ウィズコロナでECサイト集客はどうなるの?Amazonや楽天に負けないたった一つの方法
ここ数年でEC市場は明らかに伸びています。
経済産業省の調査によれば、2019年度のBtoC市場における日本国内のEC市場規模は19兆3,609億円と、市場規模は対前年比7.65%増を記録しています。この数字は日本の実質GDP成長率から考えると高い数字だと言えるのではないでしょうか。そして現在のウィズコロナでの「非接触」「巣ごもり」ニーズ増大は、EC業界には確実に追い風となっています。(出典:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査))
一方で、このような業界の伸長は明らかに競争激化を生んでいます。少し前の調査ですが、帝国データバンクの調査によれば2018年度の通販販売業者の倒産は過去最多の件数を記録しています。(出典:特別企画: 通信販売業者の倒産動向調査 (2018 年度))
市場が伸びているにもかかわらず、EC事業での生き残りはますます厳しくなっているようです。
この記事では、EC事業者様が激しい競争を生き残るための集客ポイントを解説いたします。
この記事でわかること
- 1. ウィズコロナでECサイトへのお客様は、確かに増えました。
- 2. ECの活況に伴い、集客の課題も生じました。
- 3. お客様の立場から見る、ECサイトあるある
- 4. 解決策は「既存顧客の愛着度を高めること」
- 5. ウィズコロナのECサイトキャンペーン事例
- 6. 全体のまとめ
1.ウィズコロナでECサイトへのお客様は、確かに増えました。
まずはおさらいとなりますが、現状のEC市場規模の伸長に加え、ウィズコロナの状況は明らかにEC市場への追い風となっています。
1.1 お客様の流れは実店舗からECへ移動
総務省統計局によりますと、2020年11月時点で、ネットショッピング利用世帯の割合、およびネットショッピング支出額は昨年を大幅に上回っています。特に増減に寄与しているのは食糧、家電、衣類、贈答品ですが、その他の業界でも多かれ少なかれ伸びがあることは想像に難くありません。
参照:家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について (二人以上の世帯) -2020年(令和2年)11月分結果-
1.2 ECサイトの数も増加
この流れに応じ、ECサイトの数自体も上昇しています。例えばネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」のショップ開設数は、2020年7月に110万ショップ、同年12月8日に130万ショップを超えており、右肩上がりの傾向は続いています。
BASEのプレスリリースには「店舗販売ができず行き先が無くなった商品を破棄するのはもったいないと思っていたところ、BASEを知り自社HPには今まで載せていなかった商品をお得なかたちで販売しました」「(購入が増加し)ネットの力がこんなにも凄いものなのかと思い知らされました」「初めてネットショップを開設し、新しい事業展開の可能性に気付きました」という声が掲載されていますが、これまでEC化を考えていなかった事業者様にも、急速にEC化が広まりつつあることが見て取れます。
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000030814.html
1.3 EC発展途上の業種もEC市場に進出。「スマートフォンで買い物」が普通の時代に
経済産業省の調査資料によれば、業界ごとのEC化率は年々伸長しています。その中には、これまでECが主流でなかった業界も含まれています。例えば2019年時点で「食品、飲料、酒類」のEC化率は2019年時点で2.89%、「化粧品、医薬品」のEC化率は2019年時点で6.00%ですが、現状の巣ごもり需要で食品や化粧品のEC需要が増大しているのは皆様も肌感覚で感じる所ではないでしょうか。EC市場にはまだ伸び代のある分野が数多くあり、これらの分野でのEC化率はウィズコロナ下において新調していく可能性が高いです。
また、このようなEC伸長の立役者となっているのは、明らかにスマートフォンです。同資料によれば、物販分野におけるスマートフォン経由の BtoC-EC 市場規模は、物販 BtoC-EC 市場規模 10 兆 515 億円の 42.4% に相当する金額となっており、EC市場全体の半数に迫る勢いです。PCのブラウザでショッピングをする、という時代は終わりを迎えつつあり、ECショッピングは身近な機器で行えるより気軽なものとなっていくでしょう。
参照:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査)
2. ECの活況に伴い、集客の課題も生じました。
しかし、一見活況に見えるEC市場でも、集客がうまくいかない企業は数多いです。その最も大きな要因は、ECサイトの数の増大と大手企業の寡占ではないでしょうか。
2.1 オンライン広告の費用高騰
まずEC市場において、ECサイト数が増加することにより、競争激化が怒っています。最もわかりやすいのはWEB広告の費用高騰ではないでしょうか。
入札方式となっている多くのWEB広告でインプレッションを勝ち取るには、相応の予算と運用が不可欠ですが、運用の時間が取れず同じ広告の使い回しになってしまうと、見込み顧客にも飽きられ、CPAは高くなります。その隙を縫うように競合がインプレッションを獲得し、自社サービスの見込み顧客を獲得してしまいます。
WEB広告を主力の集客手段にしている限り、このような「いたちごっこ」の集客からは逃れられません。
2.2 上がらないリピート購入率
WEB広告に頼り切りになることは、「顧客定着率」の観点から見ても望ましくありません。
消費者は日々数多くの情報に断続的に触れており、広告のような「新奇性重視」の獲得手段のみを重視していると、顧客へのフォローアップが疎かになりがちです。
言い換えると、自社サービスを一度選んでいただく=顧客獲得をゴールに設定している限り、その後顧客が離れてしまい、結果的に「焼畑農業」のような営業方針にならざるを得ないのです。
限られた見込み顧客を少しでも長くつなぎ止める施策を行わず、新規獲得施策にのみ集中することは、長期的な事業の安定のためにも得策とは言えません。
2.3 大多数のお客様は「大手」に流れがち
昨今の「ポイント商戦」からもお分かりの通り、自社ECにお客様を呼び込むことには常に困難が付きものです。
楽天やAmazonは両企業ともコロナ渦による大きな恩恵を受けていますが、お客様にとってもクレジットカードのポイント獲得など利便性が高いため「とりあえず楽天かAmazon」につい流れがちな傾向は否めません。
そう考えると、いかにEC盛況と言えど、自社サイトECに安定して顧客を呼び込むハードルは意外と高くなっているかもしれません。
参考記事:https://biz-journal.jp/2020/03/post_145145.html
3. お客様の立場から見る、ECサイトあるある
では、実際のお客様はオンライン上で購買をする際、どのような形で意思決定を行っているのでしょう?
