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口コミ活用マーケティングに起きている、ある重大な変化

「口コミマーケティング」はなぜ失敗するのか
「口コミで集客に成功した」という声が次々と耳に入ってくる昨今。
私のお店(サービス)も口コミしてほしいなぁ、とお考えのマーケターさんや経営者さんも多くいらっしゃるのではと思います。
一方で、口コミマーケティングには「大きな勘違い」が潜んでいる危険も。

 「とりあえずインスタ始めればいいんでしょ?」
 「とりあえずインフルエンサーにお勧めしてもらえばいいんでしょ?」

このような「とりあえず」的なキャンペーンでは、残念ながら効果的な「口コミマーケティング」はできない可能性が高いです。
なぜなら、これらの発想の裏側には「顧客が何を求めているか」という発想が大きく欠けているから。

行うべきは、
・顧客がなぜ口コミに心を動かされるか
・顧客が口コミに何を求めているか
これらをしっかり考えることです。もう少し詳しく見ていきましょう。

 

1. そもそも、口コミはなぜ有効?

1.1 顧客が欲しいのは「本音」の声だから

口コミが有効である理由はいくつかありますが、他の広告などと比べると明らかな違いは大きく1つ。「本音が聞ける人」のオススメ行為だからです。CM、雑誌、テレビ番組、企業Webサイト・・・これらは全て、企業が時にはお金をかけて宣伝を行う場。ネガティブな生の意見が入り込むことはあまり多くないのが実情です。しかし、消費者が本当に求めているのは、テレビなどで切り捨てられている「ネガティブな情報」なのです。

例えばテレビ番組でも、有名人のマツコ・デラックスさんは良い例ではないでしょうか。彼女の取り上げた商品が「売れる」と言われるのはなぜか?その理由は、彼女の卓越した会話力だけではなく、マツコデ・ラックスさんがズバッと鋭い意見も述べる「本音」のキャラクターであると浸透していることにもあるでしょう。
視聴者は、マツコさんが褒めるときは「自分の本音で褒めてくれている」のだ、と信頼感を抱いてしまうのですね。

 

1.2 利害関係のない人の「褒め」=信頼の源

口コミでも、インフルエンサーマーケティングでも、仕組みは基本的に同じです。口コミをする多くの人は、いわゆる一般人(=商品に対する利害関係のない人間)であると見なされます。
「ネガティブなことを言ってもいい人」の「褒め」、これが口コミの信頼の源になっているのです。
(このような「第三者の意見のほうにより信憑性を感じてしまう心理的効果」は、俗に「ウィンザー効果」と呼ばれることもあるようです。)

ここまでは、口コミの有効性の源を「信頼できる人であること」に定めてお話してきました。「信頼」ということを本当に考えるとき、単に口コミ数を増やすこと、インフルエンサーにPRをお願いすることに意味がないことに気がつくのではないでしょうか。

 

2. 口コミで「質より量」がNGな理由

2.1「悪い口コミ」は逆効果

例えば「悪い口コミ」の悪影響はかなり大きいものです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によれば、悪い口コミがあった場合に購入を取りやめる人の割合は75%。これは「口コミがない」場合の33%よりも大きく上回っています。
口コミをしてもらうためには「良い口コミであること」が非常に重要です。

参照元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「口コミサイト・インフルエンサーマーケティング に関するアンケート結果」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/internet_committee_180927_0003.pdf


2.2 顧客は「良い口コミ」を100%信じているわけではない

一方で、いわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)」や口コミサイトの「やらせ」問題は、今に始まったものではありません。私たち消費者にとって、口コミを「純粋に」信頼するということが難しくなっているのも、残念ながら事実です。
同じ調査によれば、「口コミの信ぴょう性、信頼性について気にしていない」人は全体のわずか12%という結果に。情報にあふれた現代、多くの人が口コミを見る際に多かれ少なかれ気をつけているようです。

 

3. 口コミに必須な2つの「質」

3.1 口コミへの信頼感のカギは「具体性」

そんな中、皆さんはどのように口コミの「信頼性」を測っているのでしょうか。
調査を見ると、「口コミの内容が具体的か、詳しいか」を評価基準にしている人は6割以上。多くの人は口コミに「具体的であること」を強く求めていて、「具体性」こそが「信頼性」の源になっていることがわかります。
つまり口コミは「量」ではなく「質」。悪い評判を立てないことだけでなく、長くて詳しい口コミであることが、口コミ活用の大きなポイントになってきそうです。

参照元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「口コミサイト・インフルエンサーマーケティング に関するアンケート結果」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/internet_committee_180927_0003.pdf

 

