リファラルマーケティングとは? 30の成功ポイントと13の成功事例【2024年最新】
リファラルマーケティング (Referral Marketing)とは
リファラルマーケティング (英語:Referral Marketing)とは、ある商品やサービスを利用したユーザーが親しい人に紹介することで、その商品やサービスの価値が波及していくことを狙うマーケティング手法です。
商品の検討において、64%の人が「友人・家族からの口コミを参考にしている」という調査結果もあります。親しい人からの紹介は信頼できるため、親しい人からの「紹介」を販促に活用しようと考えるのは自然なことだといえます。
※ リファーラルマーケティングとも表記されることがあります。
この手法は、バイラルマーケティングや口コミマーケティングのように人から人へのクチコミを使った手法の1つであり、デジタルでのビジネス運営経験がある人は、必ずアナリティクス経由でreferralの数値を確認すると思います。
デジタル上でのクチコミをどのように効果的に行うかを考慮したマーケティング手法として、リファラルマーケティングという概念が確立しつつあります。
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今回の記事では「なぜ「リファラル」をビジネスに活用するべきなのか?」その理由・意味を徹底的にお伝えしたいと思います。
Wikipedia「リファラルマーケティング」2021年3月29日 (月) 03:43の投稿は、このWebページの作成者によるものです。
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- リファラルマーケティングの重要性
- リファラルマーケティングと似ている手法との違い
- 【リファラルマーケティングを学びたい人はここからがオススメ】
- リファラルマーケティングに力を入れる10個のメリット
- リファラルマーケティングを成功させる11個のコツ
- リファラル(紹介)キャンペーンの存在はいつでも目に付くところに
- 顧客満足が高くなるタイミングを探すこと
- より質の高いリファラル(紹介)を発生させる顧客ターゲットを定める
- インセンティブ(特典)は、金銭だけなくサービス・体験の強化を
- 手間がかかるリファラルコミュニケーションはNG
- win-win-winの三方よしをしっかりつくる
- 顧客の声を聞くことがリファラル(紹介)のきっかけをつくる
- コアファンには限定サービスグッズをプレゼント
- お客さんが簡単に伝えられるリファラル(紹介)フレーズ・ポイントを用意
- 顧客満足の高い体験を改善・提供し続けること
- 費用対効果を中長期で考える
- PFMできているサービスほど成果を上げやすい
- リファラルマーケティング成功事例12選
- リファラルマーケティングを強化するために
◆1.リファラルマーケティングの重要性
現代は商品・サービスの差別化が困難な時代です。
競合他社よりも機能・性能が良い商品を市場に投入しても、瞬く間に追随されてしまいます。
機能・性能競争をしているうちに、気がつけば市場には似たような商品が満ち溢れ、生活者は違いがわからず、商品選びにストレスを感じるようになってしまいました。
生活者は、商品選びに疲れ果ててしまっています。
このような状況下では、「いいモノをつくれば売れる」というのは、すっかり過去のこととなってしまったといえます。そもそも商品数が多すぎて、いいモノであろうと悪いモノであろうと認知されることさえままなりません。 「広告費を掛けて宣伝して、認知してもらえばいいではないか」と考えるかもしれません。
ですが、高額の広告宣伝費を使って、マスメディア広告を出稿したとしても、はたして本当に売れるのでしょうか。費用の割には効果がないということで、インターネット広告への出稿が飛躍的に増えたのではなかったでしょうか。しかし、インターネット広告の単価も年々高くなっている上、広告量も飽和状態で、年々費用対効果が下がってきています。
そこで急激に存在感を増してきたのが、口コミマーケティングでした。商品レビュー、ブログ記事での紹介、インフルエンサーによる発信などでユーザーの購買行動を促す販促手法です。要するに従来の「お客様の声」や「有識者の推薦」をウェブ化(ブログ、SNS、レビューページ、商品比較サイト等)したものです。
当初は非常に効果が高かったのですが、「やらせレビュー」や「ステルスマーケティング」が問題となり、信頼度がかなり低くなってしまいました。現在では「とても参考にしている」という人は約12%、それ以外と回答した人が約88%と圧倒的に多かったという調査結果もあるほどです。
生活者が求めるのは、信用できる人からの信用できる情報といえます。
1.1 リファラルとはロイヤリティの確認手法
これまでは自社の商品・サービスを何度もリピートしていただける既存顧客が最大のロイヤル顧客だと考えられていました。しかし「紹介」という新たな指標が出たことにより、それは覆されると考えています。
リファラル(紹介)を行う人にはある一つのデメリットが存在します。それは自身が紹介したサービスによって、紹介された側が不快な思いをすると「こんなサービスを紹介したあいつは信じられない!」と思われる可能性があることです。そんなデメリットを超えてまで紹介を行い、新たな新規顧客を呼び込み、企業に貢献する紹介者はただのロイヤル顧客よりもロイヤリティがあるでしょう。
また既存顧客から紹介された新規ユーザーは、同じような興味傾向をもつユーザーである(が選ばれる)可能性が高く、またサービスに満足してもらうことによって更なる友人紹介・継続利用率が高くなる、そういった一粒で二度(以上)おいしい効果が見込めます。
1.2 事業成長指標(AARRRモデル)の一つ
