コンテンツまでスキップ

デジタルマーケティング/営業DXで商談数増・業務効率化!HubSpot活用事例:大手メーカーA社

はじめに

deasy150

ご覧いただき、ありがとうございます。ナビゲーターのデイジーです。

デジタルマーケティングとは、見込客を開拓することだけではなく、その後の商談化や受注、ロイヤルカスタマー化によるアップセル・クロスセルまでの一連の流れをデジタルやWebを活用して推進する活動を指します。
入口はマーケティング部門が担うものの、その後の一連のプロセスには営業チームとの連携が必須ですが、これがなかなか上手くいかないもの。目指している場所は一緒なのに、お互いの理解が不足し、なかなか思うように連携できない企業様も多いのではないでしょうか?

まるで登山で、山頂に至るまでの登り口やルートが揉めて決まらず、なかなか辿りつけない、そもそも出発できない状況のようですね。
途中で迷子になってしまったり、救援要請をしなくてはいけなくなるかもしれない、危ない状態です。

今回はクリエイティブホープが支援した、デジタルマーケティングを推進する上で欠かせない企業のDX推進をHubSpotを用いて成功した大手メーカー企業A社の事例を、ご担当者様の声も交えてご紹介します。

登場人物紹介

tadokoro

田所さん(仮名)

もともと営業部門に所属し、計画を立てて資料作りに時間を割くタイプ。
マーケティングとインサイドセールスチームに配属、3名のチームでホットリード(見込客)を営業にパスすることがミッション。

 

デジタルマーケティングのお話

営業の意見に耳を傾ける重要性

A社について簡単にご紹介します。

A社はグローバル展開する大手メーカーで、役割が縦割りの組織となっており、部署間連携がなかなかうまくいかない企業体質でした。営業が足で稼ぐ手法に限界を感じ、デジタルを活用して見込客の開拓をはじめるところから、デジタルマーケティングがスタートしました。

ただマーケティングを開始した当初、やはり営業との軋轢があったとのことで、この改善に苦労がありました。田所さんの言葉を借りて対処をまとめると以下のようになります。

:電球:POINT:「営業に貢献する」という姿勢が重要

tadokoro

営業はこれまで顧客対応をすべて自身でやってきた自負・プライドがあります。
マーケティング部署は、自分たちのやりたいことを営業に押し付けがちで、それがプライドを逆なでしてしまい、非協力的になってしまいがちです。

なので、「マーケティングの考えを押しつける」のではなく「営業に貢献する」ためにお願いをする、というスタンスが重要です。

BtoBビジネスにおいては、商談から成約まで、主な顧客接点は営業が担います。
また、顧客接点が多いということは、見込客のニーズや自社の強みといった、マーケティングに欠かせないノウハウを多くもっているのも、実はマーケティング部署ではなく営業部署なのです。そのため、マーケティング部署は「営業の意見を尊重し、アイデアを出してもらう」ことがとても重要な業務の一つとなるのです。

:電球:POINT:マーケティング部署こそ営業を知るべき

tadokoro

営業経験の無いマーケターから出てくる施策よりも営業から出てくる施策の方が、顧客視点で的確であることも多々あるため、営業の手法やノウハウをマーケティング部署は積極的に採り入れましょう。

しかしながら、ノウハウの社内共有を嫌がる人もいます。
そんな時には上司など社内の影響力のある方の力も借りて、情報収集ができる環境を整えましょう。

楽しみながら少しずつ成果を出す

A社がHubSpotを導入したのは2015年。かなり昔から導入をしており、クリエイティブホープはその頃から支援をしてきました。
最初はMarketing Hubという、MA機能やCRM機能を用いたマーケティング施策の推進を行っていました。

:電球:POINT:マーケターに使いやすいCRM・MAツールがHubSpot

tadokoro

Webページの作成や更新、動画の公開、広告施策で用いるランディングページ、メルマガ、ステップメールシナリオの実装など、新規見込客の開拓から商談化に向けた施策まで、マーケターが自身の力で実行できるのがHubSpotの魅力です。

