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岩塚製菓のファンマーケティング:おせんべいが生むコミュニティとエンゲージメント

岩塚製菓が実施する「ファンマーケティング」

岩塚製菓は、新潟県に本社を置く、1947年に設立した、お煎餅やおかきなどの、米菓を中心に扱うメーカーです。

「黒豆せんべい」や「味しらべ」、「おこさませんべい」などの主力商品は、皆様も一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。それらの商品の原材料であるお米は、すべて国産であり、食の安全とともにおいしさを売りにしています。

そんな岩塚製菓のファンマーケティングの事例を、本記事では紹介していきます。

≫リファラルマーケティングとは?30の成功ポイントと13の成功事例

≫ファンマーケティングとは?熱狂的なコアなファンを探す方法を事例とともに徹底解説!

 

ファンサイトの運営

岩塚製菓はファンサイトの運営を行っています。その事例を、紹介しましょう。

1-1. 大人のぽりぽりクラブ

大人のぽりぽりクラブ」は、お酒に合うおつまみとしての米菓を紹介している、大人向けのサイトです。
大人のぽりぽり

引用:大人のぽりぽりクラブ

例えば、赤ワイン、ビール、日本酒にあうおつまみなど、それぞれの商品とお酒との相性表を見ることができます。商品紹介からは、直リンクでくわしくその商品を見ることや、すぐに購入するためのリンクも用意されています。

また「大人のおつまみフォトキャンペーン」というキャンペーンも実施しています。

フォトキャンペーン引用:大人のぽりぽりクラブ

各月ごとにテーマを設け、ユーザーに写真と一言コメントをもらうようなシステムになっています。他のユーザーは、こうした投稿を見ることができ、それに触発されて、岩塚製菓のお菓子を食べる、ということもあるかもしれません。
写真を投稿した方のなかから、抽選で岩塚製菓のお菓子詰め合わせが送られることもファンにとっては嬉しいポイントです。

「コンテンツ」というページには、商品紹介や編集部のおすすめ商品が、ちょっとした雑学やエピソードとともに読むことができるようになっています。
また、お酒や飲み物と、商品と合うようなレシピを公開していたり、それぞれの商品が健康的であるかどうかや、おせんべいと歯の関係を歯科医師に紹介してもらうなどのコラムが掲載されています。

こうしたコラム等を読みながら、岩塚製菓の商品を楽しみながら味わってもらおう、という信念が見て取れます。

 

1-2. おこせん おやつどきファンサイト

おこせん おやつどきファンサイト」は、子供向けの商品を中心に紹介している、子供を持つ親御さんへと向けたサイトです。ホームページには以下のように記載しています。

お子様が「おこさませんべい」を食べているときのような、お父さん・お母さんがほっとひと休みできる時間をつくっていきます。
「おやつどきファンサイト」にはおやつを食べているときのようなほっとするひとときを提供したいという意味を込めました。
お子様の成長を共に喜び、共に楽しんできましょう。

引用:おこせん

そんな「おこせん おやつどきファンサイト」にも、多様なコラムが用意されています。

  • 子育て心理学:子供の育てかたに関するコラムが掲載
  • お医者さんにきいてみました!:医師からの育児に関するアドバイスが掲載
  • おこせんクッキング:大人も子供も楽しめるレシピが掲載。具体的には、「おこせんで作るクリスマスケーキ」や、野菜が嫌いなお子様向けの、おかずソースのレシピ、さらにはグルテンフリーのおやつなど、子育てのニーズにあわせたレシピが多いです。

などです。
その中でも最もファンの心を刺激するのは「おこせんリニューアルプロジェクト」でしょう。

 

1-3. おこせんリニューアルプロジェクト

「岩塚のおこさませんべい」は人気ではあるものの、社内外から、パッケージデザインへの不満や、時代のニーズにあわせる必要性があるといった声があがったことから、ユーザーとともに、「おこせん」をリニューアルするべく改革を行ったものです。

ホームページには、このリニューアルプロジェクトの進捗報告が掲載されています。
おこせん

引用:おこせんリニューアルプロジェクト

進捗報告の第一回では、ユーザーからの意見や要望をまとめており、その結果として、一部の原材料の見直しやパッケージの再考をすることを明言しています。
第二回では、すでに商品内容として人気のある一部の製品は原材料はそのままに、パッケージデザインのみ改革することを決め、さらには試食キャンペーンを展開。
第三回では具体的なパッケージデザインを決定、そしてそうしたリニューアルが行われたあとはユーザーの声を紹介しています。そして、リニューアル後には管理栄養士によって味や原材料についての評価が行われています。

このように、ユーザーやファンの意見をもとに、過程を共有しながら、商品をリニューアルすることによって、ファンはよりその商品に愛着を持ちます。更には、商品開発に自らの意見が反映されたという喜びもあるかと思います。

一方で、企業にとっても、自社内の意見だけではなく、顧客視点の意見を取り入れることによって、新たな発見があります。
リニューアル後は専門家から具体的なコメントをもらうことによって、ファンと企業の双方が、そのリニューアルに間違いがなかった、と安心できるような仕組みになっていると評価できます。

その他の取り組み 

岩塚製菓は災害支援や、環境問題にも取り組んでいます。例えば、熊本地震の復興支援や、東日本大震災の復興支援プロジェクトである「明日へつなごうプロジェクト」、さらには食育のために子どもへ田植えや稲刈りの体験をしてもらうといったイベントも開催しています。

他方で、環境方針として、天然ガスの導入や環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」の展開、また企業として食品安全と環境方針を明確に定め実行をしています。

このような支援や、環境問題への取り組みは、企業のファンにとっても誇るべきことと言えます。すなわち、安心して他者へ企業の商品を勧めることができると同時に、自らもまた環境問題や災害支援などへの取り組みに自動的に賛同する、という仕組みになっています。

 

まとめ

岩塚製菓はファンサイトを中心に、ファンへとアピールしている企業とまとめることができそうです。
ファンのターゲット層を絞ったうえで、別のファンサイトを運営し、そうしたターゲットが求める情報のみをピックアップして発信しています。

また、ファンの声をもとに商品のリニューアルにも取り組み、ファンを満足させています。
そして、リニューアルや、ファンが求める情報を、社内だけではなく、社外の研究者や専門家の意見をもとに発信することによって、情報に正確性をもたせながら、ファンを納得させ、そうしたことによって根強いファンを掴んでいるとも言えそうです。

もちろん、そうした施策ができるのは、商品に絶対的な魅力があるからこそ。
そうした商品の魅力を生かしながら、ファンへ向けて情報を発信する、というファンマーケティングを行なっているのです。


トピック: ファンマーケティング

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