この点を真摯に考えると、大手ECサイト頼みにならず自社サイトへと効果的に集客を行う秘訣が見えてきます。
3.1 広告はむしろ胡散臭い
私たちはYouTubeの動画広告で嫌というほど様々な情報にさらされていますが、それらの情報には、どうしても広告チックで「本当なの?」と思わざるを得ないものも多いです。
いくら動画で「芸能人やインフルエンサーに人気!」と言われても、「本当に化粧品だけの成果なの?」「報酬をもらって投稿しているんじゃないの?」と、疑心暗鬼になってしまうのが一消費者の本音です。
特に美容系の動画広告では「最近彼氏が冷たい」「男の子はこういうポイントを見ている」など、恋愛や性の問題を持ち出して「焦らせる」ものも多いです。しかし、これらの広告を鵜呑みにして無闇にサービスを選んだ場合、消費者にとってもミスマッチを招き、将来的には顧客離脱や悪い口コミにつながる可能性もあります。
3.2 検索して出てくる口コミサイトやアフィリエイトブログも正直信用できない
ではサービス名が分かってさえいれば、Google検索で適切なサービス情報を入手できるのでしょうか?答えはNOです。
口コミは確かに集客の強力な手段ですが、競合他社に対してあまりに件数や数字が大きすぎると「ステマではないか?」との不安も生じやすいです。つまり、ネット上の情報を全面的に信頼している人の割合は著しく低いのが現状です。
Amazonの口コミの質を調べる「サクラチェッカー」などは特に有名ですが、特に大手サイトのレビューにはお客様自身もかなり慎重になっている傾向が伺えます。
参照:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/internet_committee_180927_0003.pdf
3.3「悪い口コミ」があると不安になる
ある調査によると、口コミを投稿する動機の半数以上は「予想以上に商品の質が悪かった時」です。
また別の調査では、悪い口コミがあった場合に購入を取りやめる人の割合は75%。これは「口コミがない」場合の33%よりも大きく上回っています。つまり自然発生的な口コミに任せていては、集客に役立つどころか、害になる可能性すらあります。
参照:
https://975mix.com/kutikomi-sinyou/
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/internet_committee_180927_0003.pdf
3.4「ずっとこのサービスでいいんだ」という確信も持てない
広告、ブログ記事、SNS投稿・・・類似の商品と触れる機会がありすぎて、どの情報を見れば自分への最適解が見つかるのか判断がつきづらくなっています。特に「すごくいい」とされている化粧品には高額なものが多く、1ヶ月お試しだとしても「自分に合っていないかも」「もっと良いものがあるんじゃないか」という懸念は消えません。そんな時ふと他の情報に触れると、お客様は容易に離脱してしまいます。このような事態を防ぐためのお客様の「つなぎ止め」は広告のみでは間に合わず、より顧客に寄り添った具体的なフォローが必要になります。
4. 解決策は「既存顧客の愛着度を高めること」
では、大手通販サイトに負けず、自社集客をしっかり行うにはどうすれば良いでしょうか。ポイントとなるのは「既存顧客」の愛着度をいかに高めるかです。
4.1 まずは一度、自社ECで購入をしてもらいましょう
楽天やAmazonではなく自社ECにお客様が来てくださるたった一つの理由、それは「その商品に深いつながりを感じているから」に他なりません。
逆に一消費者の視点になってみてください。もし興味もなく今後長く使うつもりもないサービスなのに、そのサイト専用のポイントが貯まったとしても全く嬉しくないのでは?