サービスの成長段階を表すAARRR(アー)モデルというものがあります。シリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」の創業者であるデイブ・マクルーア氏が提唱したもので、Acquisition(獲得)、Activation(活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の頭文字を取ったものです。このモデルによれば、リファラルは4段階目であり、リファラルを実践できていれば、収益化のベースが整うとされています。
だからこそ今「リファラルとは何?」と思っている方は、その重要さを是非覚えてください。
1.3 自社のブランド力(ブランディング)が測れる
スタートアップ投資の世界では「リファラビリティ」という概念が定着しはじめています。これはブランドがどれだけ紹介される力があるかを示す指標で、投資家たちが最も気にする指標の1つです。
リファラルマーケティングで成果を上げている企業は強いブランド力を持っているとみなされているということです。広告の費用対効果が疑問視され、口コミの信頼性も失われる中、信頼できる人の紹介だけは力を失っていません。今までの広告をすべてやめる必要はありませんが、広告宣伝予算の一部をリファラルマーケティングに回すだけでも、期待以上の効果があると考えます。
1.4 紹介体験を上手に設計する
闇雲に既存ユーザーに紹介をお願いしても、中々応じてもらえるものではありません。紹介は責任が伴うものだというのがその理由の1つですが、それ以上に紹介したものを紹介した相手に気に入ってもらえなかったときのネガティブな感情を想像すると気軽にできることではないのです。
こうしたハードルをクリアするためには、ユーザーが自然に紹介したくなる「紹介体験」を設計し、PDCAサイクルに基づき絶えず改善を続けることが重要となっています。要するに他のマーケティング手法と同じく、設計とPDCAサイクルが大切なのはもちろんですが、リファラルマーケティング独自の考え方やノウハウが必要なことはいうまでもありません。
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2. リファラルマーケティングと似ている手法との違い
例えばインフルエンサーを起用してPRをしてもらう手法や、Twitterでバズらせて、認知を拡大する手法など、一見リファーラル(紹介)の1つの形ではないのかと思う手法が増えています。
ではリファーラルマーケティングとは、どのような違いがあるのでしょうか。その違いを解説してみましょう。
2.1 バズマーケティング
バズマーケティング(英語:buzz marketing)は、製品やサービスに対する消費者の関心を喚起し、口コミやSNSなどを通じて拡散することで、広告宣伝効果を高めるマーケティング手法です。従来の広告手法では難しかった若年層やデジタルネイティブ層など、特定のターゲット層へのアプローチに非常に有効です。また、口コミやSNSの拡散力を利用するため、広告費用を抑えつつ、高い露出を実現することができます。
バズマーケティングを行うには、商品やサービスがユニークであったり、インパクトが強かったりすることが大切です。また、広告に関連するクリエイティブな要素が豊富であることも、バズマーケティングにおいて重要な要素となります。
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2.2 バイラルマーケティング
バイラルマーケティングは、インターネットを通じて、ユーザー自身が情報を共有することで広がっていくマーケティング手法です。バイラルとは、ウイルスのように感染力のあるという意味があります。具体的には、面白い・斬新な・感動的な・衝撃的なコンテンツを制作し、そのコンテンツをシェアすることで、その情報が広がっていくことを狙います。例えば、SNS上でのシェアや、YouTubeの動画再生数の増加、ブログ記事のシェアなどがその例です。
最近では、難病のALSの研究と患者を支援する目的で行われた「アイス・バケツ・チャレンジ」のキャンペーンが有名です。同チャレンジは、ビル・ゲイツやスティーブン・スピルバーグなど多くの有名人が参加したこともあり、2014年に社会現象となりました。アメリカALS協会は、同チャレンジにより、1億1千5百万ドルもの寄付がたった8週間で集まったと発表しました。シンプルな企画でより多くの人に共感をよび、インフルエンサーへの影響も相まって指数関数的に拡張したマーケティング事例でした。
バイラルマーケティングは、コンテンツが面白ければ、自然とシェアされるという点が特徴的です。また、バズマーケティングと異なり、あまりターゲットを絞らず、広く情報を拡散することができることも特徴です。
2.3 インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、影響力のある人物(インフルエンサー)を通じて商品やサービスを宣伝するマーケティング手法です。インフルエンサーは、SNSやブログなどを通じて大勢のフォロワーや読者を抱え、彼らに対して商品やサービスを紹介することで、広告効果を得ます。
この手法では、インフルエンサーの選定が非常に重要です。ターゲット層に合わせたインフルエンサーを選定することで、より効果的なマーケティングが可能になります。また、単なる商品の宣伝だけでなく、インフルエンサーとの共同制作やイベント開催など、コンテンツを提供することで、フォロワーの興味を引きつけ、商品への関心を高めることも重要です。
「とりあえずインフルエンサーマーケ」はNG!成功に近づく重要ポイント
2.4 コミュニティマーケティング
コミュニティマーケティングとは、特定の共通の興味や目的を持った人々が集まる「コミュニティ」を対象に、そのコミュニティ内での情報共有や交流を通じてマーケティングを行う手法です。具体的には、SNSやオンラインフォーラムなどでコミュニティを形成し、コミュニティ内での情報発信やコンテンツの共有、イベントの開催などを通じて、商品やサービスの認知度や購買意欲を高めることを目的としています。
