食品ECサイトで紹介集客を活用するポイントと成功事例【勝ちパターン公開】
食品ECサイトはただ商品を売るだけではなく、独自の価値を提供し、顧客との深い関係を築く必要があります。しかし、この道は簡単なものではありません。多くのECサイトが集客と顧客維持に関して様々な課題に直面しています。
この記事では、食品ECサイトが直面する「よくあるお悩み」と、それらに対する効果的な解決策の一部をお伝えいたします。貴社の成功の一助になれば幸いです。
1.食品ECサイトの集客に関するよくあるお悩み
1.1 クーポンを出し過ぎて顧客がクーポンに響かない
新規会員登録、LINEお友だち登録、初回購入、久々の購入など、クーポンを使うことによって、ネクストアクションを促している企業様は多いと思います。
もちろん企業側からすると、効果的に使用すれば、クーポンを用いた施策には価値があります。
一方で顧客からすると、クーポンを乱発することで
- この金額のクーポンなら魅力を感じない
- クーポンはいつでももらえるし、今は行動しなくていいかな
など、いわば「クーポン慣れ」する状態が作られてしまいます。
クーポン使うことによる「オトク感」で釣ったとしても、顧客にはAmazonや楽天で割引になった他社商品など数多の選択肢があります。それらの競合商品に値段の面以外で打ち勝つ必要があるのです。
また金額メインで勝負する場合、安いのが当たり前になってしまいブランド価値を損ねることもあるため、オトク訴求で打ち出すことはお勧めしません。
1.2 新規獲得はできても、安さ目当ての顧客が多くLTVが上がらない
その他として、LTV観点での問題があります。
クーポン目当てで購買する顧客は、商品への愛着や興味関心が低く、安く購買できる初回のタイミングでしか購入してくれません。(ホットペッパービューティーにて、クーポン目当てで来店される方を想像すると、わかりやすいかもしれません。)
新規獲得や久しぶりの購買など、「1回きり」の購買を促すにはクーポンが有効なこともありますが、継続的な購入を促すには商材やブランドへの「ファン化」施策が不可欠です。
ファン化を意識していないブランドは、新規獲得に追われ、初回購入のCPAを下げても、LTVが少ないため、リピーターがつかず、他社より売上見込みが立たない、などの状況に陥りがちになります。
1.3 インフルエンサーマーケで獲得した顧客を定着化できない
ユーザ目線での発信が得意な「インフルエンサー」にPRを依頼をする施策、いわゆるインフルエンサーマーケを頻繁に行っている企業様もいらっしゃいます。
インフルエンサーマーケティングの特徴として、かなりの割合で「○○さんが良いと言っているから」や「○○さんがCMに出ているから」といったようにあまり商品自体の特徴を理解していない顧客は数多くいます。そのためインフルエンサー経由で獲得するユーザにも「広告」で獲得しているのと同じ意識でナーチャリング(顧客育成)をしなくてはいけません。
しかしインフルエンサーマーケティングは、広告よりも「同じようなニーズを持ったセグメントに対して、効率よく攻めることが出来る」という特徴があります。広告よりも、(場合によっては)効率よく獲得できるので、なおさら適切なナーチャリング施策を行う重要性が伝わるのではないでしょうか。
クーポンやオトク以外に「ブランドを好きになってもらう」ためのCRM施策がここで効力を発揮します。だからこそインフルエンサーマーケティングでは、購入だけで終わらせるのではなく、公式LINEやインスタグラムに飛ばして、定期的に顧客と接点を持ちましょう。
2. 食品ECのファンマーケティング・リファラルプログラムのポイント
2.1「顧客目線」で商品の魅力を定期的に実感してもらうコンテンツ
前提として、顧客は多くのWEB広告やモールサイトで、常に競合他社の情報に晒されています。そのためオトク重視のキャンペーンだけでは顧客の長期的な購買やLTV向上を図ることは難しいです。
だからこそ顧客には、「顧客目線」「自分目線」でのサービスの良さ、差別化ポイントを理解してもらう必要があります。
例えばキレイな料理の写真よりも、リアルなコメントや時短で簡単に作れるレシピのほうが顧客には響くものです。例えば、スタッフの発信やリアルなユーザのレビューなどを促す施策を行うことで、該当商材を検討している層はより購入率を上げるきっかけにもつながります。
