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【2024年 最新!】アンバサダーマーケティングとは?実践ポイントと事例をわかりやすく解説!

アンバサダーマーケティングとは?

アンバサダーマーケティングとは、商品やサービス等のブランドの熱心なファンをアンバサダーとして認定し、顧客の積極的な口コミ投稿を促すマーケティング施策の1つです。

ソーシャルメディアを中心としたインターネット技術の発展により、生活者が触れる情報は膨れ上がっています。その中で、かつては集客の源とされていた広告を避ける人々が増え、その影響力は年々減少している傾向にあります。

そこで、注目を浴び始めたものが"口コミ"や"紹介"を活用したマーケティング施策なのです。

この記事ではアンバサダーマーケティングの実践方法や、そのメリットを具体事例を交えてご紹介します。

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1.アンバサダーマーケティングの意味・概要

1-1.「アンバサダーマーケティング」の定義

アンバサダー(英語:Ambassador)とはそもそも、「大使」や「代表」「代理人」という意味です。ビジネスシーンでは、企業やブランドを積極的に応援し口コミを投稿してくれるファンのことを指します。ソーシャルメディアの発展を背景に、 生活者は自身が強い興味・関心を持つ企業や商品・ブランドなどの情報を、自発的に発信しやすい環境にあります。

ここでいう「アンバサダー」とは、最近よくみられるような著名人を起用した「著名人アンバサダー」ではなく、自身もブランドのファンである実際の顧客だ、ということです。必ずしも著名人である必要はありません。
ここで注目すべきなのは、著名人であることや、影響力があることではなくどれだけブランドに対する熱量があるかどうか?なのです。

そのため、アンバサダーマーケティングではアンバサダーとなりうる顧客の特定が重要になります。特定のロイヤル顧客をアンバサダーとして認定し、自社商品のフィードバックや情報発信を促すPR施策につなげる必要があるのです。

 

1-2.アンバサダーマーケティングとインフルエンサーマーケティングの違い

アンバサダーマーケティングを始めようと考えたとき、マーケティング担当者がきちんと押さえておくべき点は"インフルエンサー"との違いです。どちらもPR施策にはなりますが、決定的な違いがあります。

アンバサダーとインフルエンサーの最も大きな違いは、自社商品・サービスに対する立場です。
インフルエンサーは、自社商品やサービスのファンでない場合がほとんどです。インフルエンサーは多くのSNS
フォロワーを抱えた宣伝力が強い著名人が起用され、収入目的で活動するというケースがよく見られます。

これに対してアンバサダーは、自社商品やサービスの熱狂的なファンになります。ブランドの顔となりうる存在なのです。自身もサービスを利用しているケースが多いため、企業よりもさらに顧客目線で商品の良さを
他社に共有することができる点が特徴です。
これは、口コミや紹介マーケティングに通じる部分ですが、情報の受け手となる人々が、よりその商品やサービスを自分事として捉えやすくなることで、購入や問い合わせに繋がりやすくなります。

 

1-3.アンバサダーマーケティングが企業にとって重要な理由

新規顧客獲得と既存顧客維持を比較すると新規顧客獲得の方が5倍のコストがかかる_invyアンバサダーマーケティングが重要視されるようになった一番の背景は、マーケティングの重点が「顧客との関係性づくり」へと移行していることです。現代の市場では広告施策を中心とした「新規獲得」では立ち行かなくなる企業が増加しています

より多くの新規顧客を獲得し、売上が伸びていれば良しとされていた時代では、既存顧客へのフォローアップは何もせず、TVCMを大量に投下し、新規顧客獲得に専念する」という構造が当たり前になっていました。

しかし、類似サービスが数多く生まれてきたことや、1つのニーズに対するサービス提供の形が多様化したことで、市場には「モノ、サービス」が余る状況になりました。
これにより、新規獲得だけではなく、既存顧客に継続的に自社を選んでもらうことがマーケティング上の重要課題になったのです

そのため、LTV( Life Time Value: 顧客生涯価値) の向上が、新規獲得数と同じくらい企業にとって重要な指標になってきたのです。また、広告に対する反応も鈍くなってきていることから、口コミを投稿してもらえるような顧客との関係構築もより重要になってきています。

