2024.11.13
顧客体験(CX)を分かりやすく解説!顧客体験が注目される理由や向上させるポイントを紹介
デジタル化が加速する現代のビジネス環境において、顧客体験(Customer Experience:CX)の重要性が急速に高まっています。
従来の商品やサービスの品質だけでなく、顧客との接点すべてにおいて、いかに満足度の高い体験を提供できるかが、企業の競争力を左右する重要な要素となっています。
本記事では、顧客体験の基本的な概念から、その重要性、そして実践的な向上施策や具体的な事例まで、詳しく解説していきます。
1.顧客体験(CX)の基礎知識
まずは、顧客体験について知りましょう。
1.1 顧客体験とは?
顧客体験(CX)とは、顧客が商品やサービスの購入、使用、サポートに至るまでの一連の接触点で得る体験全体を指します。
製品やサービスの品質だけではなく、その使用過程で感じる感情や印象、または企業とのやりとりの中で受ける対応の質など、あらゆる側面がCXを構成します。
顧客体験の形成において、これらの体験が顧客の主観的な感情や印象として記憶に残り、その後の購買行動や企業に対するロイヤリティに大きな影響を与えるという点を意識することが非常に大切です。
1.2 顧客体験価値とは?
顧客体験価値は、顧客が顧客体験を通じて得られる満足感や価値そのものを指します。これは大きく分けて、「機能的価値」と「心理的価値」の2つの側面から構成されています。
①「機能的価値」…製品やサービスの性能や価格といった実質的な価値で、顧客にとって合理的なメリットを提供します。
②「心理的価値」…顧客が感じる喜びや安心感、ブランドへの信頼感など、感情的な面での満足度を指します。
たとえば、高級ブランドの時計を購入する場合、単に時間を知るためだけでなく、身に着けることで得られる特別な喜びやステータスの実感が心理的価値として働きます。こうした心理的価値が高いほど、顧客は企業やブランドに対して深い忠誠心を抱きやすくなります。
企業は、顧客の機能的価値と心理的価値の両方を高めるために、商品の品質だけでなく、顧客の期待を超えるような体験をデザインすることが重要です。
2.顧客体験が注目される理由
では、なぜ顧客体験が注目されているのでしょうか? それには2つの環境変化が背景にあります。
2.1 顧客接点の多様化
デジタル技術とSNSの急速な発展により、企業と顧客との接点は劇的に増加し、その関係性はより複雑化しています。
かつて、企業と顧客との接点は店舗や電話での対応が主流でしたが、現在ではWebサイト、SNS、メール、チャットボット、アプリなど、多様なチャネルを通じて顧客とコミュニケーションを図ることが可能となりました。
この変化により、顧客は様々な場面で企業との接点を持ち、それぞれの体験を通じて企業への印象を形成していきます。そのため、企業は各チャネルでの顧客体験の質を高め、一貫性のあるブランドメッセージを届けることが重要となっています。また、SNSの発達により、顧客の声は瞬時に広く拡散される可能性があり、良い体験も悪い体験も、企業の評価に直接的な影響を与えるようになっています。
2.2 顧客ロイヤリティの向上につながる
優れた顧客体験の提供は、顧客ロイヤリティの向上に直接的につながります。
顧客体験が充実していると、顧客ロイヤリティが向上し、結果として顧客は企業に対して長期的な信頼と支持を寄せるようになります。このロイヤリティの高さは、顧客がリピート購入する動機となり、さらには周囲に対してポジティブな口コミを発信するという形で企業にプラスの影響をもたらします。これは企業にとって非常に価値のある無料の宣伝効果となり、新規顧客の獲得コストの削減にもつながります。
特にソーシャルメディアが発達した現代では、満足した顧客による口コミは、従来の広告よりも信頼性が高く、効果的なマーケティング手段となっています。
企業は、顧客ロイヤリティを確保するためには、顧客が本当に求めているものを提供し、期待を超える体験を提供することが必要です。
顧客ロイヤリティについて知りたい方は下記ページもご覧ください↓↓
顧客ロイヤルティが事業に効く理由は?併せて実施すべき施策も紹介>>
3.顧客体験を向上させるポイント
顧客体験を向上させるためには、顧客にとってスムーズでストレスのない体験を提供し、顧客満足度を高めることが重要です。ここでは、顧客体験を向上させるために企業が取り組むべきことを明確にしていきましょう。
3.1 顧客体験を整理し、課題を洗い出す
顧客体験の向上には、現状の顧客体験を詳細に分析し、改善が必要な点を特定することが重要です。
そのためにまず、顧客が現在どのチャネルで接点が生じているのかを洗い出し、それぞれの場面でどのような体験得ているのかを把握ことが大切です。これには、カスタマージャーニーマップの作成が効果的です。顧客が商品やサービスを認知してから購入後までの一連のプロセスを可視化し、各接点でのユーザーの行動、感情、ニーズを整理しましょう。
そうすることで、顧客がストレスを感じる箇所やサービスの間隔が空いている部分など、改善が必要な点が明確になり、優先的に改善することができます。
