<iframe src="//www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-P2MDTJ" height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden">

そのアプローチは逆効果?富裕層マーケティングでやりがちな「5つの勘違い」

株式会社野村総合研究所の推計によると、2023年時点での日本の富裕層(純金融資産1億円以上5億円未満)と超富裕層(同5億円以上)は合計165万世帯、その総資産は469兆円にものぼります(参照:株式会社野村総合研究所「日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」)。

この巨大で魅力的な市場に対し、多くの企業が多額の予算を投じてアプローチを試みています。しかし、「期待した成果が出ない」「手応えを感じられない」といった声が後を絶ちません。

その原因は、アプローチの手法が、富裕層の価値観や行動様式と根本的にズレているからかもしれません。良かれと思って行っている施策が、実は彼らにとって「ノイズ」でしかなく、逆効果になっているケースは非常に多いのです。

本記事では、富裕層マーケティングに潜む「5つの大きな勘違い」を、具体的な失敗例とエビデンスを交えて解き明かします。そして、なぜ「リファラル(紹介)」こそが、この難攻不落に見える市場を攻略する最も有効な一手となり得るのかを、論理的に解説します。

\「紹介」を起点に、富裕層の新規顧客を獲得しよう/

1. 富裕層マーケティングでよく使われている手法

Cruz Bay, St John, United States Virgin Islands.

まず、多くの企業が富裕層へのアプローチとして採用している代表的な手法と、その背景にある考え方を見てみましょう。

  • Web広告・SNS広告: 特定の興味関心(ゴルフ、海外旅行など)や役職、居住エリアでターゲティングできるため、効率的にリーチできると考えられています。

  • タクシー広告: 経営者や役員の利用率が高いタクシーの後部座席は、多忙なターゲットに訴求できる「キャプティブ(拘束された)空間」と見なされています。

  • 雑誌広告: 富裕層向けライフスタイル誌や経済誌は、読者層が絞られており、ブランドイメージと親和性の高い媒体として選ばれます。

  • イベント開催: 高級ホテルでのセミナーや限定パーティは、非日常的な体験を提供することで、顧客との特別な関係を築けると期待されています。

  • ダイレクトメール: デザインや紙質にこだわったDMは、デジタル情報が溢れる中で、手元に残る物理的な接点として価値があると考えられています。

これらの手法は、一見すると富裕層にリーチできそうに思えます。しかし、大きな「勘違い」に基づいていると、コストだけがかさみ、失敗に終わってしまうのです。

\「紹介」を起点に、富裕層の新規顧客を獲得しよう/

 

2. なぜ響かない?手法別の失敗例と、その裏にある「5つの勘違い」

各手法がなぜ失敗に終わるのか。その理由を、富裕層マーケティングに共通する「5つの勘違い」とともに解説します。

【勘違い①】富裕層はひとつの塊(セグメント)である

失敗例: Web広告で「年収2,000万円以上」「経営者」といったターゲティングを行い、画一的なメッセージを発信したが、全く反応がない。

理由: 野村総合研究所の調査でも、純金融資産5,000万円~1億円の「準富裕層」、1億円~5億円の「富裕層」、5億円以上の「超富裕層」と階層が定義されているように、富裕層は決して一枚岩ではありません。資産を築いた背景(事業家、投資家、医師・弁護士、資産継承者など)によっても、価値観や消費行動は全く異なります。

デロイトトーマツグループの調査では、富裕層の7割が「自分が気に入ればブランドや評判は気にならない」と回答しており、世間一般のイメージよりも「自分軸」で物事を判断する傾向が強いことがわかります(参照:デロイト トーマツ グループ「2024年度 国内富裕層意識・購買行動調査」)。

この多様性を無視して「富裕層は高級車や時計が好きだろう」という最大公約数的なメッセージングを行っても、誰の心にも響かないのです。

 

【勘違い②】広告を「見せれば」興味を持つはずだ

失敗例: 都心部のタクシー広告に多額の費用を投じたが、問い合わせは皆無。雑誌広告も同様の結果に終わった。

理由: 富裕層は日々、膨大な情報に晒されており、情報の要不要を瞬時に判断します。事実、前述のデロイトの調査では、6割が「情報に踊らされることにうんざりしている」と回答しています。

彼らが重視するのは「情報の中身」以前に「誰からの情報か」という点です。世界的な調査会社ニールセンのグローバル調査では、いつの時代も「知人からの推薦」が最も信頼される広告形態であることが繰り返し示されています。企業からの一方的な広告は、たとえ高級感をまとっていても「売り込み」として認識され、意識的にシャットアウトされてしまうのです。

 

【勘違い③】豪華な「特別扱い」をすれば喜ぶはずだ

失敗例: 高級ホテルの豪華なパーティを開催したが、集客に苦戦。参加者も当たり障りのない交流に終始し、ビジネスに繋がらなかった。

理由: 富裕層は、ありきたりな「豪華さ」には慣れています。ボストン コンサルティング グループ(BCG)の調査によれば、高額消費者は一般消費者に比べ「エンタメ・旅行・趣味」といった“体験”に約9倍もの金額を支出しており、「モノ」以上に「価値ある体験」を求めていることが明らかになっています(参照:BCG「データで読み解く インフレ時代に自分らしさを買う 高額消費者」)。

企業側が用意した「いかにも」な特別扱いは、彼らにとって価値ある体験ではなく、かえって営業的な意図を感じさせ、警戒させます。彼らが本当に価値を感じるのは、お金で買える豪華さではなく、信頼できる人だけが集まる本物の「クローズドなコミュニティ」なのです。