その結果として、ロイヤルな顧客に対して企業がお礼をするという新しい構造が生まれました。情報過多となっている状況においても既存顧客から選んでもらえる商品・サービスになるために、企業だけで物事を決めるのではなく、 実際の利用者の声を聞き、一緒に事業の方向性を決めていくという方向性になっていったのです。自社のCRM(顧客関係管理)基盤を整え、メールやアプリ、SNSへの投稿を通じてユーザーと双方向のコミュニケーションを取っていくことの重要性が増しています。
そのコミュニケーションをとるための具体的な施策の一つが、アンバサダーマーケティングです。

コミュニケーションをとるための施策としてリファラルマーケティングも有効な施策です。
本記事と合わせて、「リファラルマーケティングとは」の記事もぜひご覧ください↓

リファラルマーケティングとは?詳しく知る>>

2.アンバサダーマーケティングのメリット

2-1.熱意あるロイヤル顧客の声を事業に活かせる

顧客の声を商品・サービスに反映させたい場合、アンケート形式で多数のユーザーの調査を行うことが一般的です。
これに対し、ファンであるアンバサダーに対して行うのは目の前の一人の顧客(N=1)」を徹底的に深掘りするインタビュー形式の定性調査です。多数の意見の傾向ではなく、熱意のある1ユーザーの活発な意見を深掘りすることができるため、よりターゲット顧客の目線に立ったマーケティングが可能になります。
具体的には、アンバサダーにインタビューやモニターの依頼をしてフィードバックをもらったり、時には企業の一員となって活動してもらったりといった活用例が挙げられます。

また、アンバサダーが投稿した内容に対するその他のユーザーコメントも良い情報収集源です。
コメント欄は、様々な視点からのユーザーの本音が集まりやすいため、自社内では気付くことができなかった新たな発見があるかもしれません。

関連記事:「とりあえずインフルエンサーマーケ」はNG!成功に近づく重要ポイント

 

2-2.アンバサダーが新規顧客を連れてきてくれる

「アンバサダー」となった顧客は、単に企業にお金を落とし、情報を提供してくれる存在ではありません。自社の情報を発信し、新しい顧客を連れてきてくれる存在でもあります。

アンバサダーは元々自社商品やサービスのファンであるため、ユーザー目線で魅力や特徴、使ってみた感想を積極的に、かつ熱量を持って発信してくれます。消費者が知りたい生の声として、アンバサダーの発信情報には説得力があり、受け手は信頼感を持って受け入れられます。

また、アンバサダーはインフルエンサーと異なり表立った活動をしているとは限りません。なので、身近な友人や知人に積極的にお勧めをしてくれる存在である可能性が高いです。

そのため、よりアンバサダーに近い属性の人や、自社商品やサービスと相性の良い消費者が購買を行ってくれる可能性が高まります。

結果として、よりロイヤリティを築きやすい新規顧客の獲得にもつながるのです。

2-3.アンバサダーはポジティブな集客の要になる

アンバサダーを採用する主な目的は、見込み顧客に対して質の高い情報を発信し、その結果、見込み顧客が自分事として自社商品やサービスの中身をを捉えるようになることです。
しかしながら、自社にとって理想的なアンバサダーは、Instagramを用いたPRやイベントへの出演、新商品・サービスのフィードバック、商品の共同企画等、多岐に渡るマーケティング戦略に携わることができる存在です。

一見、アンバサダーとは自社の商品やサービスをSNSで拡散してくれる存在と認識されがちですが、それだけではかなりもったいないのです。
アンバサダーはもともと、自社商品やサービスに対しての熱量がありロイヤリティの高い顧客です。そのユーザーから発信される情報は、PRの目的だけではなく、商品やサービスの改善・差別化ポイントの把握など、さらに多くのユーザーに自社のブランドを好きになってもらうために必要な情報の源になりえます

アンバサダーからのフィードバックや企画に対するアイデアが自社商品やサービスに反映されることで、さらに多くのファンを集めるきっかけになります。

そのため、自社のアンバサダーをきちんと特定し、能動的なコミュニケーションを取っていくことが重要なのです。

 

3.アンバサダーマーケティングのデメリット

3-1.アンバサダーを見つけることが難しい

アンバサダーマーケティングのメリットを伝える中で、アンバサダーを特定することの重要性もお伝えしました。

しかしながら、質の高いアンバサダーを見つけることは難しく、企業によっては立ち上げに時間がかかる場合もあるというデメリットがあります。
なぜなら、自社がかかえる顧客の様々な行動をきちんと把握し、分析する必要があるからです。
すでにアンバサダーマーケティングを実施していても、自社への貢献度が高いアンバサダーを判定し、施策に落とし込んでいくことはコストや労力を必要とします。

