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BtoBデジタルマーケティング成功への鍵:MAを活用したセールスイネーブルメント

はじめに

MAはリードマネジメントで威力を発揮するツールであると同時に、営業活動においても成約率を上げるために不可欠になってきています。

本記事では、MAを活用したセールスイネーブルメントを実現するためのポイントを紹介します。特に、営業チームとの関わり方を改善しようとしているマーティング担当者や部門責任者の皆様に向けて、実践的なアドバイスを提供します。

セールスイネーブルメントの基本

セールスイネーブルメントとは、営業活動の成果を継続的に向上させるための組織的取り組みです。MQLよりも、営業が自ら探してくるリード(SGL)のほうが多いのが現状ですが、マーケティングチームと営業チームが密接に協力することで、リードの育成から成約までのプロセスをスムーズに進めることができます。

セールスイネーブルメントの重要性

営業が把握できる顧客プロセスは全体の40%程度と言われています。昔は顧客が情報収集の段階から営業に接触することが多かったですが、今では問い合わせが来た時点で初めて検討が進んでいることに気づくケースが増えています。

デジタルマーケティングの進化により、顧客企業の問い合わせまでのプロセスが見えにくく、受注角度の低さにも気づきにくくなってきているのです。

 

営業におけるMAのメリット

ホットなリードの特定

MAを使うことで、今すぐ対応すべきリードを特定することができます。これにより、営業活動の効率が飛躍的に向上します。

特にBtoBビジネスでは、顧客がどの段階にいるのかを正確に把握することが重要です。MAは、顧客が興味を示したコンテンツや行動を分析し、ホットなリードを見つけ出す手助けをします。

ホットなリードの特定には、顧客がどのようなコンテンツに反応しているかを分析することが有効です。

たとえば、特定の製品ページを頻繁に訪問している顧客は、その製品に強い関心を持っていると判断できます。こうした情報を基に、営業は優先度をつけてアプローチすることができます。

シナリオメールによる自動フォロー

MAツールを活用すると、リード育成を自動化し、営業がより重要な活動に集中できるようにサポートします。

特定の行動をしている「今すぐ客」と「そのうち客」に対して適切なアプローチが可能です。シナリオメールを活用することで、リードに対する継続的なフォローが可能になり、リードのエンゲージメントを高めることができます。

「そのうち客」に対しては、継続的な関係構築が重要です。シナリオメールを使うことで、段階的に情報を提供し、顧客の関心を引き続けることができます。これにより、将来的に「今すぐ客」へと転換する可能性が高まります。

オフライン行動の統合

オフラインでの顧客行動もMAツールに取り込むことで、より精度の高い情報を得ることができます。

例えば、ショールームでの行動をMAで分析することができます。これにより、オンラインとオフラインの行動を統合して顧客の全体像を把握することができ、営業活動をより効果的に行うことができます。

ショールームでの行動分析には、QRコードやスマホアプリを活用することが有効です。

顧客が興味を持った商品を記録し、そのデータをオンラインの行動と組み合わせることで、より精度の高いプロファイルを作成できます。オフラインとオンラインの行動を統合してより精度の高い情報を得ることができ、営業活動の効率が向上したとう事例もあります。

BANT情報の獲得

BANT情報とは

BANT情報とは、予算(Budget)、決裁権者(Authority)、ニーズ(Needs)、導入時期(TimeFrame)の頭文字を取ったもので、営業活動において重要な情報です。これらの情報を収集することで、営業は顧客のニーズや状況を正確に把握し、効果的な提案を行うことができます。

BANT情報を把握することで、受注確度が極めて高くなるとも言われています。特に決裁権者の情報の獲得は難しいですが、商談前に1つでもわかっているだけで、顧客からの信頼獲得につながります。

情報収集のテクニック

MAの活用で、効率的にBANT情報を集めることができます。

一度のにたくさんの情報を収集するのは極めて難しいことです。企業サイトでのコンテンツダウンロード時に少しずつ情報を収集する手法では、顧客の警戒心を和らげつつ、必要な情報を段階的に収集することができます。

具体的には、顧客がコンテンツをダウンロードする際に、最小限の情報を入力してもらい、徐々に詳細な情報を収集する方法が有効です。また、ニーズ(Needs)についてはコンテンツへの反応からある程度分析することも可能です。

MAツールを活用することで、既に収集した情報と未収集の情報を把握し、適切なタイミングで追加の情報を求めることができます。

シミュレーションツールの活用

シミュレーションツールや診断コンテンツでも、BANT情報の収集方法ができます。シミュレーションを通じて、ユーザーのニーズに応えつつ、情報を取得することが可能です。

例えば、保険会社のサイトでは、見積もりシミュレーションを通じて詳細な個人情報を収集し、顧客のニーズを把握することができます。ユーザーが自身のニーズを具体的に理解する手助けをする一方で、企業側には詳細な顧客情報を提供します。これにより、ユーザーのニーズに合った提案を行うことができます。

その他の事例として、ショールームでの行動を分析することで、オフラインでも顧客のニーズを把握することができます。商品を選んでもらい、その場で概算見積もりを提供することで、顧客の予算感を把握することができます。顧客の具体的なニーズを把握し、個別にカスタマイズされた提案を行うことも可能になります。

他にも、遊び感覚でやってもらえる「タイプ診断」アンケートを用意して「今すぐ客」か「そのうち客」かを判断するのも有効的な施策です。

態度変容の検知とアラート機能

HubSpotの機能

リードの態度変容を検知して、適切なタイミングでの営業アプローチを取る必要があります。

HubSpotは、「そのうち客」から「今すぐ客」に変わったのではないかという兆候を見つけ、営業にアラートを送ることができます。例えば、重要なメールリンクのクリックや非公開コンテンツの多回数クリック、同じドキュメントが社内横展開されたなど、特定の行動を自動通知のトリガーとして設定できます。

それにより、リードが購買意欲を示した瞬間を逃さずに対応することができます。

実際の使用例

PDFの閲覧状況からリードの関心度やステータスを把握し、営業アプローチを行うことも可能です。

例えば、そろそろ稟議に掛けようかというタイミングになると、他の社員にも製品情報を見てもらいたくなり、資料が添付されたメールを転送するということがあるでしょう。

ドキュメント機能を使用したリンクであれば別の人がクリックしたこともわかるため、検討が進んでいることを把握できます。

まとめ

セールスイネーブルメントは、営業活動の成果を最大化するための重要な取り組みです。マーケティングと営業の連携を強化し、MAを活用することで、BtoBビジネスにおけるリード育成とBANT情報の収集を効果的に行うことができます。

これにより、営業活動の効率と成果を飛躍的に向上させることができます。

 

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本記事は、本メディアを運営する株式会社クリエイティブホープが出版した書籍「HubSpotワンストップマーケティング」を参考にし作られています。書籍ではこの他にもBtoBデジタルマーケティングやHubSpotに関する様々な情報が載っています。
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