2024.11.21 紹介ノウハウ マーケティングノウハウ
コミュニティマーケティングとは?注目される理由、導入するメリット・注意点をもとにコミュニティを運営するコツを解説【2024年最新版】
デジタル時代において、企業と顧客の関係性は大きく変化しています。
従来の宣伝方法といえば、テレビCMやラジオCM、店頭でのプロモーションなど、企業からの一方通行のマーケティングが基本でした。これに対し、デジタルが普及した現代では、徐々に双方向のコミュニケーションへと移行しています。
その中で注目を集めているのが、「コミュニティマーケティング」です。
本記事では、コミュニティマーケティングの基礎から実践的なノウハウ、さらには成功事例まで、わかりやすく解説をしていきます。
1.コミュニティマーケティングとは
コミュニティマーケティングとは、既存顧客を中心にコミュニティを形成し、その関係性を活用してブランドや自社商品のロイヤルティを高めることを目的としたマーケティング手法です。この手法では、顧客との長期的な信頼関係を築き、ブランドへの愛着を強化することに重点を置いています。
従来のマーケティング手法は、テレビCMやWeb広告を通じた不特定多数へのアプローチや、ターゲティングを活用した新規顧客の獲得が主流でした。しかし、近年では国内市場の縮小や競争の激化を背景に、新規獲得よりも既存顧客のLTV(顧客生涯価値)を向上させる戦略が注目されています。コミュニティマーケティングは、このような市場の変化の中で注目された戦略の1つです。
コミュニティマーケティングは、自社の商品やサービスに既に関心を持つ顧客や、熱心なファン層に対して直接アプローチを行うことが特徴であり、顧客との接点を深めることで、ブランドへの信頼や愛着をさらに強化する施策といえます。顧客自身がブランドのアンバサダーとなり、自然な形で新たな顧客を引き寄せる効果も期待できます。
2. コミュニティマーケティングが注目される理由
ここでは、「コミュニティマーケティング」が注目された理由2点をさらに深堀していきます。
2.1 個人の発信力の増大
ソーシャルメディアの普及により、個人が情報を発信する力は飛躍的に高まりました。消費者のレビューや口コミが購買決定に与える影響は非常に大きく、SNS上でのインフルエンサーの存在感も無視できません。
こうした環境の中で、企業は個人の発信力を活用し、より効果的なマーケティング活動を展開する必要があります。特に、SNSやレビューサイトでの口コミは、購買決定に大きな影響を与えます。実際の使用者による生の声は、潜在顧客の信頼を獲得する上で非常に重要です。
コミュニティマーケティングは、SNS上の「信頼できる声」を自然な形で生み出し、コミュニティを通じた双方向のコミュニケーションを通して、企業は顧客との関係を深めつつ、信頼に基づく市場展開を実現できるのです。
2.3 既存顧客の維持を重要視する傾向
新規顧客の獲得コストが年々上昇する中、既存顧客の維持がより重要視されるようになっています。顧客維持率を高めることは、安定した収益確保につながるだけでなく、ロイヤルカスタマーを通じた口コミ効果も期待できます。
コミュニティマーケティングは、このような顧客維持を実現するための有効な手段です。
企業は、顧客が製品やサービスについて自由に意見を共有できる場を提供し、そこから得られた「リアルな声」はサービス改善に役立てることができます。さらに、コミュニティ内での活発な交流は、顧客同士の結びつきを強化し、満足度の向上やブランドへの愛着が強化されます。その結果、リピート購入や友人への紹介などのポジティブな行動を自然と促すことが可能です。
このように、コミュニティマーケティングは、顧客満足度の向上や信頼関係の構築に寄与するだけでなく、継続的な収益基盤の形成にも大きく貢献します。
3.コミュニティマーケティングを導入するメリット
現在でもテレビCMを流すことや新聞広告、新聞折り込みチラシなどを行っている企業はありますが、なぜ、今、コミュニティマーケティングを行うべきなのでしょうか。
3.1 顧客の生の声を聞き、サービス改善のきっかけにできる
コミュニティ内での顧客の声は、製品開発やサービス改善の貴重な情報源となります。
従来の顧客アンケートなどとは異なり、より自然な形で顧客のニーズや不満を把握することができ、同時にコミュニティメンバー同士の対話からは、企業が気づかなかった製品の使用方法や改善点が見えてくることも多々あります。
ユーザーの声を元にサービスの改善につなげることや商品開発を行うことで、利用拡大や売上増大につなげることが可能です。その声を拾いあげようとする姿勢に対して、顧客が支持してくれます。
結果的に、企業の安定的な成長につなげることが可能です。
3.2 ロイヤル顧客を育成し、顧客のLTVを最大化できる
ロイヤル顧客が増えれば、企業の売上も安定し、さらなる拡大が期待できるでしょう。そのため、コミュニティ内での活動は、顧客との関係を深め、ブランドへの愛着や信頼を育む重要な場となります。