アンバサダーマーケティングを取り組むにあたっては、アンバサダーとなりうる顧客を特定するための環境、CRMの活用が重要になってきます。

さらに、どのような顧客をアンバサダーとするかの定義が必要なのです。

 

3-2.施策を運用しないと効果を実感できずに終わる

アンバサダーは、一度見つけられればそれで終わりという存在ではありません。
アンバサダーマーケティングを成功を収めている企業ほど、アンバサダーの選定に時間をかけ、アンバサダーと積極的なコミュニケーションを取っています。そのうえで、アンバサダーとともに様々な企画を立てたり、イベントを開催したりと精力的に施策を運用しています

質の高いアンバサダーに出会えたはいいものの、アンバサダーが自発的に行う情報発信だけに頼っていては、アンバサダーマーケティング本来の効果を実感できずに終わってしまうかもしれません。
また、アンバサダーが自発的に発信している内容がステルスマーケティングとユーザーに捉えられる可能性もあります。
そうなると企業の信用力は一気に落ちるため、発信人物や内容、企画など深くまで考える必要性がでてきます。
そのため、アンバサダーを特定するだけではなくコミュニケーションをとること、実際に施策を運用することが重要になってくるのです。

4.自社のアンバサダーはどこにいる?アンバサダーとの出会い方や選び方

4-1.アンバサダーを公募する

特に大手の企業様に多いのが「アンバサダー特設ページ」を用意し、アンバサダー募集のキャンペーンを行うケースです。アンバサダー募集のコミュニティページやメルマガがあり、それをきっかけにアンバサダー向けの呼びかけを掲載していく方法です。

このやり方は熱量の高い顧客が多く集まるという利点があり、本格的に取り組めば実りは大きいでしょう。
一方、担当をつけて準備や運用をしっかり継続して行なわなければ、思ったほどのマーケティング効果は出づらいかもしれません

また、公募というハードルがあるためしっかりキャンペーンプロモーションをしなくては母数が集まりづらいです。このため、公募形式は特に大規模企業様で用いられる傾向にあります。

アンバサダー公募のメリット:

  • アンバサダーになる意欲がある、熱量の高い顧客を集められる

  • より密なコミュニケーションが可能になる

アンバサダー公募の注意点:

  • コミュニティがクローズドになりがちで、企業規模によっては母数が集まりづらい

  • 質の高いコミュニケーションを継続しなければ、思ったほど成果に直結しない

  • コストがかかる

 

4-2.ファンミーティングやイベントを実施する

アンバサダー公募制度よりさらにライトにする方法として、ファンミーティングなどのイベントの実施があります。イベントに来てくださる顧客はある程度ロイヤル度が高いと考えられるので、イベント来場者に声をかけてアンバサダーとして動いてもらえるかどうか直接的に働きかけてみることができます。

公募制度より手軽かつ母数が集められることが大きなメリットですが、一方でよくある勘違いはロイヤル顧客=アンバサダー顧客とは限らない、ということです。
単に長く商品を使っていたり、愛着度が高いからといって、その顧客が積極的に発信し、改善点についてフィードバックしてくれるとは限りません。
もしアンバサダー起点の質の高い発信を重視しているならば、イベントでは成果が出にくい可能性もあります。

イベントのメリット:

  • 広く顧客を集めることができ、顧客の全体像を把握できる

  • 開催も参加も、公募制度より手軽である

イベントの注意点:

  • コミュニケーションの質が落ちる

  • コンスタントに企画・運用しなければ継続性が出づらい

  • ロイヤル顧客=アンバサダー向きの顧客とは限らない

 

4-3.紹介マーケティング施策を実施する

紹介におけるアンバサダーとは、紹介した人数及び紹介経由CV数を考慮してアンバサダーを選定する手法です。ブランド価値に共感し、自分の声でブランドやサービス体験を発信することで、その口コミが拡散していきます。_invy熱量の高いユーザーを獲得でき、かつ最も手軽である方法としては、紹介キャンペーンとの併用が挙げられます。一定回数以上紹介を起こしてくれた=新しい顧客を呼んできてくれたお客様に「アンバサダー」として声をかけたり、モニター等になっていただく方法です。

紹介(リファラル)マーケティング施策と同時に実施できるので公募制度より簡単に実施できますし、実際に商品を周囲に紹介している顧客ですので、発信力も高いことが推測されます