特に、ユーザが「定期的に」自社商材の魅力に触れられる状態を作るのがオススメです。SNSフォローやメルマガ購読、公式アカウントへの登録など、顧客へのタッチポイントを複数用意し、定期的に魅力を感じられるようアプローチをしましょう。
※この場合、料理系インフルエンサーの投稿などを参考にするのが良いでしょう。
2.2 人に話したくなる仕掛けを用意する
ファンとまではいかないが、購入しているECに対して、ある程度の好感度を持っている顧客はいます。そこで最後の一押しとして、おすすめしたい施策が「紹介」です。
顧客自身が友人に対して、自社ECの良さを自発的に発信してくれるきっかけを作ることができれば、満足している顧客からさらに周囲への良い評判を広めることができます。
紹介で獲得した顧客は一般的に、サービスとのミスマッチが少なく、定着率が高いと言われています。だからこそ、友人が自身の紹介で「よかったよ!」などとポジティブな感想を伝えられることで、「紹介してよかった」ひいては「もっと紹介しよう!」と自然と商材に対するロイヤリティも向上させることが可能になります。
しかし一点注意していただきたいのは、リアルな顧客が身近な人に商品を「紹介」してくれる仕掛け作りが必要になります。
例えば
- 魅力的なインセンティブ
- 話題にしたくなるコンテンツ
などを検討し、紹介プログラムを準備してみましょう。この記事の第3章で事例を紹介しています。
2.3 感想を伝える機会を作る
商品への顧客の感想やフィードバックを獲得することも、様々な観点で重要です。
・顧客の声を取り入れ、LPや訴求に反映させる →マーケティング改善
・顧客の声を元に商品やサービスを改善する →商品改善
など、顧客の声を施策に取り入れることは様々な施策において有用です。その他にも自分が記載した感想に対して、何かしらの返信を送ったり、実際に感想を基に商品改善を行うと「ちゃんと私を見てくれている」「顧客の声に耳を傾ける企業なんだ!」と自分ごと化していただけます。
顧客の感想を得る仕組みとして、例えばコミュニティ運営など、顧客から企業への直接発信の場を用意するのもひとつでしょう。
コミュニティ運営までリソースを割くのが難しい場合、例えば紹介キャンペーンを行った際、顧客が感想を入力できる欄を用意するのも一つの方法です。弊社では実際に顧客が紹介をする際の声をデータとして取得していますが、「XXX(ブランド名)がオトクだよ!」と金額で購入している層や「XXXは○○というメリットがあって、使いやすかった!」などしっかり商品価値を理解していただいている顧客がかなりいらっしゃいました。
3. 食品ECサイトの成功事例
では実際にファン化施策、いわゆるファンマーケティングの成功事例を見ていきましょう。
3.1 大手缶詰製造企業様:おすすめ商品をシェアできるコミュニケーション
こちらの企業様は、様々な缶詰を販売している企業様です。新規顧客獲得におけるCPAが高いのが課題でした。
そのため、人気商品である鯖缶のみに焦点を当てることで、ママコミュニティなどのターゲットコミュニティにリファラルマーケティングを適用することにしました。
鯖缶自体を直接紹介するのではなく、鯖缶を使って作れる様々な料理メニューを紹介する方法で紹介キャンペーンを行ったところ、多くのコンバージョン(CV)を獲得しました。
このアプローチにより、製品の実用性と魅力を効果的に伝えることができ、結果的に顧客の関心と購入を促進することに成功しました。
3.2 キッコーマンこころダイニング様:インフルエンサー×リファラル施策の組み合わせ
キッコーマンこころダイニング様は、腸活ごはんや調味料の通販事業を行っている企業です。新規顧客獲得のためにinvyを用いた紹介制度を導入しました。友達からの紹介による新規顧客が質が高く、広告経由よりも多様な商品を購入する傾向があるため、リファラルマーケティングが採用されました。
このキャンペーンでは、既存顧客の紹介により、お友達(新規顧客)が商品を購入すると、クーポンが提供され、紹介者には抽選キャンペーンが行われます。
