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JA全農のブランディング戦略: ファンマーケティングと専門特化型SNS活動の魅力

岩塚製菓が実施する「ファンマーケティング」

JA全農は、正式名称を「全国農業協同組合連合会」という、農業協働組合です。その名の通り、農業の組合ですので、一般的なマーケティングとは異なるのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そんなJA全農であっても、ファンマーケティング的な側面があります。

JA全農の経営理念は、「私たち全農グループは、生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋になります」というものです。つまり「消費者」に対して、利用してもらい、生産者に対して、商品に対して安心してもらう必要があるのです。

それではさっそく、JA全農が行っているファンマーケティングの実践例をみていくことにしましょう。

≫リファラルマーケティングとは?30の成功ポイントと13の成功事例

≫ファンマーケティングとは?熱狂的なコアなファンを探す方法を事例とともに徹底解説!

 

JA全農のファンへ向けた広報活動

1-1.週刊冊子「JA全農ウィークリー」

JA全農ウィークリー引用:JA全農ウィークリー

「JA全農ウィークリー」は、JA全農が週刊で発刊している冊子です。1998年から発刊されているこの冊子は、取引先などに向けて発刊しています。内容としては、畜産や農作物の情勢、新商品の発売情報、農業等の取り組みから、さらにはJA全農がスポンサー等をしているスポーツに関するものもあります。

現在では、ホームページを通してその内容をみることもできるため、JA全農との取引先だけでなく、農業に携わっている方や安全面を考慮している主婦層も観ているでしょう。

 

1-2.月刊冊子「Apron(エプロン)」

「Apron」は1978年よりJA全農が月間で発行している冊子です。内容としては、「食」と「農」が中心で、JA全農の取引先や、スーパー、あるいは生協やAコープの店舗などで無料で配布されています。こちらも、現在ではホームページを通してその内容を確認することができます。
一部を紹介します。

  • わが家の味:ユーザーが作ったレシピの紹介
  • わくわく菜園づくり:(専門家の監修)家庭菜園でも使えるワンポイントアドバイスやQ&A
  • 家庭菜園・きほんの『基』:苗の選び方から防鳥対策など、家庭菜園の基礎となる情報を掲載

このように、すでにファンになっている方へ向けた情報を発信しながら、そうした方々がさらに農業に興味をもってもらえるような内容をちりばめて情報を発信しています。
これによって、家庭菜園を始めた人は更にこのサイトのファンになっていくことでしょう。

 

1-3.それ以外の広報誌

先に挙げた、「JA全農ウィークリー」や「Apron(エプロン)」以外にも、JA全農は多く広報誌を発刊しています。

全農リポート引用:全農リポート

例えば、毎年発刊される「全農リポート」は農業の情勢や事業への取り組みや農業のデータ等を紹介しています。この「全農リポート」には、「全農リポート 子ども編」という、子ども向けとして漫画で描かれたものと、「全農リポート ママ・パパ編」という食育関連を中心に展開しているものもあります。

月刊のフリーペーパー「AGRIFUTURE」ではマルシェ等の取り組みを紹介していますし、「田んぼの生きもの調査」や「田んぼをつくって稲作りを体験しよう」というような、生態系や食育関連の冊子も発行しています。
さらには、2022年春からは「みのりのおと Minorinote」という広報誌も展開しており、専門に特化し、分化された広報誌を多く発行しています。

 

JA全農のSNS活動と多彩なホームページ展開 

2-1.JA全農の多彩なSNS活動

意外と思われるかもしれませんが、JA全農では数多くのSNSを運用しています。そして、それらはいずれも、ユーザーの要望に応えるために、専門に特化したものとなっています。

例えば、Twitterアカウント、「全農広報部【公式】日本の食を味わう」では、新商品やレシピが掲載されています。先に紹介したような「JA全農ウィークリー」の公式Twitterにあたる、「JA全農トピックス」もあります。
他にも下記のようなアカウントがあります。

2-2.JA全農の多彩なホームページ展開

JA全農は多数プロジェクトを展開し、そのプロジェクトごとにホームページを運用しています。
例えば、「モゥ〜と牛乳」では、牛乳の情報をメインに発信し、牛乳の消費を促し、また全農の取り組みを紹介し、牛乳の豆知識やレシピなどが掲載されており、牛乳好きにはたまらないホームページとなっています。

また、「りんご情報局」ではその名の通り、りんごの情報を中心に発信しています。旬のりんごや、品種の紹介や、それに応じたポップも用意されており、さらにはレシピやりんごジュースを紹介したうえですぐに買えるように通販サイトのリンクも用意されています。こうした取り組みも、りんご好きや、りんごを扱っている小売店などには嬉しい情報と言えるでしょう。
他にも下記のようなホームページがあります。

 

2-3.これだけの多彩な運用を行う理由

このように、JA全農では多彩なプロジェクトを行っています。そして、それに関連するSNSも数多く運用しています。それは、「農業」という非常に広範なものを扱っているためと言えるでしょう。
広範であるがゆえに、ファンの関心も多様になります。そこで、ある程度専門に特化したサイトを複数運営することによって、ファンが特定の情報を得やすく、よりその分野に関心をもつようにしていると評価できるのではないでしょうか。

また、生産者も「農業」全てのプロフェッショナルというよりは、特定の専門的なものを扱っています。当然のことですが、りんご農家であればりんごを中心に扱っています。そのため、そうした特定の生産物を育てている生産者目線においても、専門特化した分野において発信することが重要です。

 

まとめ

以上のように、JA全農は実は広報活動に余念がありません。冊子やWeb媒体において情報を多く発信し、またプロジェクトごとに、SNSやホームページを展開。

JA全農では、「農業」と一言でいっても、そこには作り手側と消費者、あるい同じ農業というカテゴリーであっても、野菜や果物、さらには畜産物など、それぞれの専門性があるものを総合的に扱っています。ゆえに、コンテンツとしても非常に細かくならざるを得ません。

また、それは消費者、すなわちファンとしても、どのようなものが読みたいのか、知りたいのか、ということが区分されているということにもなります。そのため、細かく区分けして冊子やホームページ、SNSで情報を発信することは、そうしたファンのニーズを満たすということにもなるのです。
自分にとって興味がある冊子やSNSをチェックしておけば、煩雑な情報が流れてくることが少ないと言えるでしょう。

そのように小分けにして、それぞれのファンへ向けた情報を発信する。JA全農はそうしたファンへ向けた活動を行っていると、まとめることができそうです。


トピック: ファンマーケティング

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