一方で、紹介キャンペーンとアンバサダー制度がうまく共存するためには、お得訴求にならないようなインセンティブ設計に加え、誰が何人紹介できるかを把握するための計測制度も自社で準備が必要です。また、「単にお得になるため」だけに多人数を紹介している顧客にオファーを出しても、アンバサダーの質が落ちるだけでなく、オファーを断られる可能性もあります

そのため紹介キャンペーンとの併用を行う際は、商品へのそもそもの愛着度が高めであることも確認することが必要です。

紹介(リファラル)併用のメリット:

  • 熱量があり、かつ発信力のある顧客にアプローチできる

  • 紹介キャンペーンと併せて実勢出来るので一石二鳥

紹介(リファラル)併用の注意点:

  • お得訴求にならないよう、インセンティブの設計に工夫が必要

  • 定期的な成果計測が必要

  • ファン度の高くない商品だと、協力を断られる可能性もある

 

5.アンバサダーマーケティングを成功させるポイントと注意点

アンバサダーマーケティングの実施にあたっては、アンバサダーの選定方法がとても重要です。
一般的には、候補となるユーザーのフォロワー数・エンゲージメント率・コメントの質などが目に見えて分かりやすい指標として扱われています。寄せられたコメントに対して返信をしているユーザーにはすでにコアなファンが付いていることがありますので、有力なアンバサダー候補となるでしょう。

一方、良く陥りがちなのが上記のような指標評価が先行してしまい、本質的な評価軸を見失ってしまうことです。
繰り返しになりますがアンバサダーは、自社商品やサービスに対してい質の高い情報発信を行っているユーザーであることが重要です。

仮に、数十万人のフォロワーを保有し、平均100の「いいね!」が付くユーザー(反応率が0.1%)と、1万人のフォロワーを保有し、平均1,000のいいね!が付くユーザー(反応率は10%)がいた時、質の高さで見ると後者のユーザーの方がアンバサダーに相応しいといえます。
では、後者のユーザーが自社商品やサービスに対して大した愛着を持っていない場合はどうでしょうか?該当ユーザーとの継続的な関係構築ができない可能性が高いだけでなく、ブランドに対しての理解も浅いため、最悪の場合自社商品やサービスの価値を損ねることに繋がりかねません。
このような結果は、アンバサダーマーケティングの本来の目的からそれてしまいます。

そのため、アンバサダーを選定するための基準・本質的な指標の設定がとても重要です。指標の設定に向けては、LTVや紹介を行った回数、ならびにCV数など見るべき指標が複数存在するため、事前に選定基準を明確に設定しましょう。

 

6.アンバサダーマーケティングの成功例

6-1.ネスレ日本「ネスカフェアンバサダー」

ネスカフェアンバサダーのアンバサダーになるまでの流れ

引用元:ネスカフェアンバサダー公式サイト

アンバサダーといえば、テレビCMでもお馴染みのネスカフェ。マシン利用料0円で職場にコーヒースペースを設けることができるサービスを展開しています。ネスカフェで採用されているアンバサダー制度はいわゆる一般的な「アンバサダーマーケティング」とは少し異なり、職場にネスカフェを導入した顧客全員を「アンバサダー」と呼称しています。

ネスカフェのアンバサダー制度の面白い点は、企業が場を設けなくても、アンバサダーが自然と集まり、アンバサダーコミュニティが自然と発生していることです。
その点に関して、津田氏は下記のように仰っています。

テレビでのプロモーションも行っていますが、最も多いのは口コミを経由してのものです。認知は高まっていて、なんとなくは知っていたが、周囲の人に聞いてぜひやってみたいと思った、という声が多いです。評判が、応募を呼んでいるということです。

それだけに、サービスの中身がますます大事になっていると考えています。
アンバサダー同士の自発的なつながりも、たくさんあるようです。フェイスブックやLINEのグループもあったりします。

ネスレ日本Eコマース本部ダイレクト&デジタル推進事業部部長 津田匡保氏

企業の「アンバサダー募集」の働きかけをきっかけに、アンバサダー同士で自発的に繋がり合い、ネスカフェの輪が広がっています。ネスカフェではこのような自発的なコミュニティ拡大を狙い、ネスカフェアンバサダーご紹介キャンペーンも実施しています

 

