HubSpotとSquareの連携方法

顧客情報・取引情報の連携方法と注意すべきポイントとは?

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HubSpotとSquareの連携


 

Squareには、顧客データのみならず予約データや決済データ、商品データなどCRM施策や分析を実行するためのデータが数多く格納されています。一方で決済や詳細な購買履歴は標準では対象外のため、カスタムオブジェクトや他連携ツール・APIでの必須となります。下記詳細について詳しく解説していますので、HubSpotを用いたデータドリブンなマーケティング・カスタマーサクセス実現のための連携をお考えの企業様はご参考ください。

 

HubSpot・Square連携アプリ


HubSpotのApp Marketplaceには、Square連携に対応したアプリが用意されています。アプリをインストールしてアカウント連携をすることで専門知識がなくても数クリックで簡単に導入できる手軽さが最大の魅力です。データを連携することで顧客情報を統合するだけでなく、商品データや請求データ※を連携することが可能です。

 

※請求データの連携には、HubSpotがカスタムオブジェクトを使えることが条件となります。HubSpotでカスタムオブジェクトを作成するには、Enterpriseプラン以上のサブスクリプションが必要です。

 


■Square連携アプリの注意点


✕ 金額データは、二桁低い情報が連携される

商品データや決済情報内に存在する〇〇円という金額情報は連携された際に二桁低い数字が連携されます。これは、恐らく海外の仕様をそのまま利用されているため、Square側の日本円への対応がデータまで対応されていないためと考えられます。※アプリ設定に注意書きも書かれています。

 

商品項目の双方向連携にはトラップがある

上記の連携に関わる話なのですが、商品項目を同期した際に金額データは商品項目の単価にデフォルトで連携されるようになっています。双方同期をしていると、自動的に低い金額が商品項目に反映されますし、HubSpot側で金額を変更するとSquare側の金額は100倍の数字が自動的に反映されてしまいます。Squareで顧客に提示される金額が変更されてしまうなどのトラブルが発生します。ですので、商品項目の連携は双方向連携はしない方がよさそうです。

 

カスタムフィールドのマッピングはデータハブの契約が必要

HubSpotを使い慣れている方であれば、自動的に100倍するようなカスタムプロパティを用意したらよいのではとお考えになるかもしれません。しかし、カスタムフィールドのマッピングにはデータハブ(旧operationhub)の契約が必要となります。上記に記載の商品項目での金額は連携しない設定ができないようになっているため、データハブをご利用できない企業様にとっては、商品情報の連携はあまり有用性が高くなさそうです。

 

連携されるデータはかなり限定的でわかりにくい

 

顧客データは20項目、製品は20項目、Paymentは15項目が連携可能です。ただ、すべてのデータ項目は英語表記のため何のデータなのかデータ項目と見比べなければ連携されるデータが何なのかがよくわかりません。また、項目によって連携できるデータ項目が限られているためどのデータ項目をどう連携したよいかなど悩まれるポイントがたくさんあります。

 

HubSpotとSquare連携アプリで利用できるデータ

  •  

顧客情報

ID情報:Recourd ID、Reference ID、

個人情報:Last Name、First name、Email Address、Phone Number、Birthday、Company、Source

住所情報:Address、City、Country、Group、State、Street、Zip

日付情報:Date Created、Date Modified

商品情報

ID情報:Price*、Record ID、SKU

商品情報:Name*、Image URL*、Description*

金額情報:Currency、

日付情報:Updated at、

他情報:Ecom Gifting Enabled、Ecom Storefront Classic site ID、Present At All Locations

*がついているのは取捨選択ができない自動連係項目

決済情報

ID情報:Receipt No.、Recored ID

金額情報:Total、Currency、Refund Amount、Processing Fee、Tip Amount

他情報:Customer、Note、Payment Method、Receipt Url、Sales attributed to、Status

日付情報:Created Date、Payment Date、Updated at

 

連携アプリの設定方法


 


HubSpot App Marketplaceにアクセス: まず、こちらのHubSpot App MarketplaceのSquareのページにアクセスします。
アプリのインストール: 画面左の「サインインしてインストール」を選択します。
アカウントの認証: 画面の指示に従ってHubSpotアカウントとSquareアカウントを認証させます。
同期設定のカスタマイズ:認証完了すると、同期するデータの項目(顧客情報など)と個別のデータ項目を設定します。
各項目について、一方向同期(HubSpotからSquare、SquareからHubSpot)、双方向同期など、連携の方向性の設定が可能となっており設定します。
同期の絞込: 顧客データや支払いデータなど特定の顧客グループや特定の取引データのみを同期させる条件として設定することも可能です。


 

アプリ以外での連携の仕方


より柔軟なデータ連携と、ビジネスに合わせた高度な自動化を実現するには、①自動化ツール(iPaaS)による連携、②APIによる連携の2つの方法があります。それぞれの連携方法について、詳しくご紹介します。

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  • ①自動化ツールによる連携

    Yoom、Zapier、MakeといったiPaaS(Integration Platform as a Service)を活用する方法です。ノーコードまたはローコードで、複数のアプリ間で特定のトリガーとアクションを設定し、連携を自動化できます。アプリ連携より柔軟性が高く、より細かな条件での自動化が可能です。

HubSpotで作成できる一般的なZapを示すスクリーンショット

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    連携範囲: 決済金額、商品名、数量、購買回数、割引額など、自社の要件に合わせて詳細なデータ項目を連携できます。