SNSやメールマガジンを活用して紹介が簡単にでき、運用の工数削減にも貢献。顧客が喜ぶ特典の提供や紹介方法のわかりやすさ、使いやすい紹介ページを提供するために、毎月毎月しっかりとPDCAを回して、成果を向上させることに注力しています。
新規顧客は主に50代から60代の女性で、特殊な食品や調味料に関心があり、紹介キャンペーンを通じて同様の趣味嗜好を持つ方々が繋がっています。だからこそ紹介キャンペーン経由で月に30人から50人の新規顧客を獲得しており、今後はこの数を増やしていくことを目標としています。
さらに、今後は紹介者との関係を深めるためのイベントの開催や特別なプレゼントの提供など、紹介キャンペーンの拡張を検討しています。
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3.3 大手食品会社様:定期的なキャンペーン変更
この企業様では、新規顧客獲得を目的として数ある商品の中でも、パスタに特化した紹介キャンペーンを展開しています。
このキャンペーンの特徴は、コンバージョン(CV)の地点をLINEのお友達登録に設定したことにあります。これにより、顧客が商品を購入した後も、LINEを通じてナーチャリング(育成)を行うことが可能になりました。具体的には、顧客の好みや購入履歴に基づいて、おすすめの食べ方やセグメント別のプッシュ配信を実施しています。
さらに、このキャンペーンでは、LINEを通じて特別なクーポンも配布されています。食品であるパスタの場合、顧客にまずは商品を試して味を実感してもらうことが重要です。そのため、初回購入を促進するために価格を低く設定し、顧客がよりお得に商品を購入できるように配慮しています。
また、こちらの企業様は顧客のプライバシーを尊重し、個人情報を極力収集しないプログラム設計を意識しています。これにより、顧客は安心してキャンペーンに参加し、商品を購入することができます。このアプローチは、顧客の信頼を得る上で非常に重要であり、長期的な顧客関係の構築に寄与しています。
このように、こちらの企業様の紹介キャンペーンは、LINEを活用して顧客体験を向上させると同時に、プライバシー保護を重視した先進的なマーケティング戦略を採用しています。これにより、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上を図っています。
3.4 大手チョコレート企業様:季節イベントに合わせた紹介プログラム
リンツのリファラルマーケティング戦略は、季節イベントに合わせた紹介キャンペーンを行っています。特にハロウィンでは、ハロウィン仕様で、かぼちゃの包装を施したチョコレートの無料試食イベントが目玉で、顧客の注目を集めました。
また会員登録を成果地点とする一方で、アプリのダウンロードを通じてCRM基盤を強化し、顧客関係を深めています。その他にも、会員登録後、即時の割引クーポン配布によって、顧客の購入意欲が高いうちに購入をさせるよう細かい配慮まで忘れなかった。
加えて、わざと購入導線を店舗限定とすることで、LTVを高める効果を狙っています。リンツのこの戦略は、店舗購入の顧客が高いLTVを持つというデータに基づいており、ECではなく実店舗での顧客体験を重視しています。
食品ECサイト成功の鍵:顧客中心のアプローチと戦略的マーケティング
食品ECサイトの成功には、顧客を中心に据えた戦略的なマーケティングが不可欠です。本記事では、クーポンの過度な使用、新規顧客の低いLTV、インフルエンサーマーケティングの限界といった一般的な課題から、効果的なファンマーケティングやリファラルプログラムのポイントまでを探りました。また、実際の成功事例を通して、これらの戦略がどのように実践され、成果を上げているのかを示しました。重要なのは、単に製品を売ることではなく、顧客との関係を築き上げ、彼らが自然と商品を推薦し、リピーターとなるよう導くことです。顧客の声に耳を傾け、リアルなコミュニティを形成し、継続的な関与を促すことで、長期的なブランドロイヤルティを確立することができます。食品ECサイトの成功は、顧客の期待に応え、彼らの生活に溶け込むブランド体験を提供することから始まります。
https://s.creativehope.co.jp/invy
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