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BtoC向け高額商材もBtoBのマーケティングプロセスが役立つ!HubSpot活用事例:住宅関連サービスE社

はじめに

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ご覧いただき、ありがとうございます。ナビゲーターのデイジーです。

BtoB(企業から企業へ)とBtoC(企業から消費者へ)では、マーケティングの手法や計測指標が異なります。しかし、高額商品や耐久消費財などのBtoC商材においては、消費者が商品を検討するプロセスがBtoBに似ている場合があります。

今回はクリエイティブホープが支援した住宅関連サービスのE社が、BtoC向け高額商品のマーケティングをHubSpotを活用して推進した事例を、ポイントや機能のご説明を交えてご紹介します。

BtoBの担当者の方々にもお役に立てる内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

高額商品とBtoBマーケティングの類似性

E社の事例を紹介する前に、高額商品を扱うBtoC(企業対消費者)マーケティングとBtoBマーケティングの類似性について紹介します。

安価な商品であれば、ECサイト内で商品を比較し、短期間でカート→購入→決済の流れを踏みます。
しかし、例えば住宅や保険、自動車などは商品の特性や金額から、店舗にふらっと寄り、その場で購入したり、ECサイトで比較をしたりは難しいものです。購入検討期間が長く、購買までに詳細な情報収集が必要です。

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複数の業者を比較し、見積もりを取得するプロセスは、BtoBの購買活動と似ていますこうした背景から、BtoCでもBtoBのマーケティング手法を参考にすることが重要となります。

 

来店予約数を増やすためのデジタル施策

E社は長年住宅関連サービスを提供している、業界内では中堅クラスの企業です。住宅関連サービスは、モデルハウスやショールームに見込客を集客し、商談・見積もりを経て成約に至る検討プロセスを踏みますので、いかに来店予約数を増やすか、がポイントになります。

E社はWebサイトを通じて見込客を集客し、来店予約を促すマーケティングを実施しています。
高額商品におけるマーケティングではDM(ダイレクトメール)を活用して購買欲を刺激することが一般的ですが、E社では約6年前にMA(マーケティングオートメーション)ツールとしてHubSpotを導入し、デジタルマーケティングを活用して来店予約数向上施策を実施しています。

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CRMデータで見込客のステータス管理や検討状況のキャッチアップをしながら、Webサイトのコンテンツとメールマーケティングを中心とした施策を実行しています。

HubSpotを用いた施策

E社で実施しているHubSpotを用いたマーケティング施策をここから具体的ご紹介したいと思いますが、その前に、E社ではコンセプトダイヤグラムというフレームワークを用いて来店予約に向けたマーケティング施策の方向性を定めています。

例えば、住宅カタログをダウンロードした見込客へのフォローアップ施策です。来店予約をするまでにどのような心理変容があるのか、を2つのルートで見える化しました。その上で、そのルート(プロセス)を推進するためにどのような情報が必要で、どんな形で見込客に届けるのが良いかを図の中に落とし込みました。その上で、現在実施中の施策とまだ実施していない施策を洗い出し、実施していない施策に優先順位をつけて推進していきました。

また、同時にどの検討プロセスに何名の見込客がいるのか、について可視化をするため、条件付けを行いました。定点的に計測することで、今ボトルネックとなっている指標はどこなのかが分かり、施策の優先順位付けに役立てました。

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このコンセプトダイヤグラム策定も、クリエイティブホープが支援しています。

CRMツール・フォームの全社統一

E社は日本全国に支店を持つ企業なのですが、HubSpot導入前は、それぞれの支店が個々に各支店のWebサイトを構築し、メルマガの配信を行っていました。Webサイトのデザインもバラバラで、CRMデータとして取得している項目や取得状況もバラバラと、データ管理の観点からすると非常にやっかいな状態でした。

そこで全国の支社で使用するCRMをHubSpotに統一しました。これにより、全国で取得するべき顧客情報の一元化が可能になりました。

また、各支店が管轄するモデルハウスへの来店予約フォームもHubSpotで統一しました。HubSpotのフォームを利用すると、フォーム送信者の情報が自動的にHubSpotのCRMデータとして格納されますので、データの欠損やCRM取り込み漏れといったトラブルを回避することができます。