    連携の方法(流れ): 設計:HubSpotで受け皿(Contact/Deal/必要ならカスタムオブジェクト)と項目を決める。

    レシピ構築:トリガー(新規/更新/返金など)→アクション(Upsert・関連付け・タスク/配信起動)を設定。

    検証・運用:テスト→本番切替。必要に応じて再試行・通知の簡易監視を付与。


  • ※HubSpotはZapier連携でトリガー/アクション自動化を公式に案内(HubSpotナレッジベース参照)しています。

 

  • ②APIによる連携

    HubSpotとSquareが公開するAPIを利用して独自の連携システムを構築する方法です。今後HubSpotデータスタジオのリリースに伴い有料プランを利用することでより簡単に実施ができる可能性もありますが、より自社に合わせたデータ管理を実施したい企業様にとっては個別開発も一つの選択肢となります。開発リソースは必要ですが、ビジネス成長に直結する高度な自動化を実現できる点が最大の魅力です。

  •  
  • 実装にあたっては、HubSpotとSquareの決済データを連携させるための連携させる項目を下記のように設計する必要があります。続いて、該当のAPIドキュメントを確認してID動機や金額の整合性、顧客マッピング、ステータス情報の更新ルール、更新トリガーなど詳細の条件を設計して実装していただく流れとなります。詳細のAPIについてはそれぞれのドキュメントへのリンクを提示していますのでご活用いただければ幸いです。

 

Square 側の取引情報(例)  HubSpot 側の取引情報
payment_id / order_id:ユニークID

dealnameやカスタムフィールドと連携

amount_money:金額

amount:金額 ※金額桁に注意

currency:通貨
amount_in_home_currency:会社通貨に換算した金額
created_at / closed_at:発生日時・完了日時
closedate:取引成立日(Squareの支払日と対応付け可能)
支払い情報 dealname:取引名(Square注文番号や明細と紐付け可)
 payment_status:支払手段や状態  dealstage / pipeline:進捗管理(Square側のステータスと合わせられる)
 customer_id:Square顧客ID  associated_contacts / companies:顧客や会社との紐付け

 

連携の設計ポイント
ID同期:HubSpotにSquare用のカスタムプロパティ(例:square_transaction_id)を追加し、両者を一意に紐付ける。
金額の整合性:HubSpotのamountとSquareのamount_moneyを同期。多通貨が絡む場合はamount_in_home_currencyを利用。
顧客マッピング:Squareのcustomer_idとHubSpotのcontactをAPIで照合。
ステータス更新:Squareの支払ステータス(例:COMPLETED, FAILED)をHubSpotのdealstageに変換ルールを作る。
更新トリガー:Square側で新規取引/支払更新 → Webhookで通知 → HubSpot APIを叩いて取引を作成/更新。
       逆にHubSpotの取引作成をSquareに送るケースも可能(在庫や売上管理と連動させる場合)。


 

SquareとHubSpotの連携で実現できるマーケティング施策



顧客情報/商品情報/取引履歴/支払い状況
といった
データをHubSpotと連携して取り込むことで、顧客情報の中でRFM分析やCPM分析などを用いて顧客分析をより動的に実施することが可能となります。また、誰に・いつ・何を届けるかを条件に基づき施策の自動化やその効果検証もHubSpotで行なうことができます。

 

連携によって実現できるマーケティングは下記3つとなります。

 

1

顧客ランクの可視化

SquareとHubSpotの取引データを統合することで、顧客の購買行動を把握可能。

購買金額や購入頻度、前回の購入などランク付けすることで優良顧客を見える化できます。

2

ランクに基づく自動施策

顧客ランクに応じパーソナライズされたマーケティング施策のオートメーション化。

来店回数が多い顧客への限定クーポン配信や高ランクな顧客へ特別案内送付など、個別アプローチが可能に。

3

ランク別施策の効果測定・分析

ダッシュボードを用いることで施策の売上貢献やランクアップ貢献を可視化。

 

施策の有効性や投資対効果(ROI)など測定と分析基盤が整うことで、常に最適な打ち手を導き出します。

HubSpotに取り込んだ顧客情報/商品情報/取引履歴/支払いデータを活用し、トリガーをすることで利用することで様々な施策を実現することが可能です。施策の参考例をご紹介いたします。また、クリエイティブホープの提供するもっとHOT見込リスト+では、顧客分析と施策の実装支援などを行なっていますので詳細の施策についてご相談がある場合はお気軽にお問い合わせください。

 

データ軸 活用トリガーの例 施策例
顧客情報

新規顧客登録/会員区分/居住エリア/誕生日

初回購入顧客への特典付きメール自動配信/誕生日クーポン配布/近隣店舗セール案内/会員別の限定オファー
商品情報 カテゴリ・ブランド・サイズ/新商品入荷/在庫増減 購入カテゴリに合わせた関連商品の買い替えリマインド/新商品の先行案内/タイムセール案内
取引履歴 最終購入から◯日経過/購入回数到達/平均単価 取引(来店)回数に応じた限定クーポン配布/前回購入から30日後の再購入リマインド/高額購入者へのお礼メール
支払い情報 決済完了/決済失敗/返金発生/合計金額の閾値 決済完了サンクス+次回◯%OFF/決済失敗時の別支払い方法案内/返金後のアンケート

 

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