つまり自社サイト購入に呼び込むことができている時点で、お客様としての確度はある程度高いことになります。
まずは「一度でも自社ECで買ってみても良いかも」この発想に至らせるために、自社ブランドの魅力をお客様に最大限アピールしましょう。
4.2 自社ECの「お得度」ではなく「愛着度」を高めましょう
自社ECにお客様をつなぎとめるためのポイントは、何よりも「自社サービスのカラーを強く打ち出すこと」です。
このECサイトでお買い物をすることで、自社ブランドの良さをよりよく感じられ、もっとそのブランドが好きになる・・・という好循環を生み出すことが重要です。
もちろんそのためには、魅力的なキャンペーンやポイント制度も必要です。
その際ぜひ念頭においていただきたいのは、ECサイトを構成する全ての要素が自社のサービスへの好感度を高めることに直結している、ということです。
お得訴求合戦に一度ハマってしまうと、Amazonや楽天と戦わざるを得ません。その先に待っているのは、間違いなく敗北です。
4.3 自社ECのお客様に、自社ECをお勧めしてもらいましょう
お客様を獲得したら、次はその輪を外に広げていきましょう。
例えばWEB広告は常に予算を投入しなければ動きませんし、すぐに顧客のコンバージョンを促すことはなかなか難しいかもしれません。
これに対し、既存のお客様に自社商品の良さをおすすめしてもらえた場合はどうでしょう。信頼できる知人から事前に情報を得ていれば、見込みのお客様のサービスへの理解度も深いです。このため、サービスの比較検討や購入まで進む可能性も高くなってきます。このような確度の高いお客様を既存顧客経由で獲得していくことで、集客コストを低減することが可能です。
しかし、既存のお客様に自社商品をお勧めしていただくことは、新規獲得のためだけによいのではありません。
弊社調査によれば、お客様は自社商品への愛着度が高いほど自社商品を周りにお勧めしたくなり、また自社商品をお勧めする回数が多いお客様ほど、自社商品への愛着度は高くなります。
つまり既存のお客様に自社商品をおすすめしてもらえるよう呼びかけることは、新規獲得だけでなく、お客様を離さないための施策としても重要なのです。
調査結果はこちら:https://s.creativehope.co.jp/invy_download_data_02
5. ウィズコロナECの口コミ活用キャンペーン事例
では、お客様の愛着度を高め、顧客定着と新規獲得を図るためにはどんなキャンペーンを打てば良いのでしょう?
5.1 紹介キャンペーンを打ち、信頼度の高い口コミを募る
外部データでは、多くのユーザーは企業やメディア媒体の情報よりも友人や家族からの紹介を情報として信頼していることが明らかになっています。
インターネットや広告の情報に溢れる現代において、ユーザーは「誰による情報か」を重要視しているのです。
そんななか、知人による信頼度の高い口コミを活用することができるのが紹介キャンペーンです。紹介キャンペーンでは口コミサイトとは異なり、気心の知れた知り合い同士が相手のステータスを分かった上でサービスをお勧めします。その結果、お勧めを受けた見込み顧客はサービス使用イメージがより沸きやすく、コンバージョンへの確度も高くなります。
5.2 スマートフォンで簡単に「お友達へのお勧め」ができる仕組みづくり
先にも述べた通り、現在は幅広い年齢層でスマートフォンによる購入やコミュニケーションが浸透しています。ですのでお客様の「草の根」の口コミを増やすには、スマートフォンフレンドリーな仕掛けがあることが何より重要です。「お勧めしたいな〜」と思った時、知人にふと連絡を取れるような工夫が必要なのです。
特に現在の「非接触」を重視するウィズコロナの時代において、お友達へのコミュニケーションがすぐ取れるための仕掛けはマスト!LINEやFacebook、Twitterなどを簡単に使え、お客様にとってスムーズな仕組みを用意することで機会損失を防ぎましょう。
LINE公式アカウントなどを作り、スマートフォン利用顧客とのタッチポイントを増やすのもおすすめです。
6. まとめ:お客様のリアルな口コミをより多く起こしましょう
ウィズコロナ の時代において、サービス長続きのためにも、知人同士の口コミは今後重要度を増していくと思われます。
人々はますますECサイトで買い物をし、スマートフォンを使いこなすでしょう。そしてその分、情報に対してはよりシビアになっていくと考えられます。このように「何を信じて良いかわからない」状況だからこそ、知人の信頼できる情報を欲しがる人は多いのです。
このように知人の口コミをもとに展開される紹介キャンペーンを通し、自社の顧客接点をどう改善すれば良いかの施策も見えてくるかと存じます。
まずはお客様が自社サービスをどれくらい紹介してくださるのか、試してみてはいかがでしょうか?
invyでは多種多様な企業様・プロジェクトに、「デジタル紹介キャンペーンサービス」を提供・ご提案しています。LINEで紹介促進・データ計測ができるサービスinvy(インビー)でお客様のキャンペーン設計からご相談に乗らせていただくほか、スポットでのコンサルティングも承っておりますので、ご興味をいただけた方はまず無料相談からお気軽にご参加ください。無料相談(オンラインデモ)ではinvy機能ご説明のほか、集客に関するお気軽なお悩み相談も承っております。
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