本記事では営業DXにおける課題や解決策について詳しく解説していきます。
NGO/NPO法人がウェブサイトで寄付を集めるために必要なステップ:よくある課題と成功事例
はじめに
多くのNGO/NPO法人がウェブサイトを活用して寄付を集めていますが、期待通りの成果が得られずに悩んでいるケースが多く見受けられます。具体的には、訪問者が多くても寄付に結びつかない、または寄付の増加が見られないことがよくある課題です。
これらの問題の背景には、訪問者を寄付へと導くための導線の不足や、必要な情報へのアクセスの難しさがあり、ウェブサイトの効果を十分に引き出せていないことが挙げられます。訪問者の認知と信頼を高め、寄付者への転換率を上げるためには、ウェブサイトを効果的に活用していくことが重要です。
この記事では、NGO/NPO法人がウェブサイトを活用して寄付を集める際によくある課題、具体的な成功事例、ウェブサイトで寄付を集めるためのステップをご紹介します。
ウェブサイトで寄付を集める際によくある課題
NGOやNPO法人のウェブサイトでは、訪問者に社会問題やその解決方法を理解してもらい、自分たちの活動に賛同してもらい、最終的に寄付につなげることが求められます。しかし、昨今、多くのNGO/NPO法人のウェブサイトで以下のような課題が見受けられます。
課題
寄付が集まらない多くのNGO/NPO法人でウェブサイトには、訪問したユーザーが寄付をしようと思うまでに必要な情報がウェブサイト内で分散しているため、ユーザーに必要な情報を適切なタイミングで届けられていないという課題が共通して見られます。
具体的には、ユーザーが最初に訪れたページからミッションやビジョンを伝えるページ、寄付ページなどアクションを起こしてもらうために伝えるべき情報が載っているページへのリンク(導線)が欠けていることがあります。活動内容と直接関連しないコンテンツが多く、訪問者が目的を見失い、迷子になっているケースも見受けられ、ユーザーに見てほしい情報が触れられていないこともよくある状況です。
このような課題は、以下のような要因が重なり合って起こることがとても多いのです。自分たちでウェブサイトを運用しているNGO/NPO法人がほとんどですが、データ分析には専門的な知識を要することから、根本の要因に気づくことが難しい場合があります。
要因
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社会問題の認知を優先しており、自団体の認知度向上が後回しになっている。
- ユーザーに情報を届けることで満足してしまい、その後の寄付というアクションを促せていない。
- ウェブサイトを用いて寄付見込者に寄付を促すための設計がしっかりなされていない。
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寄付者のターゲット層が明確に設定されていない。
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訪問者のニーズや行動を十分に理解していない。できていても、それにあったコンテンツを提供していない。
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サイトの更新ルールが不明確で、チーム間の連携が不足している。
- ウェブサイト上のコンテンツが重複したり、分散したりする。
そのため、せっかく専門的で質の高い記事を作成しても読まれなかったり、社会問題に興味を持ち記事を読んだユーザーが、別の記事やページを訪問せず直帰してしまったり、執筆者や団体が不明のため「寄付をしよう」という心理変容や具体的なユーザーアクションがとられないまま離脱してしまう、ということが発生しています。
ウェブサイトリニューアルによる寄付集めの成功事例
ここで、上記のような課題を解決するために、ウェブサイトをリニューアルして寄付が多く集まった成功事例をご紹介します。
私たちクリエイティブホープが支援したあるNGO法人は、オンライン経由での寄付数が伸びないことに課題を感じていました。伸び悩んでいた理由としてはまさに、ターゲットとする寄付見込者が明確でなく、情報も散在しているため、寄付をするまでに必要な情報を適切に届けることができていなかった点です。
それまで、記事コンテンツの作成やメルマガ配信を通じて寄付を引き出す施策は行っていたものの、「寄付をしてくれる人はどんな人なのか?」という深堀りが不足しており、ターゲット像が明確ではないために、場当たり的な施策になってしまっていると私たちは判断しました。
そこで、ターゲット層を再評価し、想定される行動を定義した上でウェブサイトのリニューアルをすることをご提案しました。
まず、寄付者のニーズや行動パターンを詳細に分析し、その結果を基にディスカッションを重ねてペルソナを作成しました。そして、ペルソナに基づいてコミュニケーションフローを再設計し、寄付に至るプロセスを最適化しました。これにより、ユーザーをスムーズに寄付アクションに誘導するための設計ができました。
その設計に基づいて、ページ構成やウェブサイトのレイアウトや動線・デザインなどを決めていき、協議を重ねながらリニューアル完了に至りました。また、検索エンジンからの流入数を増やすことも必要であったため、SEO対策も意識しました。
その結果、自然検索からの集客が150%向上し、直帰率も大幅に改善。さらに、寄付数は約170%、特別寄付数が580%増加しました。
「ウェブサイトを用いた寄付増加」という施策自体は大きく変えずとも、ターゲット設定を見直し、届ける先を整理することで、これほどの成果が得られた成功事例から、ターゲット設定とユーザーフローの最適化が他のNGO/NPO法人にも応用できる有効な戦略であることがわかります。
ウェブサイトで効果的に寄付を集めるためのステップ
ご支援をしていくなかで、NGO/NPO法人の課題は多岐にわたるものの、ある程度パタン化されたステップをふむことにより、効果的に寄付が集まるウェブサイト環境につながることに気づきました。寄付を増やすために重要である、単にページビュー数を増やすのではなく、ターゲット層に合った訪問者を集め、彼らに響くメッセージを適切なタイミングで発信し、行動を促すウェブサイト環境をつくるために、クリエイティブホープがご支援した多くのNGO/NPO法人では、以下のステップでサイトリニューアルプロジェクトを進めています。