 

【勘違い④】高価なモノや金銭的メリットで動かせる

失敗例: 高価なギフト券をインセンティブにしたキャンペーンを行ったが、全く協力が得られなかった。

理由: 富裕層の意思決定を左右するのは、必ずしも金銭的メリットだけではありません。彼らは自身のステータスや自己実現、社会貢献といった「非金銭的価値」を重視します。例えば、時間を節約できるサービスや、自身の知識や世界を広げるような体験には、支出を惜しまない傾向があります。

小額の金銭的インセンティブは彼らにとって魅力的に映らないどころか、「時間を使わせておいて、この程度の対価か」と、かえってブランドイメージを損なうリスクすらあるのです。

 

【勘違い⑤】企業からの直接的なアプローチを求めている

失敗例: リストをもとにしたダイレクトメールやテレアポを行ったが、開封・応答すらしてもらえず、完全に無視された。

理由: これはすべての失敗に通底する最も大きな勘違いです。富裕層は自身のプライバシーと時間を何よりも大切にしており、知らない企業からの直接的なアプローチを極端に嫌います。前述のBCGの調査でも、高額消費者は新しい店舗を試すことに慎重で、顧客の嗜好を深く理解した特定の「担当者」との関係性を重視すると報告されています。

彼らの世界への扉は固く閉ざされており、正面からノックしても開くことはありません。この扉を開ける唯一の鍵は、彼らが信頼する人物に内側から開けてもらうこと、すなわち「紹介」なのです。

\「紹介」を起点に、富裕層の新規顧客を獲得しよう/

 

3. 結論:すべての勘違いを乗り越える「リファラルマーケティング」

ここまで見てきた5つの勘違いに基づくアプローチの失敗は、リファラルマーケティング(紹介マーケティング)によってすべて解決できます。なぜリファラルが富裕層に有効なのか、その理由は明確です。

 

理由1:「富裕層の友人は富裕層」- 効率的なネットワークへのアクセス

社会学で「ホモフィリー」と呼ばれるように、人は自分と似た属性や価値観を持つ人と繋がりやすい傾向があります。これは富裕層においても同様で、彼らの周りには同じような資産背景やライフスタイルを持つ人々が集まっています。 一人のロイヤル顧客からの紹介は、469兆円とも言われる巨大な富裕層市場の中から、自社にとって最も確度の高い見込み顧客ネットワークへアクセスする、唯一無二のショートカットなのです。

 

理由2:「あなただから紹介する」- 本物の特別感と信頼の担保

リファラルは、紹介者の信頼というフィルターを通した、極めてパーソナルな推薦です。「企業からの広告」ではなく「信頼する〇〇さんからのおすすめ」として情報が伝わるため、相手は最初から心の壁を取り払い、好意的な姿勢で話を聞いてくれます。 これこそが、どんな豪華なイベントよりも価値のある「本物の特別感」であり、失敗例で挙げた心理的障壁を難なく乗り越える力を持っています。

 

理由3:「関係性」が主役のインセンティブ設計

リファラルの根底にあるのは「良いものを大切な友人に教えてあげたい」という紹介者の善意や、紹介先企業との良好な関係性です。 そのため、インセンティブも必ずしも金銭である必要はありません。限定イベントへの招待や、一般には公開されない情報の提供、あるいは本人の名義で慈善団体へ寄付をするといった「非金銭的な価値」を特典として設計することで、富裕層の承認欲求や知的好奇心を満たし、より質の高い紹介を生み出す好循環が生まれるのです。

 

富裕層の新規顧客獲得は「紹介」にあり

富裕層マーケティングの成功の鍵は、彼らを「広告の受け手」として一方的に情報を浴びせるのではなく、「価値を共有するパートナー」として捉え、その信頼の輪に入れてもらうことに尽きます。

多くの企業が陥る「5つの勘違い」を避け、信頼をベースにしたアプローチを実現するために、リファラルマーケティングは最も合理的で効果的な手法です。

このリファラルマーケティングを仕組み化し、紹介の依頼から可視化、効果測定までをスムーズに行うためには、専用ツールの活用が不可欠です。弊社のリファラルマーケティングツール「invy(インビー)」は、富裕層向けビジネスを展開する多くの企業様で、紹介によるLTV(顧客生涯価値)の高い顧客獲得に貢献しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

\「紹介」を起点に、富裕層の新規顧客を獲得しよう/


トピック: 紹介の基本, マーケティングノウハウ

もっとも読まれている記事

情報過多の時代は「何を言うか?」より「誰が言うか?」が重要です。紹介がされる時には「誰が」「どんな情報」を友人・家族に伝えているのでしょうか?  詳しくはこちら>>
インフルエンサーマーケティングは適切に行えば高い効果を発揮しますが、方法を誤ると一過性のもので終わってしまう危険性も。失敗を防ぐためには何に気を付ければいいのでしょうか?  詳しくはこちら>>
大事なポイントはリファラルコミュニケーションのデザイン。オンラインだけでなくオフラインも最適化することで紹介経由の顧客獲得が4倍に。  詳しくはこちら>>
コロナウイルスに伴う外出自粛によって、人の消費行動や生活様式は大きく変化しました。ウィズコロナの店舗集客のあり方がどのように変わるのか、考えるためのポイントを解説します。  詳しくはこちら>>