紹介キャンペーンはアフィリエイトと似ているようで全然違う!今更聞けないその理由とは
「紹介(リファラル)」とアフィリエイトの違い、本当に理解できていますか?
紹介キャンペーンを検討中の企業様から話を伺っていると、こんなお声を意外といただきます。
「アフィリエイトサイトに掲載してみたけど、あまり成果が出なくって・・・」
「紹介キャンペーンとアフィリエイトって、似たようなものですよね?」
これらのお声にお答えをするならば、実はアフィリエイトと紹介キャンペーンは、様々な面で根本から大きく違っています。
もちろんアフィリエイトを否定しているわけではありませんが、皆様のお声を伺っていると、紹介キャンペーンのポイントとなる部分を意外と多くの方が誤解しているのかもしれない、とも思われます。
この記事では、アフィリエイトや紹介キャンペーンにご興味をお持ちの企業の広報・マーケティング担当者様向けに、紹介キャンペーンとアフィリエイトの「違い」についてお伝えします。
この記事でわかること
1. そもそもアフィリエイトとは?
1.1 アフィリエイトの仕組み
アフィリエイトの仕組みは至ってシンプルです。
1)スポンサーがASP(アフィリエイトのプラットフォーム)に「商品やサービスを紹介してくださる人」を募集します。 2)アフィリエイター(アフィリエイトで収入を稼ぐ人)は、ブログ記事やSNSに、スポンサーの紹介してほしい商品・サービスのURLを掲載します。 3)アフィリエイターのページを訪問した人が、アフィリエイターのURLを通してスポンサーの商品を購入などすると、アフィリエイターに収入が入ります。 |
簡単にまとめると以上の流れでアフィリエイトは成り立っています。
1.2 アフィリエイトの目的
企業にとってのアフィリエイトの目的は、「ユーザー目線で商品の宣伝をしてもらい、よりコンバージョン率の高い宣伝をすること」です。
先ほどアフィリエイターの行うアクションは「URLを掲載する」こととご説明しましたが、当然ながらただリンクを貼るだけでは、ページ訪問者がリンクから購入にまで至る可能性は低いです。また関連語句を掲載しておかないと、SEO対策も不十分で、そもそも検索などで訪問者にページを見てもらえない・・・ということになります。アフィリエイターは収入を得るために、少しでもページ訪問者をコンバージョンまで後押しする必要があります。このためアフィリエイターには、URLの他にも記事内容で商品を詳しく紹介したり、商品と関連するお役立ちコンテンツを充実させるなどの努力が必要です。
収入を得るためのアフィリエイターの努力は、スポンサーにとっても好都合です。スポンサーはより多くの、かつより良質なアフィリエイターに宣伝してもらうことで、より費用対効果の高く労力の少ない宣伝を行える・・・というわけです。
2. アフィリエイト活用の注意点
以上を受け「アフィリエイト、いいのでは!?」と思われる方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、アフィリエイト活用のためには事前に知っておくべき注意点があります。
2.1「大手」のスポンサーが強くなりがち
アフィリエイトの目標が「コンバージョン」であることはすでにご説明しました。これは裏を返せば、「コンバージョンに至るのがよりカンタンな案件が注目されやすい」ということです。つまり多くの訪問者にすでに馴染みがありブランドイメージの確立された「大手」は、アフィリエイターにとっても間違いのない魅力的な案件である・・・ということです。
さらに大手の場合、次に述べるような「報酬」の面でも、小さな企業より余裕がある傾向があります。つまりアフィリエイトには「資金力とイメージがある大手が強い」という広告業界一般の仕組みがそのまま持ち込まれてしまっているのです。アフィリエイトを考えている大手以外の企業様には厳しい現実だと言えるでしょう。
2.2 高報酬案件が強くなりがち
先ほど「より多くの、かつより良質なアフィリエイターに宣伝してもらう」ことが重要だとご説明しましたが、当然ながらアフィリエイターの量と質は、「商品の質」よりも「報酬」に左右されがちです。確かにアフィリエイターには一般的に得意分野があり、自分の好きな分野について記事を書く方も多いですが、目的があくまで金銭面である以上、低い報酬の案件に労力を割いてくださるお人好しのアフィリエイターはほぼいません。アフィリエイターの宣伝意欲や訪問者の購買意欲を掻き立てるには、「これなら報酬につながりそう」という一定の額や、訪問者への特別特典などを用意する必要があることに留意しておきましょう。