3.2 口コミには「意外性」も大事

いわゆる一般人の口コミが追い風になるのは、カスタマージャーニーにおける「意志決定」(買おうかな、他も見てみようかな)の段階。
消費者が購入を決定するプロセスには「意思決定」の前に「認知」(こんなものがあるんだ!)「関心」(検索してみよう)などの多くのプロセスがあり、消費者は様々なメディアに触れつつ長い道のりをたどって「購入」にたどり着きます。
単に口コミ数を増やすだけでは、そもそも顧客の目に触れる前段階が踏めていないことになってしまいます。

インフルエンサーの口コミが力を発揮するのはまさにこの時。
先にも挙げた調査では、インフルエンサーの投稿をチェックする理由の約半数が「自分では得られない独自の情報を発信している」こと、「商品やサービス等について、参考になる情報が得られる」こと、となっています。
つまり、インフルエンサーの訴求力は「独自であり」かつ参考になる(≒本音が聞ける)、という二本立てで成り立っています。まさにカスタマージャーニーの「意思決定」の前段階にある「認知」「関心」の段階です。

 

4.「具体性」「意外性」ある情報の提供者とは

ここまででは口コミに重要なのが「信頼性」「意外性」であることをお伝えしてきました。口コミサイトとインフルエンサーが、同じ「口コミ」でも全く異なる役割を果たしていることがおわかりいただけたかと思います。
とはいえ、この両方を高めるキャンペーンを同時に行うのは至難の業かもしれません。そんななか、インフルエンサーよりも圧倒的に「具体的な体験」を提供でき、しかも「自分の知らない意外性ある情報」を届けてくれる存在がいます。それは「友人・知人」です。

 

4.1 最も身近で信頼できる情報源は「家族・友人」

2009年当時、人が最も信頼できると評価していたのは圧倒的に「知人・友人からの情報」でした。Nielsen Globalの調査では、情報ソースの信頼度1位が「知人からの推奨」90%と、群を抜いて高い値を獲得しています。

出典:https://www.netratings.co.jp/news_release/2009/07/Newsrelease20090708.html

その後SNSでの口コミが影響力を上げたのは、個人が発信者になり、圧倒的な情報件数を供給できるようになったから。
口コミを求める人間心理の根本には、時代に左右されず、「信頼できる情報がほしい」という気持ちがあるのです。

 

4.2 知人・友人はもっとも身近な「口コミ」先でもある

さらに別の調査では、サービスの「ファン」になった人の行動としてこんな数字が上がっています。

・「家族や知人に好意的な評価を伝える」 84%

・「SNSやブログで発信する」 41%

参照元:https://www.trans-cosmos.co.jp/data/2019dec/

つまり、消費者が「口コミ」を行う先は明らかに「家族・知人」なのです。

 

4.3 SNSでの発信は、誰もが行うわけではない

背景には、インフルエンサー以外の多くの一般ユーザーが積極的に情報発信を行う割合がまだまだ少ないという現状があります。
例えば総務省の調査によれば、SNSで「閲覧」を行う割合と「投稿」を行う割合には、大きな開きがあるようです。

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参照元:総務省「平成 30 年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書」https://www.soumu.go.jp/main_content/000644168.pdf

個人間のコミュニケーションによく使われるLINEの投稿率が68.5%であるのに対し、
Twitterは37%、Instagramは42.5%、Facebookは36%、TikTokは17.5%・・・と、他のSNSでは投稿率があまり高くありません。

 

4.4 口コミ投稿も、誰もが行うわけではない

口コミレビューの投稿も「放っておけば増える」ものでもありません。
調査では、インターネット上に商品やサービスに関する口コミやレビューを「投稿したことがない」「ほとんど投稿していない」人が約8割を占めています。

参照元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「口コミサイト・インフルエンサーマーケティング に関するアンケート結果」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/internet_committee_180927_0003.pdf


以上の調査結果をまとめると、8割以上の人が行う「家族・知人への高評価」は、SNSやレビューサイトよりもずっと身近な「口コミ」であることがおわかりいただけるかと思います。

 

5. まとめ:本当に質の高い口コミ=お友達紹介をもっと活用しよう

「私が」「あなたに」オススメしたい、という「お友達紹介」は、ある意味で最も具体的な、パーソナライズされた「口コミ」です。
しかも、友人や家族との会話には、自分の知らなかった情報がたくさん。
カスタマージャーニーに置き換えると、「認知」「関心」「検討」の様々な段階で、身近な人の口コミが強い追い風になる可能性が高いのです。

「お友達紹介」をマーケティングとして取り入れることは、「リファラルマーケティング」と呼ばれます。
「口コミマーケティング」の本質的な目的と深く繋がっている「リファラルマーケティング」は、単なる原点回帰ではありません。むしろ、情報過多とも言われる「今からの時代」のマーケティング手法としてますます重要になってくるのではないでしょうか?





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