成果を正しく測るための指標と、次の一手

この記事の要約(TL;DR)
- 3大基本指標の追跡:「新規コンタクト数」「フォーム送信数」「メールの成果」を確認し、施策の健康状態をリアルタイムに把握します。
- アトリビューションによるROI可視化:マルチタッチアトリビューションレポートを活用し、マーケティング施策が売上や受注にどれだけ貢献したかを定量化します。
- チャネル拡張と営業連携:LINE連携による顧客への的確なアプローチや、明確な基準(SLA)に基づく営業へのリード引き渡しにより、キャンペーンの成果を売上へと繋げます。
▼前回までの記事はこちら▼
第一部:HubSpot キャンペーン機能とは?
第二部:キャンペーンは「成果測定」だけではない
第三部:「能動的」に回すキャンペーン運用フローと最新機能
キャンペーンを「能動的」に運用できる体制が整ったら、次はいよいよ「成果の可視化」と「さらなる拡張」のフェーズです。
多くの企業が「施策をやりっぱなし」にしてしまう原因は、見るべき指標が多すぎて何を評価すべきか分からない、あるいは次の改善に繋がるインサイト(洞察)が得られないことにあります。本セクションでは、中級者が必ず押さえるべき「3大基本指標」から、一歩進んだ「ROI(投資対効果)の可視化」、そして「チャネル拡張と営業連携」までを徹底解説します。
1. まずはここから!キャンペーンで追うべき「3大基本指標」
HubSpotのキャンペーン詳細画面を開いたとき、最も基本であり、かつ施策の健康状態をリアルタイムに表す指標が以下の3つです。ダッシュボードの数値を表面通りに鵜呑みにせず、その変化の意味(事実)を報告・分析できるデータドリブンな視点を持ちましょう。
① 新規コンタクト数(New Contacts)
そのキャンペーンがきっかけで、初めて自社のデータベース(CRM)に登録された見込み客の数です。主に「新規リード獲得(ファネルのTOFU=最上流段階)」において、広告やSEOコンテンツ、ウェビナーがどれだけ新しい市場を開拓できたかを測定する指標となります。
② フォーム送信数(Form Submissions)
LPに設置された資料ダウンロードフォームや、無料診断、問い合わせフォームなどが合計で何回送信されたかを示します。新規コンタクトだけでなく、「既存のハウスリード(見込み客)が再度コンバージョンした(ファネルのMOFU=中流段階)」数も含まれるため、施策自体の魅力度やコンバージョンパス(CV導線)の最適化度合いを測るのに適しています。
③ メールの成果(Mailing Performance:開封率・クリック率)
キャンペーンに紐づけた各種マーケティングメールが、どれだけ開封され、本文中のCTA(リンク)がクリックされたかを追跡します。これにより、「ターゲットペルソナに対して、件名の訴求が適切だったか(開封率)」「本文の文脈や導線設計がユーザー行動を促せたか(クリック率)」をピンポイントで検証できます。
2. 一歩進んだ分析:アトリビューションレポートによるROIの可視化
基本指標に慣れてきたら、次に向かうべきは「マーケティングがどれだけ売上・受注に貢献したか」の定量化です。BtoBマーケティングにおいては、集客・ナーチャリング・商談化の各フェーズに複数のチャネルが絡むため、単純な「最後にクリックされた施策だけを評価する(ラストタッチ)」方法では、本当の貢献度を見誤ります。
そこで活用したいのが、HubSpotの「マルチタッチアトリビューションレポート」です。
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アトリビューションモデル |
実務での活用シーン・メリット
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ファーストタッチ (First Touch) |
ユーザーが自社サイトを初めて認知したきっかけ(検索、初期の広告など)に100%の貢献度を割り当てます。「どのキャンペーンが集客チャネルとして最も優秀か」を特定するのに最適です。 |
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リードクリエーション (Lead Creation) |
匿名ユーザーが初めて「フォーム送信」を行い、リード(コンタクト)に転換した瞬間の接点に100%の貢献度を割り当てます。「どのホワイトペーパーやLPが最強のCV導線か」を可視化します。 |
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マルチタッチモデル (U字・W字型など) |
初訪問、リード転換、商談作成、受注(クローズドウォン)など、複数の重要な接点に貢献度を分散して割り当てます。「購買プロセス(ファネル全体)を通じた、各キャンペーンの累積的な投資対効果(ROI)」をデータに基づいて精緻に評価できます。 |
3. 次の一手:チャネルの拡張(LINE連携)と営業連携への発展

キャンペーンのデータ基盤が整い、効果測定が仕組み化されたら、最後は顧客とのタッチポイントを広げ、マーケティングの成果を確実に「売上」へと変えるための拡張フェーズに入ります。
① HubSpot × LINE連携によるクロスコミュニケーション
メールの開封率に課題を感じている場合、次の一手として有効なのが「LINE公式アカウント」との連携です。HubSpotのキャンペーンやワークフローにLINE配信を組み込むことで、メールを見逃しがちな顧客に対しても、最適なタイミングでパーソナライズされたメッセージを届けることが可能になります。顧客の行動(LP閲覧やフォーム送信)をトリガーにLINEでステップ配信を行い、そのエンゲージメントもキャンペーンの成果として一元管理できるようになります。
② マーケティングから営業へのシームレスな連携(SLA設計)
マーケティングのキャンペーンがどれだけリードを獲得しても、営業がフォローしなければ意味がありません。キャンペーンで獲得・育成したリード(MQL)を、どのタイミングで営業(SQL)へ引き渡すかという基準(SLA)を明確にしましょう。HubSpotの組み込みAI機能(Breeze)などを活用したリードスコアリングと、パイプライン(取引)管理を連動させることで、「このキャンペーンから生まれた商談数・受注額」までをダッシュボードで完全にトラッキングできるようになります。
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