6-2.カルビー「それいけ!じゃがり校」

じゃがりこの会員制のファンサイト「じゃがり校」

引用元:AdverTimes

カルビーの「じゃがりこ」は、会員制ファンサイト「それいけ!じゃがり校」を2007年〜2021年3月31日(水)に運営。コンセプトは「学校」で、新規会員は毎年12月から2月頃に募集され、「入試」に合格したユーザーだけが毎年4月〜「入学」できるクローズドなコミュニティでした。

「じゃがり校」の活動で最もリターンが大きいのは商品企画開発への参加です。例えばテスト販売中の商品を生徒に試食してもらい意見を反映した商品販売サイクルは、近年の「じゃがりこ」ほぼすべての商品に適用されているとのこと。さらに毎年「じゃがり校」生徒と1年間かけて1つの商品をつくりあげる「新商品開発プロジェクト」はコミュニティの最大行事となっています。

それに関して、カルビーマーケティング本社課長 松井氏は下記のように語っています。

(試食アンケートについて)みなさん、自分でお金を出して買っていらっしゃることもあり、本当に正直に答えていただけます

大変興味深いのが、売上との関係です。「じゃがりこ」は、ほぼ毎月新しい味を発売しているのですが、「じゃがり校」でファンとの共同で開発した商品が、新フレーバーの中で年間トップの売上を記録することも多いのです。

カルビーマーケティング本部素材スナック部じゃがりこ課 課長(ブランドマネジャー)松井淳氏

なんと、テスト商品の購入費用は自腹!だからこそ調査会社経由のマイルドな意見ではなく、じゃがりこが好きなユーザーの生の声を集めることで、本当にユーザー視点に立った商品を開発できていたのです。

現在「じゃがり校」は閉校。その理由はSNSを使ったオープンなコミュニケーションがマーケティングの主流になっていること」「ユーザー発信のコンテンツ(UGC)の方が共感を呼びやすい」ことだそうです。
現在じゃがりこは、公式WEBサイトと公式Twitterでユーザーに情報発信しつつ、これまでの企業主体のコミュニティづくりから、ユーザー主体発信の方向性へ転換を始めています。「じゃがり校」での熱量が今後どのように形を変えるのか、動向が注目されます。

 

6-3.DELL「デル アンバサダー」制度

DELLアンバサダーになるための流れ

引用元:DELLアンバサダー公式サイト

コンピュータ関連製品販売のDELL(デル)は2016年より、DELLアンバサダー登録申し込みをしたユーザーに対して特別オファーや座談会などの各種案内を提供しています。
DELLのアンバサダー制度で特徴的なのは、積極的に製品無料モニター体験やイベント招待の機会を設けているところです。製品への感想は、社員との少人数座談会や記事などの形で発信され、リアルな声としてフィードバックや見込み顧客へのアピールに繋がっています。

実は、アンバサダープログラムを始めてからは、お金を払う記事はやめたんです。今は、アンバサダーに書いてもらう記事と報道メディアによる記事だけに絞っていますアンバサダーの方々が書く記事は、お金を払って書いてもらう記事と違って、どれだけその製品やデルが好きなのかといった個人の気持ちが入っています

彼らの言葉には嘘がなく、熱意であふれていますので、それが説得力を生み出しているんだと思います。

デル コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部コンシューマー マーケティング部 部長 横塚知子氏

CPUメモリなどの部品や機能、デザイン等での大幅な差別化が難しいコンピュータだからこそ、座談会などを通してDELL製品だけでなくDELL社員や企業風土、哲学にも親近感を持ってもらい、自然発生的なアンバサダーの輪の拡大を狙っているところがポイントです。
DELLもネスレ日本と同じくアンバサダー紹介制度も実施しており、アンバサダーが次のアンバサダーを生む仕組みを用意しています。

 

6-4.匿名化粧品会社「紹介アンバサダー制度」

上記3社中2社は、アンバサダーを集めるために「紹介制度」「紹介キャンペーン」を活用していました。一方で、紹介キャンペーンをトリガーにしてアンバサダープログラムを実施している例も見受けられます。

例えばある化粧品定期購入サービスでは、紹介キャンペーンを下記の通り実施しています。

招待したお友達が製品を定期購入すると

  • 招待した顧客に 同社無料サンプルセット

  • 招待されたお友達に 同社無料サンプルセット+定期購入1500円引

招待したお友達3人以上が製品を定期購入すると

  • 記念の盾を進呈

  • アンバサダー認定し、モニターや座談会への案内を送付

つまり「紹介キャンペーン」を通して、商品を積極的に発信し効果の高い口コミをしているユーザーを特定し、製品への意見を聞くという方法です。

ユーザーが自発的にアンバサダーとして応募するのではなく、「発信する」という行動の結果としてアンバサダーに認定される仕組みになっているので、より発信力のあるユーザーを把握しアタックできるという点がポイントです。
また、紹介キャンペーンと同時に実施することができるので、まず自社にどれくらいのアンバサダーがいるのかクイックに把握したい企業には特にお勧めの方法です。