【事例あり】コミュニティマーケティングとは|成功ポイントや具体的な運用を解説
2.5 アンバサダーマーケティング
アンバサダーマーケティングは、特定のブランドや商品に熱心な支持者(アンバサダー)を利用して、そのブランドや商品を広く宣伝・プロモーションするマーケティング手法です。
アンバサダーは、自分自身のソーシャルメディアや口コミなどを通じて、商品やサービスを宣伝し、購入や利用の促進を図ります。商品やサービスに対する強い信念を持っており、自発的に商品を紹介するため、広告費用をかけることなく、潜在顧客からの高い信頼度と売り上げに対する効果を期待することができます。アンバサダーは、一般消費者と同じように商品を利用しているため、商品やサービスに関する実際の体験や感想を抱いています。だからこそその情報はより信頼性が高くなります。
しかし巷で流行ってるインフルエンサーとは完全に異なる存在であるため、しっかり区別できるようにしましょう。
2.6 ファンマーケティング
ファンマーケティングとは、ブランドや商品、サービスの「ファン」と密にコミュニケーションをとることで「中長期的な売上増大」「ブランドやカルチャーの共創」を図るマーケティング手法です。
ファンの語源は「熱狂的な」を意味するファナティック(英: fanatic)ですが、ファンマーケティングにおける「ファン」はまさに、商品・サービスを熱狂的に支持してくれる一部の顧客のことを指します。ただしその存在は、単なるロイヤルカスタマーやリピーターに止まりません。ファンはサービスへの愛着を自分だけで完結させず、商品の魅力を熱弁する伝道師の役割を担います。近年ファンマーケティングが注目されている背景には、集客の「量」から「質」への転換があります。
ファンマーケティングでは、ファンからの良質なフィードバックを多数集めることがポイントになります。
熱狂的なファン層は、企業や商品により良くなってほしいと考えていますし、好きな企業のマーケティングに参加できること、意見を取り入れてもらえることを誇りに思っています。また、好きな事柄である企業・商品の話をすること、情報を送受信することはファンにとっても「喜び」です。そのため、質の高い感想、的確な要望等を提供してくれる可能性が高いのです。
3.リファラルマーケティングに力を入れる10個のメリット
- 情報の信頼性が高く受け入れられやすい
- リファラル(紹介)経由顧客は「質が高い」
- 獲得単価(CPA)を抑えて「効率良く」顧客獲得できる
- SNS上で1対Nの紹介活動
- 紹介による自社サービスでの顧客体験の改善
- リファラル(紹介)成果を踏まえたROIの再評価
- リファラルマーケティングはbtobでさえ有効
- リファラルは企業の採用活動に有効
- リファラルマーケティングのデメリットは?
3.1 情報の信頼性が高く受け入れられやすい
パソコンやスマートフォンを持つようになって一日に得る情報量は莫大に増えたと言われています。情報過多の時代においては、「何を言うか?」より「誰が言うか?」がとても重要です。そのため既存顧客による「紹介」は、新規の顧客を獲得するのに必須となっています。
データからもわかる通り、「友達/家族からのオススメ」は最も信頼される情報源です。企業視点でサービスの強みを訴えるだけでなく、既存の顧客にサービスの良さを伝えてもらうことでより信頼を生む情報となり、お客様の背中を押すことになるでしょう。
3.2 リファラル(紹介)経由顧客は「質が高い」
既存顧客が紹介する新規顧客は、持っているニーズやデモグラフィック属性が同一なことが多いため、質が高くなります。そのため既存顧客のフォローを重視して、顧客の質を上げることがビジネスの安定化につながります。つまりはサービスの質をあげることで顧客の質が上がり、その結果、生産性が向上し収益につながります。
一方、広告による集客はコストを増大させ、生産性の低下を招くことがあります。そのため広告出稿量を上げるときは、明確な指標を持ちながら上げるのが得策です。
3.3 獲得単価(CPA)を抑えて「効率良く」顧客獲得できる
オークション形式で出稿管理が行われるオンライン広告では獲得コストをコントロールできません。自社の市場において競合が増えれば増えるほどオンライン広告の単価は高騰し続ける一方です。また、採用においても同じで、優秀な人材の採用費は高騰する一方です。
市場の影響を受けて収益を圧迫するモデルよりも、自社資産を活用して紹介を増やすことで獲得効率が向上します。
3.4 SNS上で1対Nの紹介活動
SNSを代表的なリファラルマーケティングツールとして利用することが増えてきています。ユーザーはSNSで、相手の悩みや相談事を聞いたり、それに応じたサービスの紹介を行っています。そういった日常の中であらゆるサービスは評価され、クチコミとして伝わっています。
大事なのは、日常会話の中であなたのサービスが想起するほど強い印象を持てているかということです。あなたのサービスが印象的かどうか、サービス紹介が簡単にできることが重要です。そのため、デジタルでキャンペーンを用意することで、手元のスマートフォンですぐに紹介できるようになり、効果も上がるとされています。
3.5 紹介による自社サービスでの顧客体験の改善
デジタルでリファラルマーケティングを実施することで顧客同士のリファラル(紹介)活動・リファラル(紹介)価値を可視化できます。
自社サービスにおいて担当者制度を実施しているのであれば、どういった担当者に対する紹介が多いのか、顧客からどれくらい紹介が行われているのか、紹介から認知がどれくらい広がっているのか、そこから顧客化がどれくらい進んでいるのか、今まで見えなかったデータが可視化されることで活用可能になります。
担当者ごとのリファラル評価をすることでその担当者の顧客対応品質を見ることも可能です。単純に紹介からの顧客獲得を図るだけでなく、顧客の評価をリファラルから計測することで、自社サービスの顧客体験を改善することが重要です。
3.6 リファラル(紹介)成果を踏まえたROIの再評価