HubSpotは、特に営業出身のマーケターであればあるほど活用しやすいツールだと考えます。見込客の欲する情報やニーズをイメージでき、それをそのまま自分で形にできるという点で、施策実行までのスピードが非常に早くできるためです。
営業経験が無い方でも、営業の意見を取り込みながら施策を実行していくことで同様のスピード感で施策の実行が可能です。

担当の田所さんに聞いたところ、HubSpotを楽しみながら施策を継続的に実施できたそうです。
この「楽しむ」というのは非常に大きなポイントで、長続きするためにも必須ですね。自分自身の手で試せる→試した結果がすぐ分かる、というのはマーケティングの醍醐味ではないでしょうか。
またHubSpotはSaaSツールなので、日々アップデートが実施されます。追加契約無しで活用できる機能も多く、新しい武器をHubSpot側から提供してもらい、その武器をもとに戦況を良くしていくというのは一種のゲーム感覚に近かったようです。

結果として、マーケティング部署は多くの施策を実行し、評価分析を繰り返し改善を推し進めました。結果、A社はデジタルマーケティングを効果的に推進し、デジタルを活用して見込客を営業にパスするというミッションを安定的に達成できる環境の構築に成功しました。

:電球:ここまでのPoint:電球:

  • マーケティング部署には「営業に貢献する」という姿勢が重要
  • 営業部署と連携し、顧客の課題やニーズに沿ったマーケティング施策を実行する
  • スピーディーなマーケティング施策の実行にはHubSpotが有効

DXのお話

デジタルマーケティングだけでなく、DXについてもお話していきます。
ここで言う「DX」とは、「デジタルマーケティングを推進するためのデジタル基盤構築」を指し、私たちは「マーケティングDX」「営業DX」と呼んでいます。

全社統一システムとしてHubSpotが選定

田所さんがHubSpotを用いてデジタルマーケティング推進している中、A社では2025年の崖を回避しないといけない、と全社でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する動きがはじまりました。全社統一システムの導入が決まり、そのツールとしてHubSpotが選ばれました。

全社DXに向けてクリエイティブホープもさらに支援の領域が広がったのですが、ここで一点、弊社が支援している中で注意すべきポイントだと感じたことがあります。

:電球:POINT:対応できない方へのフォローアップがDXでは重要

deasy150

営業パーソン全員がデジタルリテラシー高いわけではありません。
デジタル化やDXに対応できない方は、自分たちに合わせるべく細かな要望を出しがちです。が、彼らのすべてを要求を鵜呑みにすると、せっかくDXで業務効率化ができるのに、その良さが発揮されなくなってしまいます。

変えるのはシステムや仕組みではなく業務です。現行業務に合わせてシステムを作っていてはDXの実現は遠ざかってしまいます。

対応できない方もしっかりとサポートし、実際に便利になることを実感してもらって、少しずつ理解してもらう必要があります。時にはトップダウンで指示をしたりなど工夫が必要です。

この注意ポイント解消にあたり、HubSpotで功を奏したことがあります。
それは、HubSpotはマーケティングだけでなく、営業も利用することでさらに効果が出るツールだということです。

Marketing Hubと併せてSales Hubも導入すると、マーケティング部署と営業チームが同じCRMデータを基に部署間連携ができるようになります。例えば、経営会議や営業会議での報告資料は、マーケティング部署も営業部署も同じデータを参照しているので乖離が起きにくく、「どの施策がどれほどの売上創出に貢献したのか」といったデータも断然出しやすくなります。

今まで事業部ごとに別々のツールを導入していたA社は、HubSpotという新しいツールに対する抵抗もありましたが、適切なサポートと説明をプロジェクトメンバーが丁寧に行うことで、多くの営業パーソンからの理解を得ることができました。

結果としてA社は、全社統一システムとしてHubSpotの導入と社内定着化に成功しました。HubSpotに合わせて業務フローを見直し、デジタルを活用した業務効率化を実現することで、営業は受注率の改善や円滑な社内情報共有ができるようになり、マーケティング部署は、ROASやROIベースでの施策の改善をさらにスピーディーにできるようになりました。