自社やブランド、商品、サービスのコアなファンであるロイヤル顧客は、ブランドに対して強い愛着や信頼感を持ち、よほどの理由がない限り競合他社や新しいブランドに流れることはありません。さらに、友人や家族に積極的に推薦してくれる存在であり、企業にとって非常に貴重な顧客層といえます。
同時に、ロイヤルティの高い顧客を育成することは、LTVの最大化につなげることもできます。
LTVとは「顧客生涯価値」ともよばれ、顧客から生涯にわたって得られる利益のことを意味します。ロイヤル顧客は新規顧客のように値引きやインセンティブといった誘引が不要で、自然と商品やサービスを選んでくれるため、集客コストの削減にも寄与にもつながります。
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3.3 サポート工数の削減
交流が盛んなコミュニティ内では特に、メンバー同士でお互いの不明点に対して助け合う傾向があります。このことから、コミュニティマーケティングを導入することによって、カスタマーサポートの負荷を大幅に軽減し、人件費削減へとつなげることも可能です。
さらに、コミュニティ内での質問と回答が蓄積されていくことで、新規ユーザーや他のメンバーが同じ問題に直面した際、自分で解決策を見つけやすくなります。ナレッジを蓄積することは、サポートチームが繰り返し対応する必要のあるケースを減少させます。その結果、サポートチームはより複雑な課題や個別対応が必要なケースに注力することができ、サービスの質の向上へとつながります。
3.4 紹介による良質な新規顧客の獲得
コミュニティマーケティングは、ユーザー同士のコミュニケーションを活性化し、ブランドやサービスへのロイヤルティを高めます。この高いロイヤルティが、「商品やサービスを周囲に紹介したい」という自然な動機を生み出します。
特に、満足度の高いコミュニティやブランドに愛着を持つ顧客が多いほど、口コミによる紹介が自然と発生します。このような口コミの紹介は、通常の広告に比べて信頼性が高く、購入への転換率も優れています。さらに、SNSの「シェア」や「いいね!」といった機能が発達した現代社会では、企業が直接売り込むよりも、顧客からの「紹介」がより効果的な購買促進手段となっています。
紹介経由の新規顧客は、製品やサービスに対して一定の興味や信頼を持っている場合が多く、導入への心理的ハードルが低いのが特徴がありあます。コミュニティマーケティングを通じた紹介は、企業の持続的な成長を支える強力な要素となります。
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4.コミュニティマーケティングの注意点
ロイヤル顧客を育成し、企業の持続的な成長を助けてくれるコミュニティマーケティングですが、運用する際にいくつか注意点があります。その中でも重要な2点を解説します。
・コミュニティの形成を急がない
・インセンティブでメンバーを釣らない
コミュニティの形成を急がない
コミュニティ形成には時間が必要です。焦って早期の成果を求めると、メンバー間の信頼や絆が十分に築かれず、表面的なつながりに終わる可能性があります。まずは、共通の価値観や興味を持つ人々が自然と集まる環境を整えることが大切です。
継続的に魅力的なコンテンツや交流の場を提供し、メンバーが自主的に活動したくなる仕組みを作ることで、コミュニティは長期的に成長します。短期的な数字よりも信頼と価値を重視し、じっくりと育てる姿勢が成功の鍵です。
インセンティブでメンバーを釣らない
金銭的なインセンティブだけでメンバーを集めると、コミュニティへの本質的な共感が得られず、特典がなくなると離脱する可能性があります。コミュニティに参加することで得られる「交流」「学び」「達成感」など、非金銭的な価値を提供することが重要です。
インセンティブを活用する場合も、主軸にするのではなく、感謝イベントや特別な情報提供など、コミュニティの魅力を補完する形で使うと効果的です。これにより、メンバーのロイヤルティが高まり、持続可能な成長が実現します。
5.コミュニティマーケティングを成功へ導く運営のコツ
コミュニティマーケティングは工夫を重ねることで、コミュニティは単なる顧客の集まりを超え、ブランドと顧客が共に価値を創造する場へと成長します。ここでは、コミュニティマーケティングを成功へ導くコツを解説します。
5.1コミュニティの目的を明確に
成功するコミュニティには、明確な目的と具体的な価値提供が欠かせません。商品やサービスのリピーター獲得なのか、商品開発や改善なのか、ロイヤル顧客づくりなのか、目的を明確にすることで、適切な企画・設計やツールの選定が可能になり、コミュニティマーケティングを成功が実現します。
コミュニティの企画・設計
まず、企画・設計の段階では、コミュニティマーケティングを実施する目的をもとに、ターゲットとなる顧客が参加することで得られる価値をを明確化しましょう。