リファラル(紹介)活動を可視化することで、顧客評価を踏まえた獲得チャネルごとの評価が可能になります。結果、今までは見えていなかった、口コミ効果を踏まえたROIを見ることができます。
本当に自社で重要視すべき顧客はだれなのか、その顧客と接点を持つべきなのかマーケティングの在り方を再検討するのに役立ちます。一方で、現場人材評価への反映や顧客評価のフィードバックにより社員満足度を向上することができれば、サービスレベルの改善にも寄与ができます。顧客の紹介活動データは顧客視点・自社視点両側面から改善を図ることができ、収益アップにつながります。
3.7 リファラルマーケティングはbtobでさえ有効
リファラル(紹介)は業界・業種に関わらず、有効な施策です。特にB2B企業では、リファラルマーケティングが既存顧客のCRMを通じて新規顧客を増やすための重要な施策です。また、不動産や保険業界など、高単価商材を扱うB2C企業でも重要な施策と言えます。実際に営業の方はリファラルで案件を獲得したことがあるのではないでしょうか。しかしまだまだ積極的にプログラムを運営している企業は少なく、B2Bビジネスにおけるリファラルマーケティングの有効性について疑問を持つ方も多いようです。
全米の600人を超えるB2Bサービス企業(売り手側)の営業、マーケティング、運用、経営幹部に対するリファラルの重要性に関する調査(HeinzMarketing社とInfluitive社)では下記のような結果が出ています。
・65%の売り手企業は、リファラル・紹介は「自社サービスの販売のために非常に重要」であると感じている。
・50%以上の売り手企業は、セールスパイプラインの維持や営業活動にリファラルは非常に効果的であると感じている。
・68%の売り手企業は、リファラルプログラムが「効果的」または「非常に効果的」であると認識している。
・しかし、約30%の売り手企業しか正式なリファラルプログラムを持っていない。
上記の結果より、B2Bのリファラルプログラムを実施することは、売り手にとっても買い手にとっても非常に有効な施策であるため、デジタル化による効率化を図ることを取り組んでみることが重要です。
B2Bマーケティングにおいてリファラルプログラムが必須な理由>>
3.8 リファラルは企業の採用活動に有効
リファラル採用とは、企業が自社の社員に人材の紹介を受ける採用手法で、企業と応募者のミスマッチが少なく、社員の定着率が高いとされています。
近年、労働力人口の減少や多様な働き方の増加により、自分に合った企業を求める人が増え、リファラル採用が注目されています。特に人材が枯渇している業種では、採用コストが上昇し、採用活動が難航しているため、企業は社員も巻き込むリファラル採用に力を入れるようになっています。
またリファラル採用は既存社員の定着率を高める効果があり、自社の良さを考えるきっかけとなり、紹介者のエンゲージメントを高める活動として注目されています。google、楽天、yahoo、salesforceなど名だたる企業でさえリファラル採用を取り入れています。
3.9 リファラルのデメリットは?
リファラルマーケティングのデメリットは、クチコミを操作できないことと、ネガティブな情報や炎上が広まるリスクがあることです。
ただし、クチコミを操作することがリファラルマーケティングではなく、重要なのは自社のサービスやプロダクトがよりスムーズに紹介されるようにすることです。また、ネガティブな情報や炎上は、SNSが確立してしまった現在では避けられない課題となっています。積極的に顧客との対話をすることが、リファラルマーケティングを実施する上での最良のリスクマネジメントと言えます。
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4.リファラルマーケティングを成功させるコツ
- リファラル(紹介)キャンペーンの存在はいつでも目に付くところに
- 顧客満足が高くなるタイミングを探すこと
- より質の高いリファラル(紹介)を発生させる顧客ターゲットを定める
- インセンティブ(特典)は、金銭だけなくサービス・体験の強化を
- 手間がかかるリファラルコミュニケーションはNG
- win-win-winの三方よしをしっかりつくる
- 顧客の声を聞くことがリファラル(紹介)のきっかけをつくる
- コアファンには限定サービスグッズをプレゼント
- お客さんが簡単に伝えられるリファラル(紹介)フレーズ・ポイントを用意
- 顧客満足の高い体験を改善・提供し続けること
- 費用対効果を中長期で考える
- PFMできているサービスほど成果を上げやすい
4.1 リファラル(紹介)キャンペーンの存在はいつでも目に付くところに
紹介キャンペーンを成功させるためには、顧客にキャンペーン自体の認知をさせることが最も重要です。いくら利用者の満足度が高くても、そのキャンペーンの存在を知らなければ、積極的にサービス紹介をしようともしません。例えばCTAをサービス利用導線において目立つ場所に配置し、利用者とのコミュニケーション導線(SNSやマイページなど)に設置することが必要です。
また、オフラインでもポスターを貼るなど、業務フローの中でも一言説明するなどちょっとした刷り込みが認知を変えます。
4.2 顧客満足が高くなるタイミングを探すこと
人は簡単にサービス紹介を友人に行いません。そもそも顧客がサービスや商材に満足していない限り、リファラルは発生しません。顧客が商品を紹介するのには明確な理由が存在するのです。その理由を知らずにリファラルマーケティングを実施すると良い効果は期待できません。「 自社のサービスが実際にどのように紹介されているのか?」その紹介されている理由や動機を知ることで、より効果的なリファラルマーケティングの第一歩になります。
カスタマーサクセススコアや顧客満足度、NPSなどの手法で顧客評価を測り、最適なタイミングを把握することが必要です。
4.3 より質の高いリファラル(紹介)を発生させる顧客ターゲットを定める