その際企業側は、顧客視点に立って障害を取り除くことを意識しましょう。
3.2 ツールを使用する
顧客体験の向上を効果的に進めるために、顧客の購買行動に合ったツールの導入も重要なポイントです。顧客体験のさまざまな場面で顧客に合わせた価値提供を可能にし、企業が顧客との長期的な信頼関係を築くための重要な土台となります。
ここでは、顧客体験の向上をサポート知ってくれるツールを解説します。
・CRM (顧客管理システム)
CRMは、顧客データを一元管理し、顧客とのやり取りを記録・分析することで、個々の顧客に最適なサービスを提供するための強力な支援ツールです。たとえば、購入履歴や問い合わせ内容、顧客の好みをもとに、個別対応が可能になり、顧客が「自分に合ったサービスを受けている」と感じられる体験が実現します。
こうしたきめ細かな対応が、顧客満足度の向上とリピーター獲得につながります。
・MAツール (マーケティングオートメーション)
MAツールは、顧客の行動データをもとに、最適なタイミングで適切なコンテンツを自動配信するためのツールです。顧客が特定のページを頻繁に訪問する場合、その内容に関連したメッセージや特別オファーを送ることで、顧客の興味に応じた柔軟なコミュニケーションが実現します。
このようなタイミングの良いアプローチが顧客満足度を高めるだけでなく、購入意欲の喚起にも役立ちます。
・コミュニティ運営ツール
顧客同士の交流を促進し、ブランドとの絆を深める場を提供するために、オンラインコミュニティ運営ツールも効果的です。
顧客が製品についての意見や経験を共有することで、商品やサービスへの理解が深まり、ブランドへの愛着が高まります。また、活発なコミュニティは、顧客が自らブランドの支持者となり、他の顧客や見込み顧客にもその価値を広める「口コミ効果」を促します。
・リファラルマーケティングクラウド
リファラルマーケティングクラウドは、既存顧客からの紹介を促進し、管理するためのツールです。
このツールは、顧客満足度の高い顧客にアンケートや紹介プログラムを通じて特典を提供することで、ロイヤリティをさらに高めるだけでなく、自然な形で新たな顧客を引き寄せる効果も期待できます。
また、紹介データを用いてロイヤリティ顧客やアンバサダーを発見し、それぞれの段階の顧客に合ったアプローチも可能となり、顧客のさらなるロイヤリティの向上へつなげることができます。
「リファラルマーケティング」について知りたい方は下記ページもご覧ください↓↓
リファラルマーケティングとは? 30の成功ポイントと13の成功事例【2024年最新】>>
4.顧客体験を向上させた成功事例を紹介
プリモ・ジャパン株式会社
プリモ・ジャパン株式会社様は、国内最大規模の店舗数を誇るセレクトオーダー形式のブライダルジュエリー専門ブランドです。アナログだった紹介キャンペーンのデジタル化の移行を目的にリファラルマーケティングクラウド「invy」を導入しました。
「invy」の導入により得られたメリットは2つあります。
①「紹介データ」の可視化
「invy」では、リファラルレポートにより、各店舗の紹介経由の来店顧客の数、実績がリアルタイムに見ることができます。
プリモ・ジャパン株式会社様は、リファラルレポートを活用し、成績が良い店舗のノウハウを他店舗との共有を通して、全体のサービス品質を向上させることができました。これは、各店舗のスタッフが顧客との信頼関係をより深く築けるようになり、結果的に顧客体験の向上につながっています。
さらに、紹介プログラムの導入で特典配信がスムーズになったことで、スタッフも顧客と密に関わる機会が増え、顧客一人ひとりのニーズにより細かく応えるサービスが提供されるようになりました。
※レポートはサンプルです
②紹介の増加
「invy」を使用して、キャンペーンの仕組みをデジタル化したことによって、より手軽に身近にお客様からご紹介頂く機会が増加し、現在では紹介を通して顧客間のつながりが自然に広がる仕組みが構築されました。
このように、プリモ・ジャパン株式会社様は、リファラルマーケティングクラウド「invy」を導入したことで、顧客と企業との結びつきを強化し、紹介による顧客体験の質を高めることに成功しました。
5.まとめ
ここまで具体的な事例を交えながら、「顧客体験」の重要性について解説しました。
顧客体験は、企業の持続的成長にとって欠かせない要素です。
顧客のニーズを的確に把握し、各接点でスムーズかつ価値ある体験を提供することで、顧客は企業に対して好意的な印象を持ち、再利用や口コミによる新規顧客獲得にも貢献します。顧客体験を戦略的に向上させることは、企業が競争市場で勝ち残るために不可欠であり、顧客に選ばれ続けるブランドを築くための最善の方法なのです。
弊社のリファラルマーケティングクラウドinvy(インビー)では、紹介キャンペーンの設計・企画、紹介ページの作成のご提案、そして運用から改善まで一気通貫で貴社の紹介キャンペーンの成功を全面的にサポートいたします。
リファラルプログラムの構築についてお困りでしたら、ぜひ気軽にお問い合わせください。
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