コミュニティに集めたい顧客像を策定し、柱となるコミュニケーションコンセプトを決めます。このコンセプトに基づき、ターゲット顧客がよりロイヤルティを高めてくれそうなコンテンツや仕組みを検討していくことで、形成するコミュニティの形が徐々に見えてきます。
企画段階で、メンバーの参加動機を想定し、彼らが「このコミュニティにいる意味」を感じられるような仕組みを設計することが成功の鍵となります。
コミュニティツールの選定
企画・設計が決まれば、コミュニティを運営するための適切なツールを選定します。選定する際は、施策の目的だけではなく、利用する参加者の利便性も考慮しましょう。
たとえば、SNSはすでにプラットフォームが形成されているので、立ち上げまでのスピードが速く、低コストで行えます。また、使い慣れたプラットフォームであることから、多くのメンバーが気軽に参加しやすくなります。
一方で、会員登録制で、ログインして利用する独自のコミュニティサイトの形態は、よりコアなファンが集まり、会員制なであることの特別感から、顧客満足度も高めることができます。サイトの立ち上げに費用や期間はかかりますが、より濃密なコミュニケーションが可能です。
このように、コミュニティといっても様々な種類があるため、「目的」を意識したコミュニティの作成が重要になるのです。
5.2 顧客との関係構築に注力する
コミュニティ運営の成功には、メンバーとの信頼関係を深めることが最も重要です。運営側は、メンバーの声に耳を傾け、積極的にフィードバックを受け入れる姿勢を示すことで、信頼を築けます。その際、メンバーが安心して意見を共有できる環境を作ることを心がけましょう。
さらに、オンラインだけでなく、定期的なイベントやオフライン活動を取り入れることで、メンバー同士のつながりを強化し、コミュニティ全体の一体感を高めることができます。たとえば、交流会やワークショップ、限定セミナーの開催は、メンバー間の絆を深めるだけでなく、ブランドへの愛着を育むきっかけにもなります。
6. コミュニティマーケティングの成功事例
6.1 無印良品:IDEA PARK
無印良品のIDEA PARKは、オンラインショップなどとは異なり、顧客参加型の商品開発プラットフォームとして成功を収めています。ユーザーに商品の開発や改良の意見を書き込んでもらい、そのアイデアをもとに実際の商品化まで進める仕組みは、顧客との強い絆を生み出します。
また、「お客様の声から作りました」「お客様の意見で改善しました」というPRは、消費者の心に刺さります。「同じ立場の消費者が開発したならいいに違いない」「自分も思っていた点が改善されて嬉しい」と購入することやリピーターが増えることにつながるのです。
6.2 カゴメ:&KAGOME
カゴメのコミュニティサイト「&KAGOME」では、カゴメ製品を使ったオリジナルのレシピや写真の投稿、カゴメ製品のレビューの投稿や投票、トマトを育てている方の交流の場や成長記録の投稿などが行えます。
コミュニティに参加して日々投稿している人や交流し合っている人たちは、カゴメ製品を買い続け、新たなレシピの投稿やレビューをし続ける、ロイヤル顧客です。
カゴメのように他商品への離脱リスクが常にある商材は、ロイヤル顧客の育成や帰属意識の醸成において非常に参考となる事例です。
6.3 コメダ珈琲:さんかく屋根の下
競合が多いコーヒーチェーン店は、それぞれ「このコーヒーチェーンが好き」というファンがついているのが特徴で、コメダ珈琲も根強いファンが多いお店の1つです。
そんなファンが集まれるサイトが「さんかく屋根の下」です。
「さんかく屋根の下」ではファン同士のコミュニケーションを、コンテスト、オンラインイベント、新商品への投票を通じて行うほか、サイト利用者向けの特別な情報やコメダ珈琲により親しんでもらうための情報などが公開されています。
リピート率/LTV拡大を図りつつ、実際にコメダ珈琲を好きなファンの方に楽しんでもらうコンテンツが用意されています。
6. まとめ
コミュニティマーケティングは、デジタル時代における効果的なマーケティング手法として、今後さらに重要性を増していくと考えられます。成功のカギは、明確な目的設定と、顧客との信頼関係構築にあります。
ただ、コミュニティ形成はそう簡単な施策ではなく、腰を据えて取り組む必要があります。そのため、まずはロイヤル顧客が誰かを特定し、その顧客を深掘りするところから始めても良いでしょう。
例えば、リファラルマーケティングの施策を実施し、特に紹介してくれている顧客が誰かを特定するなどの方法がクイックかつ有効です。
もしコミュニティマーケティング開始の第一歩としてリファラルマーケティングをご検討される場合、リファラルマーケティングご支援サービスinvy(インビー)にお気軽にご相談ください。
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