より質の高いリファラルを発生させるには、どのような顧客がサービスを紹介してくれるかを知る必要があります。顧客の紹介を行う動機やサービスの利用形態、課金の価格帯は一人一人異なるため、本当に良いと感じている顧客であればあるほど、サービス理解も高く、より質の高いリファラルが発生します。顧客によっては1社・一人を紹介するだけでなく複数~10数人への顧客へのリファラルが発生するケースも少なくありません。
特定の顧客ターゲットを見つけ、彼らの顧客体験を高めるインセンティブを用意することで、リファラル戦略を成功に導くことができます。
4.4 インセンティブ(特典)は、金銭だけなくサービス・体験の強化を
紹介マーケティングにおけるインセンティブは、金銭やポイント、割引の提供が主流です。しかしDropboxが容量増加を提供する友達紹介キャンペーンを導入し、劇的な顧客獲得コスト削減を実現したことから、フリーミアムの期間が延びたり、体験回数を増やすインセンティブが主流になってきています。
金銭提供の場合も、マーケティングコストやLTVを踏まえた設計が必要であり、安易な設計は特売品や安売りセール品のみを購入する顧客、いわゆるチェリーピッカーとなる可能性があるのでご注意ください。
4.5 手間がかかるリファラル(紹介)コミュニケーションはNG
リファラルを増やすためには、手続きが簡単でインセンティブをすぐに手にできることが重要です。またユーザーがサービス紹介を実施していただくために、いろいろな接点からキャンペーンの認知を図ることだけでなく、キャンペーン参加が気軽にできる仕組みづくりが必要となります。
初めての紹介は大事なので、その気軽さを考慮しましょう。
4.6 win-win-winの三方よしをしっかりつくる
リファラルキャンペーンの成功のためには、紹介者や被紹介者、自社サービスなどそれぞれの関与者の特性を考慮したキャンペーン設計が重要です。
紹介者はキャンペーンによっては一人の人だけにサービスを紹介するわけでなく多くの人に顧客体験を伝えてくれるため、特典設計は1回だけでなく複数回行われることを前提としたものが必要です。
紹介者に紹介の「成功」を伝えるためのコミュニケーションと、再び友人紹介を促すオファーやインセンティブを用意したプログラムを提供することで、顧客との関係を深めてリファラルを促すことが成功のカギとなってきます。
4.7 顧客の声を聞くことがリファラル(紹介)のきっかけをつくる
「顧客の声を聞くこと」は当たり前となっていますが、サービス体験のフィードバックを得ることがとても重要です。顧客紹介を促すために、自社サービスに対して、良い評価を下している顧客から紹介したい相手はどういった人なのかを聞き出し、紹介を促すことがポイントです。
このタッチポイントは、紹介キャンペーンを印象的に伝えるためにも重要です。
4.8 コアファンには限定サービスグッズをプレゼント
コアファンを増やすために、コアファンの好みを知り、魅力的なツールを用意することが重要です。例えばステッカーやTシャツなどの限定グッズがその一例として挙げられます。
紹介を率先して広げることができる方(いわゆるアンバサダーやエヴァンジェリスト)に限定グッズを提供することで、パートナー・チームの一員として招き入れ、更なるロイヤリティの追求を測ることができ、更にそういったツールがきっかけとしたサービス紹介が始まることでしょう。
4.9 お客さんが簡単に伝えられるリファラル(紹介)フレーズを用意
複雑な仕組みのサービスは紹介がしにくいです。顧客がサービスに満足しているポイントやコメントをリサーチし顧客視点のフレーズを把握しておくことで、自社のサービスの良さを伝える際のコミュニケーションの質の向上、友人へ紹介をする際のキーフレーズとなります。
自社のサービスの良さを伝えるために、顧客視点のフレーズを把握し、トリガーを研究して紹介を促しましょう。例えば、美容室であればお友達と髪型の話をするときは、ぜひうちを紹介してくださいね!といった具合です。
4.10 顧客満足の高い体験を改善・提供し続けること
リファラルマーケティングで成功するためには、印象に残る体験とインセンティブが重要ですが、最も重要なことは自社サービスを顧客視点で見直し、常に改善することです。顧客体験が秀逸であれば、リファラルは自然に発生します。
成功している企業は、顧客接点をもつ営業・接客、マーケター、エンジニア、UXデザイナーなど、すべての関与者が「リファラル」の重要性を理解し、顧客接点を改善するように取り組んでいます。
4.11 費用対効果を中長期で考える
リファラルマーケティングは、既存顧客から新たな顧客を獲得する手法のため、成果のポイントは紹介経由での新たな収益です。
リファラルマーケティングの成果算出方法は下記です。
期待収益 = 既存顧客数 × 既存顧客1人当たりの紹介人数 × 紹介されたお友達のCVR × LTV(売上・利益)
リファラルマーケティングクラウドサービスであるinvy経由での実績で言いますと、紹介経由のコンバージョン率は低い企業でも10%程度で、高い企業では80%に達することもあります。
結果として、成功するためには「いかに既存顧客からの紹介人数を増やすか」が重要であり、キャンペーンを繰り返すことで紹介人数を増やすことができます。中長期的な施策として継続的に行うことで、他の施策よりも費用対効果がかなりの確率で高まります。
- 既存顧客のサービス満足度UP
- 既存顧客のキャンペーンの認知UP
- 既存顧客のキャンペーン・インセンティブの魅力UP
- 既存顧客にとっての紹介しやすさUP・紹介回数UP・紹介人数UP
- 既存顧客が紹介できる友人・知人の想起率UP
- 被紹介者にとってのサービスの魅力UP
- 被紹介者にとってのキャンペーン・インセンティブの魅力UP
- 被紹介者にとって来店のしやすさ
- 既存顧客から新たな顧客へのサービス紹介に伴う認知向上
4.12 PMFが達成しているサービスほど紹介されやすい