またCRMが統一されたことで、本社が次の施策を各支店に向けて指示できるようになったため、営業レベルの底上げがなされました。その他にも、転勤などにより引っ越ししたユーザーを、引っ越し先の支店でフォローアップができるようになりました。

見込客・既存客の検討状況・ステータス管理

HubSpotのCRM機能をどのように用いているか、もう少し具体的にお話します。主に、見込客や既存客の検討ステータスをHubSpotのCRM機能で管理しています。既存客もHubSpotで管理しているのは、見込客が来店予約し、成約に至るまでのプロセスをHubSpotで管理しているからです。また、成約後の顧客満足向上施策もHubSpotで行うことができるため、見込客も既存客もHubSpotで管理しています。

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ステータス管理には主にライフサイクルステージを活用しています。ユーザーの検討状況およびその状況の見込客が取るWeb行動をトラッキングして条件付けを行うことで、今どの検討プロセスにどれくらいの人数がいるのか、を確認できるようにしています。

検討状況に合わせたセグメントメール配信

顧客体験を向上し、興味関心を高めて来店予約に繋げるためには、検討状況に合わせた情報提供が必要です。上記のコンセプトダイヤグラムのように、検討状況とそれに合わせたコンテンツが整理できていましたので、そのコンテンツを見込客に届けるため、検討状況でセグメント・クラスタリングし、配信するメールを制御しています。

また、検討状況は同じでもコンセプトダイヤグラムにおけるルート(心理変容プロセス)が異なれば、送るメールも異なるため、ルートに合わせたメールも出し分けを行っています。

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例えば、E社への興味関心が強い層であれば、E社の魅力や考え方、特長をしっかりと届けられるコンテンツとメール配信を行います。

事例や住宅性能への興味関心が強い層には、事例や住宅性能に関するメールを届けています。

メールの配信にはリスト機能を用います。上記のような条件を基にそれぞれの配信するリストを作成し、各リスト毎にメールを作成しています。メールでは主に、「情報収集層」「検討層」「来店予約層」の3つをベースとし、配信したい内容毎にさらに細かくリスト分けを行っています。

例えば、東京にあるモデルハウスへの集客を強めたい場合には、「検討層」でかつ都内に住んでいる見込客をクラスタリングし、リスト化してメールを配信しています。

記事メディアの構築

メール配信時のポイントとして「メールだけでコンテンツを終わらせない」ことが重要です。具体的にはメール本文は短く構成し、詳細はこちら、とWebサイトやebookなどに誘導をしていきます。

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LINEをお使いの方も多いと思いますが、長文のLINEメッセージが来たら読むのを構えてしまいませんか? メールでも同じことが言えます。

ビジネスにより異なりますが、私たちは最大500文字程度までの本文が読みやすく、伝えたいことが伝えられ、かつ受信者の不快に繋がらないボリュームだと考えています。

長文のメールはしっかり読まれにくい、ということもありますが、トラッキングの観点からも推奨します。
昨今、メールの開封率は受信者の環境により計測ができなくなりつつあります。そこで指標となるのがメールのクリック数や率になるのですが、メール本文に全て書いてしまうとクリックして遷移する先がありません。
今回は〇〇の記事を紹介します、と頭出しをして、詳しくはこちら、とWebサイトに誘導するといった手法が望まれます。

そのメールマーケティングの遷移先となる情報を届けるためにHubSpotのContent Hubを用いてオウンドメディア(記事メディア)を構築しました。
テンプレートを用意すればライターがそのままブログ作成まで作業できるのがContent Hubの魅力です。またメール施策との連携など施策同士の連動性も高く、効果測定も簡単にできるので、HubSpotでメールマーケティングをされている企業におすすめです。

ステップメールの配信

先ほどセグメントメールについて紹介しましたが、遷移先となるコンテンツやWebサイトが充実してくると、自動化ができるようになります。
E社では特定の住宅商品のカタログをダウンロードした方に向け、来店予約に繋げるためのメールシナリオを策定し、ステップメールを実装しています。
コンセプトダイヤグラムのルート(プロセス)を促すための一連のマーケティング施策を型化し、自動化を行うことでマーケターの手間をかけずにスムーズにユーザーの心理変容を促すことが可能です。

ステップメールの実装にはワークフロー機能を用います。特定の条件をトリガーとして、メールの配信、次のアクションまでの遅延時間の設定、社内通知といった様々なアクションを設定することが可能です。