クリエイティブホープの支援

deasy150

私たちはもともとデジタルマーケティングコンサルタントという立場でHubSpotの活用支援を行っていました。

全社営業DX推進プロジェクトが発足してからはビジネスの観点から支援を行いました。
現状の業務プロセスをヒアリングしてまとめるとともに、各事業部の要求を丁寧に整理。要求整理の結果を基にあるべき姿を導き出し、DX実現に向けた要件定義や設計を行いました。またHubSpotの設定代行や定着化に向けたマニュアル作成や研修、トレーニングも併せて行いました。

HubSpotが社内定着した後も、次なるDXやデジタルマーケティング推進に向けて、継続的に支援を続けています。

:電球:ここまでのPoint:電球:

  • DXには社内関係者の理解が大切で、丁寧なフォローアップが重要
  • システムに合わせて業務を変更する意識を持つ
  • デジタルマーケティング推進に向けた営業DXにはHubSpotが有効

 

お役立ち小話

A社のDX成功事例は以上となります。ここからデジタルマーケティングやDXの推進に向けて、役立つお話をもう少しさせていただければと思います。

HubSpotを用いたデジタルマーケティング推進の流れ

せっかくなので、HubSpotを長く活用している田所さんに、HubSpotをどうやって活用をはじめると良いか聞いてみました。

:電球:POINT:まずはマーケティングEメールの配信から

tadokoro

自社の保有する見込客リストへ一斉にメールを配信する「マーケティングEメール」からするのが良いと思います。

いくつかのテーマや角度でメールを配信し、その反応を見ると、私たちでは気づいていなかった隠れたニーズを見つけることも可能です。
そのうち、メールをクリックした後のページをどうしよう、フォームはどうしようといった、メール施策を起点としたさまざまな改善案が出てくると思います。

また、メールの送り方も興味のある製品毎にクラスタリングして出し分けてみよう、このタイミングの見込客には自動でこういうメールを出してみよう、といったメールの配信方法にも工夫が生まれてくると思いますよ。

すべてをいきなりやろうとしないのがポイント

deasy150

デジタルマーケティングで失敗する企業に多く見られるのは、あれもこれも一気に全部やろうとすることです。
施策の良し悪しを評価できず、リソースも必要以上に圧迫し、結果、動きが鈍って成果も出ない、といった悪循環に陥りがちです。

田所さんがおっしゃっているように、まずはメールから、そしたら次へ、と順番に施策を丁寧に行っていくのが良いでしょう。

私たちクリエイティブホープには、数多くのデジタルマーケティングを支援した実績から、独自のデジタルマーケティングロードマップをもっています。
クライアント様の課題や施策状況とこのロードマップを照らし合わせ、施策の優先順位や評価期間などを策定し、丁寧に進めているからこそ、多くのお客様で成果が出ています。
その結果、多くのお客様が2年以上のお付き合いをさせていただいています。

メルマガは主にリードナーチャリング(見込客をフォローし商談化に向けて育成する活動)に活用されます。リードナーチャリングではメルマガだけではなく、様々なコンテンツを活用し、ユーザーの興味関心を高めたり検討状況をキャッチアップしたりなど、中長期的に見込客を追い続けることが重要です。

image-png-Jun-20-2024-01-26-35-1954-AM

上記はBtoBデジタルマーケティングで私たちがよく使うチャネル図です。この「見込み客をフォローするしくみ」をどう整えるのか、また新規リード獲得から受注までの検討プロセスをデジタルでどう実施し、どう管理するかにおいてHubSpotは有効なツールと言えます。

DX人材について

A社の事例紹介で登場した田所さんは、いわゆる「DX人材」と呼べる方です。デジタルマーケティングやDXを推進するにあたり、社内にこの「DX人材」がいるかどうかが成否を大きく分けると言っても過言ではないでしょう。

では、田所さんはどうしてDX人材になれたのか? DX人材として成長できた理由は何なのか?
その原点についてこう語ってくれました。

tadokoro

昔、小売店を経営している友人から感銘を受けたことがありました。
友人の店で欲しい商品を購入したのですが、その時のアドバイスが的確で、まさにプロフェッショナル!という内容でした。