2.3「量産記事」のネタに終わる可能性も
当然ですが、アフィリエイターが記事を書くために、あなたの商品・サービスを実体験する必要は必ずしもありません。アフィリエイターには記事の質だけでなく「量」がまず大事です。なぜなら記事の量がないと検索順位も上がらず、そもそもページが誰の目にもとまらないからです。量産するために全てのサービスを体験していてはお金も時間も足りませんし、実際、体験していなくても一定の「型」を守れば記事にすることは可能です。しかし、実体験やサービスへの理解がない記事は、結局「量産記事」としてコンバージョンにつながらない可能性も。量産記事のネタに終わらないためには、競合他社様の中から「特におすすめ」してもらうためのアピールポイントや、アピールポイントの積極的な周知が必要となります。
2.4「YMYL」分野への検索規制強化
2018年からGoogleは「人々の金銭と生活(Your Money or Your Life、通称YMYL)に影響を与える可能性のあるページ」に対する規制を強化しています。これはフェイクニュースや虚偽情報などから一般市民を守り、検索結果の質を高めるための措置です。
特に有名なのは、俗に「健康アップデート」と呼ばれる規制強化です。「健康アップデート」は日本2017年12月から現在まで何度も行われ、その度に検索結果に影響しています。「まとめ記事」ソース不明情報の社会問題化はまだ記憶に新しいですが、アフィリエイトサイトは多かれ少なかれ「量産記事」で検索上位を狙う戦略をとっていますので、この規制は多くのアフィリエイターにとって大きな打撃です。つまりGoogle規制対象分野はアフィリエイターにとって「ハイリスクな分野」として、今後ますます避けられる可能性があるということです。
Googleの規制強化については、医療・健康系(医院、整骨院、健康食品など)の業界関係者様には特に注意が必要ですが、他業界であっても、今後Google規制強化の影響を受ける可能性は念頭に置いておくべきでしょう。
参考:Googleの医療・健康規制強化に関する公式ブログ発表https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/for-more-reliable-health-search.html
3. では、紹介キャンペーンとは?
ここまではアフィリエイトの仕組みと注意点をまとめました。では、紹介キャンペーンの場合はどうでしょうか?
3.1 紹介キャンペーンの仕組み
紹介キャンペーンとは身近な人同士、知り合い同士の「紹介(リファラル)」を用いたキャンペーン手法のことです。
より詳しい内容はこちらの記事「リファラルマーケティングとは」にも掲載していますが、多くの場合の流れは次のようなものです。
1)企業が既存顧客にキャンペーンの告知をする 2)既存顧客が知り合いに商品を紹介する 3)知り合いが「紹介」から商品を購入すると、企業が既存顧客と知り合いの両方に特典を渡す |
もちろん他にも「既存顧客以外に告知をするパターン」や「既存顧客だけに特典を渡すパターン」など様々なケースが考えられますが、最も基本となる形をまず押さえておきましょう。
3.2 紹介キャンペーンの目的
紹介キャンペーンのの目的はアフィリエイトと同様「ユーザー目線でサービスを宣伝してもらいコンバージョン率を高める」ことですが、紹介キャンペーンのメリットを「低コストな新規顧客獲得」におくのは非常に勿体ありません。紹介キャンペーンのアフィリエイトとの大きな違いは、ベースに「集客=新規顧客獲得で終わりではない」という発想があることです。
後ほど詳しくご説明しますが、紹介キャンペーンは単なる顧客獲得だけではなく「既存顧客とのタッチポイント形成」「新規顧客の定着率向上」にも寄与します。単に顧客獲得の費用対効果を見るのではなく、既存のお客様との関係値を深め、さらに良質な既存顧客を低コストでゲットできる・・・これが理想的な「紹介キャンペーン」のあり方です。
4. 紹介キャンペーンのメリットと注意点
ここまでは紹介キャンペーンの仕組みと目的について説明しました。結論から言えば、紹介キャンペーンの実施は、アフィリエイト施策より良い点がたくさんあります。しかし、紹介キャンペーンもまた「やれば効果が出る」魔法のような施策ではなく、地道な努力が必要になることは知っておきたいものです。
4.1 メリット1:「大手」でなくてもフル活用できる!