ちなみにこちらの企業様は年間WEB広告予算数億円と広告マーケティングにかなり力を入れていらっしゃいますが、アンケートの結果、商品の購入動機の約半分は「友人・知人からの紹介」だったという事実が判明しました。まずは自社でどれくらい紹介が起こっているのかを把握した上で、紹介を起点としたアンバサダーマーケティングを実施してみるのも良いかもしれません。

 

6-5.ワークマン

ワークマンといえば土方系の作業員がメインでしたが、今は一般の女性客も売上に貢献しています。顧客層が拡大している背景には、株式会社ワークマンの専務取締役である土屋哲雄氏が「戦略目標は客層拡大の一つでしかない」と言っているほど、この一点を大切にしている点があります。商品を「丈夫」の観点で見ると土方がメインになりますが、「機能性があり、安い」と捉えるとユニクロ購入層もターゲットに入ります。
このようにアンバサダーマーケティングに関しても、客層拡大の戦略目標を達成するための一つにしか過ぎないと語っており、質の高いアンバサダーを集める仕組みを構築しています。

ワークマンのアンバサダーマーケティングが成功しているポイントは下記の要素が考えられます。

①精度が高いアンバサダーの選定

ワークマンでは、誰でもアンバサダーになれるわけではありません。しっかりと自社の商品を発信してくれる人かどうか、それに加えて、それぞれが何かの分野に選定には時間をかけています。
自社で評価基準を設けて、ファン度の熱量をしっかりと見ています。また、長期的に良好な付き合いをするために、何でワークマンの製品が好きなのか、どんな風に使っているのかなど、あらゆる質問をしながら受け応えを見ながら人となりをチェックしています。どんな人か探ったうえで、「この人なら安心だ」と思える人にだけアンバサダーの正式任命を行っているのです。

②考え抜かれたアンバサダーへの報酬の提供方法

結論から申し上げると、ワークマンのアンバサダーへの報酬は無償です。
現代のアンバサダーがどのように情報発信を行っているのか、どんな仕組みを作ることが双方にとってWin-Winとなるかがすごく考え抜かれた仕組みづくりだと思います。

関連記事:ワークマンのアンバサダーマーケティング

この他にも、様々な業界の事例を紹介しています!気になる方は、ぜひ下記から資料をダウンロードしてください。

⇒無料ダウンロード:業界別お友達紹介キャンペーン成功事例集

7.まとめ:アンバサダーマーケティングの目的は「顧客との関係づくり」

SNSが普及した現代において、会社やブランド、商品やサービスに対するファンを増やし、ファンを起点にマーケティングを組み立てる企業が多くなっています。既存のお客様を大切にするだけでなく、ファンである顧客とのコミュニケーションをとり事業の発展に繋げるための仕組みがアンバサダーマーケティングです。

良質なアンバサダーと出会うためには、自社の顧客と向き合い、顧客がどのような行動をとっているか?などを理解するとともに、様々な既存顧客向けの施策を実施しながら、コミュニケーションを継続的にとることが重要です。

効率よく、質高く事業を拡大していくためにも、顧客起点のマーケティングやアンバサダーマーケティングの実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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本記事でご紹介したように、アンバサダーとなり得る優良な顧客の特定も可能な仕組みや、リファラルマーケティング×アンバサダーマーケティングのキャンペーン設計ご支援も行っております。

本記事で、アンバサダーマーケティングやリファラルマーケティングに関心を持っていただけた企業様は、ぜひお気軽にまずは無料相談からお問い合わせください。

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おまけ:自身がアンバサダーになるには?

ブランドや企業のアンバサダーになるには企業発のセミナーやアンバサダー募集ページ、説明会などに応募するか、または事務所に登録して情報を待つという方法があります。 しかしワークマンのように公式で募集せず、スカウト形式を取っているところもあるので、企業によって、アンバサダーになる方法は多種多様と言えます。

そのため常に企業の動向を追うのが最善と言えるでしょう。

 

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トピック: マーケティングノウハウ, アンバサダーマーケティング

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