この時に感じた顧客視点、つまり自分の友人やそのまた友人の役に立てれば……無限連鎖であらゆる人の役に立てるのでは、と思いましたね。

営業時代、うまく顧客の課題を解決できる商品を説明できずに悔しい思いをしたのをきっかけとして、顧客や同僚、代理店パートナーが自分のプロモーションコンテンツを利用できないか、うまく活用して成果を挙げられないか、と常に考えていました。

その結果、ひとつのコンテンツをプロモーション全体で生かすという発想が生まれ、それが良かったのだと思います。

コンテンツを単発で終わらせるのではなく、例えばカスタマージャーニー全体で活用するのはどうしたらよいかといった「キャンペーンマーケティング」の概念で設計をしたのが良かったとお話いただきました。
MAのシナリオ作りなどは、まさにこの考え方が必要です。

田所さんのこの「人の役に立ちたい気持ち」と「全体像をイメージする力」は特に重要な考え方です。

人の役に立ちたい気持ちがあれば、A社のように営業パーソンが多かったり、デジタルリテラシーが低い方がいる会社でも、協力してもらいやすくなります。
また、田所さんの上司も、田所さんの取り組みをサポートし、彼が自由に動ける環境を提供してくれたのですが、これもこの気持ちがあったからこそでしょう。長期的な視点でDXを推進するためには、上長やチームのサポートも必要なのです。

またDXは個別最適では進みません。全体最適という観点を基に改革をしていくリーダーシップが必要となります。田所さんはその資質を十分に持っていました。

DX人材を育て、定着させるには

DX人材の定義については先ほど記載した通りです。「田所さんみたいな優秀なDX人材が欲しい!」と思った方も多いのでないでしょうか。

しかし、今の人材流動性が高い時代には、優秀な人ほど転職してしまうという悩みを抱えている企業も多いのは事実です。本来、転職は非常にパワーを使うことなので、できれば転職せずにいられる方が良いという方も多いでしょう。それでも、ということにならないよう、DX人材を育て、企業に定着させることが重要です。

どうすればいいか。まずはDX人材たる従業員が誰かを見分けることからスタートしましょう。もちろんDX人材は最近になって出てきた概念ですので、誰がDX人材なのかを見分けるのは大変です。
先ほどの「人の役に立ちたい気持ち」「全体像をイメージする力」を持っている、というのは一つの指標にしても良いでしょう。また「積極性があるかどうか」も勘案してみると分かりやすいかもしれません。

さらに、田所さんは頼れる上司がいました。人材だけ突出していても、サポートする組織や企業文化がないと、心が離れていってします。(これはDX人材に限らない話ではありますが)

また、DXに成功している企業の傾向を見ると、長い目で見るということができているような気がします。DXやデジタルマーケティングは1年で大きな結果を出すことは難しいです。それを分からず「1年で結果を出せ」というのはモチベーションもあがらず、無駄な1年に終わってしまう可能性も高いです。

また、スモールサクセスを積み重ねることも重要です。小さな成功が次の成功を導き、その連鎖で大きな成果を生むというのは、これまで多くの支援先で見受けられた傾向です。

これらのことからも、長い目で見ることが重要であることが分かると思います。

まとめ

デジタルマーケティングを推進するには、営業の意見を尊重し、楽しみながら続けられることが重要です。また営業DXの観点では、DX人材を育て、定着化させることが重要です。また、デジタルマーケティングやDXには、現場が使いやすいツールを活用することが重要になります。企業がDXを推進する際には、こうしたポイントを押さえつつ、全社的な協力体制を築くことが求められます。

 

お気軽にご相談ください

deasy150

デジタルマーケティングやDXでお悩みの方は、クリエイティブホープがお力になれるかもしれません。施策を実行しているが成果が出ないといったお悩みから、施策が歯抜け状態で何から手を付けたらいいか分からない、といった漠然としたお悩みでもかまいません。ぜひ気兼ねなくお問い合わせください。

 

他のHubSpot活用事例も見る

 


本記事は、本メディアを運営する株式会社クリエイティブホープが出版した書籍「HubSpotワンストップマーケティング」を参考にし作られています。書籍ではこの他にもBtoBデジタルマーケティングやHubSpotに関する様々な情報が載っています。
詳しくお読みになりたい方はぜひ書籍をお求めください。