紹介キャンペーンの大きなメリットの一つは「大手である必要がない」ことです。
既存顧客はすでにあなたの商品・サービスを選んでくださっており、その良さをよくご存知です。さらに紹介相手は身近なお友達なので、表面的なイメージだけで下手なものを紹介することもあまり起こりません。つまり「紹介キャンペーン」では、大手の強みである「知名度」や「多額の広告費」よりも、商品・サービスの「品質」や「お客様満足度」の方がよっぽど重要なのであり、大手以外の企業様にも十分に「勝ち目」のある広告手法なのです(もちろん、一定の既存顧客母数は必要ですが)。
4.2 メリット2:新規獲得で終わらない!顧客の定着率や満足度も向上できる
紹介キャンペーンのメリットを「低コストな新規顧客獲得」におくのは非常に勿体ありません。紹介キャンペーンのアフィリエイトとの大きな違いは、ベースに「集客=新規顧客獲得以降も続くもの」という発想があることです。
例えば紹介キャンペーンを介したコンバージョンは、通常のコンバージョンよりも顧客定着につながりやすいと考えられます。紹介キャンペーンで「紹介者」となる既存顧客は、すでにあなたのサービスについても、紹介相手となるお友達の好みについても理解しているので、コンバージョンとなった時点で新規顧客のマッチング度が高いことが予想されるからです。
さらに、紹介キャンペーンと顧客満足度は密接な関係にあります。まず、顧客満足度が高いお客様は紹介をしてくださりやすいです。このため紹介キャンペーンを行い成果計測をすれば、顧客満足度の向上にも寄与できます。また、紹介を通してお客様はサービスへの帰属意識や愛着を深めます。顧客満足度と紹介キャンペーンの関係については弊社独自データを9月3日セミナーで公開予定ですが、既存顧客と企業とのコンタクトの場としての「紹介(リファラル)」は、カスタマーサクセスの立場からも注目されています。
関連記事:カスタマーサクセスを強化するなら、ロイヤルカスタマーからの「リファラル(紹介)」がほぼ必須なワケ
4.3 注意点1:特典の金額は「高ければいい」わけではない
紹介キャンペーンがアフィリエイトと大きく異なる点には、額面の設定も挙げられるかもしれません。報酬ありきのアフィリエイトと異なり、特典(インセンティブ)額の高さと紹介キャンペーンの成功とは必ずしも関係ありません。なぜなら、あまりに高額な特典を用意した結果集まった「お金目当て」のお客様は、あなたの商品・サービスに定着することはなく、特典をもらった時点ですぐ離れてしまう可能性が高いからです。
紹介キャンペーンの特典設計はあくまでも「商品・サービスのイメージやお客様のニーズとマッチしていること」に置かれるべきであり、無闇に高い報酬を用意することには慎重になるべきです。
4.4 注意点2:お客様への「アピール」は必須
ここまで聞くと、紹介キャンペーンにはいいこと尽くめなように思われます。しかし忘れてはならないのは「告知が重要」だということです。
いくら効果的なキャンペーンであっても、お客様に「紹介してください」とお声がけをしなければ紹介は発生しません。お客様は決して暇ではなく、様々な情報の海の中から、あなたの商品・サービスのことを定期的に思い出しているかすら不確実です。まして「紹介キャンペーン」の存在をいつも覚えてくださっているお客様など皆無でしょう。
お客様の紹介をより多く起こすためには、特にキャンペーン開始時に、キャンペーン存在の周知を積極的に行うことが重要です。機会損失を防ぐためには、いざあなたの商品・サービスがお友達との話題に出てお友達が興味を示した時に自然とキャンペーンの話題が出るくらいにまで、お客様のインプットを促したいところです。また機械損失で言うならば、お客様が思い立った時にいつでも紹介できるデジタルの仕組みづくりも重要です。要は、お客様への地道なアピールと寄り添いがないと、紹介キャンペーンは成り立たない・・・ということです(どの集客方法にも共通するポイントかもしれませんが)。
関連記事:店舗集客コストを「今すぐ」減らしたい人こそお友達紹介を活用すべき)
5. まとめ:メリットと注意点を把握し、自社にあった選択をしましょう
この記事の要点は大きく2つです。
1 アフィリエイトと紹介キャンペーンは「施策の費用対効果が高い」点では共通です 2 アフィリエイトが報酬ベースなのに対し、紹介キャンペーンでは商品・サービスの「質」(顧客満足度など)が大事です 3 紹介キャンペーンは「新規顧客獲得」がゴールではありません。顧客満足やカスタマーサクセスの観点からも重要な施策です |
アフィリエイトと紹介キャンペーンを同列に語る方が陥りがちなのは「集客=新規顧客獲得」で終わり、という思考です。
この記事では紹介キャンペーンが「新規顧客獲得」をゴールにせず、「顧客獲得以降」の顧客満足や定着率に影響することを重要ポイントとしてご説明しました。それぞれのキャンペーンの特性を理解し、自社の目的に合わせた施策をぜひご検討されてはいかがでしょうか。
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