「PMF(Product Market Fit)」とは、「商品やサービスが特定の市場において適合している、すなわち顧客に受け入れられている状態」のことを指します。スタートアップが成功するには、顧客の課題を満足させる商品を適切な市場で提供する必要があります。
PMFを早期に達成することが、新商品を普及させる鉄則となっています。PMF達成のためには、ターゲットが明確で、存在理由がわかりやすいことが重要です。これにより、紹介も起きやすくなります。
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◆5.リファラルマーケティング12の成功事例
5.1 劇団四季 「一緒に行こう♪メール」
劇団四季が実施している「一緒に行こう♪メール」は、舞台を一緒に観に行きたい方へ、チケットの購入をお願い(おねだり)するメール機能です。
コミュニケーションとして面白いのは、届いたユーザは「断る」「買う」のどちらかしか選べない仕様となっているところです。女性から誘われた男性の多くは断りづらく、つい買ってしまうのではないでしょうか。お祝い事やお誕生日などのイベントを起点に、友人・カップル・家族同士の紹介・おねだりを誘発できる良い施策だと思います。
5.2 Oisix リファラルキャンペーン
引用:Oisix公式サイト
Oisixが実施しているお友達紹介キャンペーンは、かなり特典(紹介報酬)が豪華です。主婦(夫)がターゲットとなるため、よりOisixの魅力を感じていただけるようなインセンティブが用意されているのではないかと思います。紹介者もメリットを感じられるお友達紹介キャンペーンではないでしょうか。
Oisixの顧客は、スーパーに行くと、冷蔵庫の中身や家族のリクエスト、子どもの給食などを考慮した上で献立を考えます。そこには「食材を使わないといけない」「作らないといけない」というストレスが発生します。さらに小さな子どもは、保育園から帰宅する頃には「お腹が減った」とぐずり始めます。だからと言ってお菓子はなるべく与えたくありません。
Oisixでは、こうした顧客が抱える悩みを徹底した顧客インタビューや社員自身の体験から課題として把握。その課題を解決する商品(サービス)としてKit Oisixを開発しました。Kit Oisixを利用すれば献立を考える手間が省け、食材を余らせることもありません。また小さな子どものいる家庭向けに、調理手順の前半で子どもに「おやつチーズ」をあげるといった商品も提供しています。
キャンペーンの特典 | ||
紹介者 | ・1人紹介するたびに、3,000円相当のクーポン ・Amazonギフト券1,000円分 |
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ゲスト |
・入会1週目の1回のみ、6,500円相当が500円に(92%off) |
5.3 Dropboxのリファラルキャンペーン
Dropbox のリファラルプログラムは、最も有名ではないかと思います。Dropboxでお友達紹介すると、自身が利用できる利用容量を増やすことができます。Dropbox Basic アカウントでは 1 人紹介するごとに 500 MB、最大 16 GB まで無料容量が手に入りますDropbox Plus と Dropbox Professional アカウントでは 1 人紹介するごとに 1 GB、最大 32 GB まで無料容量が手に入ります。
それまではお金がメインの特典であったが、Dropboxの使用サービスのアップデート特典以降、どの企業もこの手法を取り入れました。実際にDropboxの紹介プログラムは、15か月で400万人のユーザーを獲得したと言われています。
5.4 Teslaのリファラルキャンペーン
Teslaは、ご存知の通り電気自動車を販売する会社です。お友達紹介キャンペーンとして、お客様紹介リンクからTesla車両を購入した方は、1,500キロメートル相当のスーパーチャージャー無料充電利用特典を提供しています。ご紹介毎につき、Founders Series Model YもしくはRoadsterスーパーカーが当たるチャンスを手にすることができます。スーパーチャージャー無料利用特典をお持ちのTeslaオーナーの方の場合、新しい顧客を紹介1件につき2回のチャンスを獲得できます。これまでの車で置き換えると、「ガソリンプレゼント!」というのと同じ表現ですね。サービスの利用促進を図るインセンティブ設計となっています。
5.5パルシステム(食品・日用品サブスク)のお友達紹介キャンペーン
生協の宅配パルシステムは、食品・日用品の宅配サービスです。「安心して口にできること、使えること。」をモットーに、農薬や薬品にできる限り頼らない野菜やお肉、手軽に食べられて化学調味料を使わない加工品を扱っています。さらに産地と直接つながり、食べ手と作り手がともに支え合う関係性を大切にしています。
紹介者はpalsystemキャンペーンページから発行される紹介コードおよび紹介用URLをSNSでシェアし、お友達が紹介者コードを使用して申込をすると、紹介者とお友達の両方にお得なクーポンがプレゼントされます。
キャンペーンの特典 | ||
紹介者 | ・ご利用代金から2,000円分値引き | |
ゲスト |
・5,000円分お値引きクーポン |
5.6ベルメゾンのお友達紹介キャンペーン
日用品・雑貨・衣料品を販売するベルメゾンのお友達紹介キャンペーン。「お友達紹介メール」を送り、紹介した友人が会員登録をすると、友人に1,000円クーポンをプレゼント。さらに友人が税込5,000円以上買い物をすると、紹介者と友人の両方にベルメゾンポイント1,000円相当をプレゼント。(注:カタログ送付による紹介の場合、友達の会員登録によるクーポン1,000円分のプレゼントはなし。)
キャンペーンの特典 | ||
紹介者 |
合計1000円相当 |
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ゲスト |