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寄付を効率的に集めるためには、まず現状の課題を正確に把握することが不可欠です。これには、データの収集と分析、競合調査、そして課題の抽出が含まれます。
次に、戦略を策定します。具体的には、サイトの訪問者であるターゲットペルソナを設定し、カスタマージャーニーマップを作成します。また、施策の効果や進捗を測定・評価するための指標となるKPI(Key Performance Indicators)を設定し、達成のために実行すべき施策=戦術を決定します。
その後、戦術を実行に移します。ユーザーフローを作成し、それにあった共感を呼ぶストーリーを展開するためのコンテンツを設計します。多くの訪問者は、「NGO/NPO法人について知りたい」というより、「特定の社会問題について知りたい」「何か行動したい」という動機でサイトを訪れるため、訪問者の課題や興味に応じた情報を提供し、共感と行動を引き出すページ設計が求められます。
さらに、見込み寄付者が集まりやすくなるようSEO対策を行い、ウェブサイトのデザインやシステムの構築を進めます。ウェブサイトへの流入経路や、コンバージョンまでのユーザー行動を分析できるよう環境を整備し、ダッシュボードを構築してデータを可視化します。最後に、コンテンツの運用と更新計画を策定し、継続的に最適化を図ることで、寄付の増加を目指します。
あなたのNGO/NPOのウェブサイトの寄付の集まりやすさチェック
今の貴団体の状況を一度振り返りしてみませんか?以下のチェックボックスに入れていただくと、デジタルでの寄付集めに関するウェブサイトの状況が分かりますので、ぜひお試しください!
いかがだったでしょうか?チェックはどれくらい入りましたか?
チェックの数に応じて、これまで多くのNGO/NPO法人のウェブサイトリニューアルを手がけてきた、クリエイティブホープからのアドバイスをお伝えします。
・すべての項目にチェックがついている場合
とても素晴らしいです! 寄付を集めるための理想的なウェブサイト環境になっています。引き続きウェブサイトはこの状態を基に改善を繰り返し、より目標に到達するための施策を実行していきましょう。
これからは、ウェブサイトの改善ではなく、いかにウェブサイトへの集客力を高めるか、またはウェブサイトで見込寄付者を集めた後のフォローアップを実施していくと、より寄付が集まるマーケティング環境になっていきます。
・2-3つの項目にチェックがついている場合
一部施策の歯抜けがある状態ですが、ちょっとしたポイントを改善するだけで、理想的なウェブサイトになります。チェックがつかなかったポイントの改善をまずは実施してみましょう。
・1つだけチェックがついている場合
改善の余地がたくさんありますが、上記のチェックポイントですべき改善の方向性が見えたと思います。改めて、ウェブサイトをユーザーが寄付するまでのコミュニケーションフローの中で、どのような役割を持たせるのか、貴団体の目的に合わせて、改善や施策の計画の再計画から始めると、あるべき姿に近づくことができるようになるでしょう。
・すべての項目にチェックがついていない場合
のびしろがとてもあるウェブサイトです。ウェブサイトの知識や改善リソース、予算など様々な制約があるかと思いますが、寄付の向上に向け、まずは貴団体内でどのように寄付を集めていくかの検討からはじめていきましょう。その上で、ウェブサイトでどのような集め方をするのか、どうユーザーとコミュニケーションをとるべきか、について具体案を協議しながら固めていきましょう。
まとめ
寄付が集まらない多くのNGO/NPO法人でウェブサイトでは、ユーザーに必要な情報を適切なタイミングで届けられていないという課題が共通して見られます。改善のためには、成功事例からもわかるように、ターゲット設定とユーザーフローの最適化が欠かせないステップです。まず、現状の課題を正確に把握し、寄付者のターゲットペルソナを明確に設定します。次に、ユーザーが訪問してから寄付をするまでのユーザーフローを設計し、寄付者が求める情報を最も効果的なタイミングで提供することで、寄付の意欲を高めることができます。さらに、データ分析を基にした継続的な改善を行い、寄付者のニーズに応える取り組みを続けることが、寄付の増加に効果的です。
クリエイティブホープは、これまで数多くのNGO/NPO法人を支援してきた実績と、業界を超えてご支援をしてきた戦略から戦術まで一貫できるプロたちのノウハウとスキルで、より貴団体のフェーズに合わせたデジタルファンドレイジングの仕組みづくりをご支援しています。事例や、サービス内容についてさらに詳しく知りたい方やご相談がある方は、ぜひお問い合わせください。
デジタルマーケ戦略~施策実行により効率的な寄付集めを支援する「Fund Rising(ファンドライジング)」
以下のようなことにお悩みのNGO/NPO法人のご担当者様も多いのではないでしょうか。
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サイトへの流入はあるが、寄付ページに到達させるための改善が進んでいない
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キャンペーン実施により一時的な寄付増加はあるものの、長期的な寄付者に転換できない
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SNSに一定のフォロワーはいるが、サイト流入につながらない
NGO/NPO法人がさらに効率的に寄付と賛同を集め、多くの社会課題解決に取り組んでいけるよう、デジタルツールを活用し高速でPDCAを回していくためのサービスが、クリエイティブホープが提供する「Fund Rising(ファンドライジング)」です。これまで数多くのNGO/NPO法人を支援してきた実績と、業界を超えてご支援をしてきた戦略から戦術まで一貫できるプロたちのノウハウとスキルで、フェーズに合わせたデジタルファンドレイジングの仕組みづくりをお手伝いいたします。
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