 組織全体の敏捷性、⑦コアテクノロジーの近代化などが挙げられています。

また、マッキンゼーによると、DXが成功した状態にある企業の定義は、「トップ経営層がデジタル を使ったビジネス変革の必要性を認識し、実行にコミットしており、デジタルへの投資(時 間・人材・テクノロジーなどの投資)に対して全社の投資の50%以上を割り当てていること」だとしており、日本でもDXに成功した企業事例では、①戦略・ガバナンス②ITの近代化③社員の意識改革④スキル構築・内製化という対策をとったことで、コスト削減・生産性向上10-15%、売上向上5-10%という効果が出ていると言われています。

日本では、新型コロナウイルスによる危機が訪れる前までは、検討に身が入らない日本企業が多かったと感じています。自社の売上げが急に下がることもないし、新興の競合が台頭する事もないし、競合他社も特にDXに力を 入れている様子もない、よって「うちのビジネスは、あと20~30年は安泰だ」という意見も聞こえていました。しかし、新型コロナ危機が発生してからは、これまでの常識が崩れるような急激な変 化が一気に起こったことで、安泰ではいられないという大きな危機感が生まれたのではないでしょうか。

 

新型コロナウイルス発生後の「ニューノーマル」を見据えた場合、各企業は以下の4つの視点からDXを進めていくべきだと考えます。
1.顧客体験: 大きく変容した消費者の購買行動への対応やソーシャルディスタンスを基本とした、非対面ビジネスモデルの構築、デジタルシフトなど顧客ジャーニーの見直し
2.オペレーション: 予測困難な需給の変動に耐え得るレジリエントなオペレーションの確立、 および即時の意思決定、紙やハンコを使った古い業務の自動化・不要化
3.ITの近代化: クラウドやAPI等、柔軟なテクノロジーを活用、デジタルアプリやサービスの開発を準自動化で実施する仕組みづくり
4.アジリティー: 部門横断で消費者に新しい商品・サービスをいかに早く、いかに数多く届けられるかに、アジャイルを使って挑戦するというもの


 

 

CRHが提供するDX支援サービス

篠原:

ここまでマッキンゼーの資料を中心にお話してきましたが、弊社もマッキンゼーに負けず劣らず独自の強みを生かした価値提供をしてお客様のDXを推進する支援をしています。

私たちはデジタルマーケティングやMA導入を行っていますが、ただ言われたことに対応するだけではなく、お客様のビジネスを理解するところから始めます。そしてお客様がどういった戦略を立てているのか、その戦略があっているのか間違っているのかというところにも向き合ってアドバイスを行い、必要に応じて一緒に戦略の策定をすることもします。その結果はじめて戦術をどう実行していくのか、という話ができるようになります。つまり、戦略から戦術まで一緒に体験する、というスタンスでお客様に向き合っているのです。

弊社の強みとしては、一定の戦略と実行支援が可能ですが、ビジネス面ではお客様の課題を解決するソリューションの実現を支援しています。具体的には、ビジネスのゴールが何なのか、どうやって収益化をしていくのかというところに向きあったご支援をしたり、ビジネスモデルの構築、新規ビジネスのご相談、またどの様にプロジェクト回していくのかというようなご支援も行ったりします。次に、UX(ユーザエクスペリエンス)やCX(カスタマーエクスペリエンス)に関するご支援ですが、お客様の動きやニーズが多様化している中で、お客様の真の課題を理解する必要があるのですが、顧客体験のデジタル分析をしながらお客様も理解していくとその結果カスタマーサクセスを体現できるという部分も強みの一つだと思っています。更に、デジタル変革を行っていく上では、テクノロジーはマストなので、今後どんどん技術が進んでいくであろうAIやブロックチェーンなどについての動向を追い、お客様のビジネスにどう生かせるかも考えてご支援をしています。

ただ、そうは言っても弊社はメーカーとして開発をしているわけではありませんので、世の中にある優秀なテクノロジーやツールを上手く使ってコンサルティングをしている、ということになります。お客様の課題を聞き、お客様にあったツールの選定をしながら、課題解決にあたっていくわけですが、自社でもDXのためのツールは多く取り入れています。まだ社内のコミュニケーションもSlackがメインになっており、メールはほぼ使っていません。

最後に、弊社が掲げている「DXを加速化するための3+αのサービス群」を挙げさせていただきます。1つ目は「CX/UX視点でユーザーの本質を追求」です。B2C/B2Bともに本質的なCX/UXを体現できるよう、ビジネスやユーザーの本質を理解することから始めます。2つ目は「最新テクノロジーでビジネスを加速させる」です。第三者という立場からMA・SFA・DMP・コミュニケーションツールなど、新たなテクノロジーの導入をきっかけに事業・組織としての生産性向上を目指します。3つ目は、「デジタル人材を育成・インハウス化する」です。多くの企業様がお悩みのところになりますので、戦略構想からコンテンツ、業務設計、施策・技術評価など多岐にわたるトピックスに対して課題解決できる人材育成をご支援いたします。

弊社のお客様の約90%以上が2年以上の長いお付き合いをさせていただいているということも、弊社がしっかりとお客様と向き合ってきたことの実績と言うことができるのではないでしょうか。クリエイティブホープは、本質を追求する戦闘集団である、ということをお伝えしてこの場を締めさせていただきます。どうもありがとうございました。

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企業のDX

(左上)Marketing&Sales Tech事業部 部長 篠原 (右上)広報 上野

(下)Marketing&Sales Tech事業部 マネージャー 吉川



 

≫次回のCRH_PANGEA_STATIONもお楽しみに!

Topics: Heartbeat, _ (Blank), Co-create, Realize, CRH