ダッシュボード機能の活用による改善施策

様々なデータをHubSpotで管理をしていますから、当然HubSpotには多くのファクトデータが蓄積されています。HubSpotにはレポートやダッシュボードを構築する機能がありますので、そのデータを可視化することも容易です。

初期から複数のテンプレートが用意されていますし、自身で見たい指標をカスタムレポートとして作成もできます。

目的や欲しい情報に合わせてマーケター、マネージャー向けそれぞれのダッシュボードを作成し、データから次なる打ち手を導いています。

例えば、ユーザーの反応が良いメールと悪いメールを傾向分析し、オウンドメディアに掲載する新規記事の方向性を分析する、という施策ベースの改善もしていますし、来店予約数の昨年対比の傾向から改善ポイントを導き出して改善するといったビジネスに直結する改善まで行っています。

このようにE社は新規見込客の獲得から来店予約、来店後のフォローアップと、売上をデジタルを活用して創出するデジタルマーケティングの推進をHubSpotを活用して継続的に実施し、成果を上げつづけています

お役立ち小話

E社のデジタルマーケティング事例は以上となります。ここからデジタルマーケティングやDXの推進に向けて、役立つお話をもう少しさせていただければと思います。

デジタルの基礎ができたことでコロナ禍でも上向きに

E社では、早くからデジタルマーケティングを取り入れ、一定の成果を上げていました。そのためデジタルを活用すると便利だという意識が社内に生まれており、例えば来店予約システムの準備やオンライン相談環境の準備はいち早く進んでいました。

それにより、コロナ禍においても来客数にほとんど影響がありませんでした。
業界的に、予約なしでモデルハウスに訪れる突然来訪客は9割ほど減少した中、E社の全体の来店数はほぼ変わらなかったのです。それはデジタル上で予約・接客環境を整備し、マーケティング施策をしていたことが功を奏しており、特にオンライン商談も業界的にいち早く実施をしたことが大きかったようです。

来店予約前の資料請求も、他社に先駆けてデジタルマーケティングを実施していましたので、資料請求数は前年比で200%も改善しています。
翌年には売上も大方回復しており、競合他社に大きく差をつけることができました。

また、デジタルに対する期待や活用が進んでいましたので、社内会議のオンライン化や書類の電子化などについてもさほど抵抗がありませんでした。デジタルマーケティングを推進し、その成果が上がることにより、間接的に、円滑なDX推進にも貢献していたのです。

マーケティング担当の地位向上

MAでの施策の効果により資料請求が前年比で200%増加したことは先ほど述べました。
高額商品のBtoC営業では、「伝説のトップセールス」といった人がいる傾向があり、その人が部門長になることが多いため営業の発言力が強い傾向にありますが、デジタルマーケティングの成果により、マーケティング担当の発言力も高まりました。

特にコロナ禍においてはデジタルの力で商談機会を創出できていましたので、営業から見ても頼りになる存在です。マーケティング部門の発言力が高まるのも当然で、マーケティング担当の地位も向上していきました。

まとめ

HubSpotの活用方法やデジタルマーケティングの施策推進方法についてE社の例を通じてお伝えしました。最終的にはデジタルマーケティングの成果がDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現にも貢献しています。

BtoCの事例ではありますが、BtoB企業にとっても非常に参考になるポイントが多いです。HubSpotによるデジタルマーケティング推進で、効率的なリード育成と顧客管理が可能となり、競争力を高めることができます。

お気軽にご相談ください

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私たちはHubSpotの導入や運用支援だけではなく、マーケティング戦略や業務に基づき、現状の課題抽出、改善施策まで支援しています。
また、Webサイトの作成や改修、メール作成などHubSpotを使った実際の施策についても代行や伴走支援を行っています。

これからデジタルマーケティングをはじめる、デジタルマーケティングを推進しているが成果がでない、という企業様はぜひ一度、お気軽にご相談いただければと思います。

 

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本記事は、本メディアを運営する株式会社クリエイティブホープが出版した書籍「HubSpotワンストップマーケティング」を参考にし作られています。書籍ではこの他にもBtoBデジタルマーケティングやHubSpotに関する様々な情報が載っています。
詳しくお読みになりたい方はぜひ書籍をお求めください。