合計2000円相当 |
※本キャンペーンは終了しています。
5.7ファンケルのお友達紹介キャンペーン
化粧品・健康食品販売会社ファンケルのお友達紹介サービスは特典として紹介者、ゲストそれぞれに500円の割引があります。弊社の調査データでは、500円の特典ではほとんどのユーザーは心が動かず、紹介行動に影響をあまり及ぼさないという結果が出ています。
また紹介を行う際に、一度ログインをしなければならないので、ほとんどのユーザーは「面倒くさい」と思うでしょう。結果として、総紹介数が減るため、あまりいいキャンペーンとは言えないです。
キャンペーンの特典 | ||
紹介者 |
500円相当のファンケルポイント |
|
ゲスト |
500円自動割引 |
5.8 GALLEIDO(電動歯ブラシサブスク)のお友達紹介キャンペーン
「GALLEIDO DENTAL MEMBER」はこれまでに25,000名以上に利用されている電動歯ブラシのサブスクリプションサービスです。月額280円から利用可能なサービスで、電動歯ブラシ本体は初年度無料で利用できることから、手軽にそして便利に利用開始できるところがユーザーにとって嬉しいポイントです。
「GALLEIDO DENTAL MEMBER」のお友達紹介キャンペーンは、「GALLEIDO DENTAL MEMBER」をご利用中のお客様が、お友達、ご兄弟、親戚の方をご紹介いただいた場合、ご紹介したお客様と紹介された方のそれぞれが次回配送分が1円になるという破格のキャンペーンを行っています。
実質無料なため、あまり興味がない層でも「試しに一回…」と思えるいいキャンペーン例ですね。
キャンペーンの特典 | ||
紹介者 | お好きなコース初回1円 | |
ゲスト |
お好きなコース初回1円 |
5.9 メンズクリアのリファラルキャンペーン
男性脱毛サービスを展開するメンズクリアの場合、先輩後輩の間や漢気での紹介を狙い、限定感や特別メリット(価格割引や豪華特典)を強調した訴求で紹介キャンペーンを実施しました。
特典は、1人紹介するごとに5万円のキャッシュバックというものでした。男性の脱毛はポピュラーになってきたとはいえ、まだネガティブな印象を持つ人もいます。そうした現状をふまえ、このキャンペーンでは脱毛の「先輩」である紹介者が「後輩」に脱毛のメリットを語る機会をつくり、特典をフックに紹介しやすくすることを狙っているのです。紹介された側も、男性の脱毛に対する心理的ハードルが低くなるでしょう。
5.10 メルカリのリファラルキャンペーン
メルカリのリファラルプログラムでは、紹介者と友人の双方に500円分のポイントを付与しています。こちらも500円のため、あまり絶大な効果は期待できないですが、日本の若者からの認知率を高く獲得しているので、他ブランドよりは「安心感・信頼感」があります。そのためある程度は紹介経由で会員登録するのではないでしょうか。
特典は微妙ですが、メルカリのすごいところは、購入直後に「紹介してください」というPOPを出す点です。弊社のデータでも、最も顧客が紹介したくなるタイミングは購入直後ということが分かっています。そのためそれを行っているメルカリはさすがですね。
5.11 UBERのリファラルキャンペーン
Uberのリファラルプログラムでは、紹介者と友人の双方に20ドル分を無料で乗車できるクレジットを提供しています。この施策によるユーザー獲得コストは、1ユーザー当たり40ドルとなりますが、Uberにおける1ユーザー・1カ月当たりの平均利用金額は95ドルです。つまり、ユーザー獲得コストを会員獲得後1カ月以内で回収できる、極めて優秀な事例となっています。
このプログラムがもう1つ優れている点は、サービス利用メリットを特典にしている点です。リファラルを通して、Uberというサービスが広まるほど、既存ユーザーにとっては20ドル分無料で乗れる!という価値が高まります。このため、自分の友人や家族など関係する人すべてに招待メールを送ろうというモチベーションが発生しました。
その結果Uberは急速に成長したのです。 同様のパターンで急成長した例として、バケーションレンタルのオンラインサービスを展開するAirbnbが挙げられます。つまり、事業成長の王道パターンはリファラルマーケティングが担っているということなのです。
5.12 小規模な学習塾でも月次紹介数300件以上
弊社のクライアント様である、小規模な地方の塾で月次紹介数300件以上を達成した事例を見てみましょう。地元の小・中・高生を対象とし、県内で全6教室を展開している地域密着型のA塾(仮名)のリファラル成功事例です。
A塾では、20年前までは地域の口コミだけで集客できていたのですが、時代は変わり、メインの集客方法はポータルサイトやウェブ広告などデジタルに移行。体験顧客の質が低く、入塾率に課題を抱えるようになっていました。
そのような中、かつてのクチコミ集客にもう一度光を当てようと、今までアナログで実施していた紹介制度をデジタル化できないかということで私たちにご相談いただきました。私たちに相談があった理由は、リファラルマーケティングに力を入れたいが、本業以外にあまり人手を割けないというA塾のニーズに合致したからです。 デジタルツールとしてはLINEを活用するということで、紹介キャンペーンを設計しました。
来塾(見学)と入塾の2段階のコンバージョンを採用し、それぞれに特典を用意しました。のぼり、チラシ配布、教室内や玄関でのポスター掲示、塾内連絡のためのメール、窓ガラスに貼るPOP、ホームページ、QRコードを記載した告知カードなど塾生への紹介キャンペーン告知をあらゆるタッチポイントで実施しました。
職員の名刺にも、LINE紹介の文言とQRコードを記載するなど徹底した取り組みです。また入塾生の多い進学・進級シーズンにはさらに告知強化しました。結果として、生徒の紹介キャンペーン認知率はほぼ100%になりました。
紹介キャンペーンの結果として、月次紹介数301件を達成。うち25人が来塾し、そのうち20人(来塾者の80%)が入塾しました。 キャンペーンは大成功しました。成功の理由は、告知をしっかりと実施したことと、紹介者もゲストもすべての顧客が喜ぶ紹介体験を追究したことでした。
5.13 福利厚生サービスでのリファラルマーケティング
続いて、加入企業に対して福利厚生を提供している企業の例です。加入企業の社員に対して、福利厚生サービスの利用件数を増やすために紹介キャンペーンを行いました。
このようなキャンペーンの場合には、紹介依頼のステップを設ける必要があります。 まずは福利厚生提供企業が、加入企業の福利厚生担当者(総務部や人事部)へ紹介告知を依頼します。結果、福利厚生担当者は、利用経験のある社員に対して別の社員に紹介してもらうように依頼します。(この場合、過去に利用経験がある社員に紹介がいくこともありますが、目的が利用件数を増やすことなので初めての利用である必要はありません)。
このようなケースでは、紹介してくれた社員および利用してくれた社員に主催者(福利厚生提供企業)からインセンティブを直接渡すこともあります。直接渡すことで、加入企業に手間を掛けさせないという配慮になると同時に、利用者情報を得られるメリットともなります。
合わせて加入企業側に協力を求めるパターンでは、実績に応じて加入企業へのインセンティブを考えることも必要かもしれません。 ただ最近では、デジタル媒体を使って、会員である加入企業社員へ福利厚生提供企業側が、直接紹介依頼をするケースが増えています。
デジタル媒体というのは、福利厚生提供企業が提供する、会員向けのデジタルサービス(アプリなど)を指します。実際、ある福利厚生提供企業では、会員向けデジタルサービスを活用してリファラルプログラムを大成功に導きました。プログラム全体のコンバージョン率は64%、月次コンバージョン数は260件、紹介コンバージョン率は133%という高い向上率を達成しました。
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6. リファラルマーケティングを強化するために
リファラルマーケティングについてのまとめ、いかがでしたでしょうか?
お友達紹介キャンペーンというKWで検索すると、さまざまなキャンペーンが世の中で行なわれていることがわかります。しかしその多くをみると、ユーザー体験としてはまだまだなものが多くあるように感じます。
近年のB2Cではユーザー同士のコミュニケーションにメールを使うことは少なくなってきています。今では日本人口の80%がLINEを利用しているとも言われ、コミュニケーションの基盤は変わりつつあります。そういった社会のコミュニケーション基盤の変化に対応したお友達紹介体験を科学するツールをご紹介します。
6.1 リファラルキャンペーンよくある課題
リファラルマーケティングでよくある課題は、「紹介者・ゲストとなるお客様の視点」「店舗などの営業現場」「そのキャンペーンを取り仕切る本部・企業」の関わる立場によって異なるものとなっています。
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顧客が紹介しにくい体験・UI
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手続きや持ち運びに手間がかかる
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紹介がすぐにできない
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誰に何を伝えていいかわからない
- 紹介営業の重要性の理解
- 紹介の存在を認知していない
- 紹介の重要性を認識していない
- 紹介営業スキルが共有されない
- リソース・ノウハウ・システムがない
- 本部と現場の連携ができない
- 集計・評価に手間がかかる
- 紹介の改善方法がわからない
6.2 リファラルマーケティングの理解をより深めるために
リファラルキャンペーンの準備に必要なこと【実際の流れ・TODOリスト】
はじめてリファラルマーケティングを検討される方だと、重要性は分かっても、何を準備すればいいかわからないという方もいるかと思います。そのような方向けに検討すべきことをリスト化しました。キャンペーンを計画するにあたって、決めなければいけないことから、特典の選び方、運用の仕方などポイントを絞ってご案内します。
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より詳しく学ぶためのEbookや映像コンテンツをご用意しています。
リファラルマーケティングをより深く・詳しく学んでいただくためのEbookやコンテンツを多数ご用意してご用意しております。気になるタイトルをご選択の上、ぜひご活用ください。
6.3 invyでリファラルマーケティングをご支援できること
あなたにご用意いただきたいものは、ロゴとバナーと商品画像、ブランドカラー、魅力的なキャッチコピーです。
あとは私たちがメールとページ、バナー、紹介カードなど最適なコミュニケーションを実現します。
今まで見えてこなかった「紹介」の見える化を行うことで、どこがボトルネックになっているかを発見。
貴社の状況に合わせて、適切なアクションを取ります。
わたしたちはあらゆるステップで成功をご支援します。お気兼ねなくご相談ください。
・ライブチャットサポート
・データ分析・ダッシュボード・カスタマーサクセス支援 などご用意しています。
私たちは、あくまでinvyのシステムは提供するサービスの一つだととらえています。デジタルマーケティングのコンサルティングを20年以上する中で、重要なのはいかに改善してグロースハックするかだと思っています。貴社のビジネスモデル・ブランドに合わせたリファラルマーケティングの在り方を具体的に検討しましょう。
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