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リファラルマーケティング6つのプログラムタイプ:①インセンティブ式

最も基本的な「インセンティブ式」だからこそ関与者を明確にしましょう

インセンティブ式は、最も典型的なリファラルプログラムだといえます。
インセンティブ式とは、ひと言で言えば、紹介者とゲストの双方にインセンティブ(特典)を提供することで紹介を促す方法です。
紹介者/ゲスト/紹介主催者(事業者、ブランド)の「三方良し」を目指すモデルとなります。
ただし、紹介者が既存顧客でなかったり、紹介のターゲットが複数だったりといくつかの派生パターンがあります。シンプルに見えて奥が深いのです。

詳細なノウハウはキャンペーン設計の記事など別記事で紹介していますので、本記事では、派生的なパターンを含めた概要をかいつまんでご紹介していきます。

 

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「インセンティブ式」基本の構図

スクリーンショット 2022-09-13 4.19.35まずはインセンティブ式の基本的な構図を説明しましょう。

企業は紹介してくれる見込みのある人に紹介を依頼します。
紹介者はその依頼に応えることで何らかのメリットがあると判断すれば、友人(ゲスト)に商品(サービス)を紹介し、メリットを享受します。メリットは特典のこともありますが、そうとは限りません。友人の感謝や良い商品を紹介したという満足感といった心理的メリットが大きいことのほうがむしろ多いです。
紹介を受けたゲストは、興味があれば企業とアクセスし(ウェブサイトの閲覧、メールの受信など)、オファーを受け取ります。そのオファーを見て商品を気に入れば、購入・契約に進みます。購入・契約と同時に、オファーで示されたメリット(特典など)を享受します。
企業側は、他のマーケティング手段よりも低コストで新規顧客を獲得できると同時に、既存顧客との関係を深めることもできます。どちらも大きなメリットです。

以上のように紹介が成立することで、「三方良し」が実現できたことになります。

 

リファラルプログラムを活用したグロースハック王道事例

 グロースハックとは「部門横断的に全社が連携してさまざまな実験的アプローチを実施し、アプローチで取得したデータを分析し、高速なPDCA サイクルを回して急成長する取り組み」をいいます。

グロースハックをインセンティブ式のリファラルプログラムで実現した例として有名なのがUber です
Uber のリファラルプログラム(図48では、紹介者と友人の双方に20 ドル分を無料で乗車できるクレジットを提供しています。
この施策によるユーザー獲得コストは、1 ユーザー当たり40 ドルとなりますが、Uber における1 ユーザー・1 カ月当たりの平均利用金額は95 ドルです。つまり、ユーザー獲得コストを会員獲得後1 カ月以内で回収できる、極めて優秀な事例となっています。
このプログラムがもう1 つ優れている点は、サービス利用メリットを特典にしている点です。リファラルを通してUber というサービスが広まるほど、既存ユーザーにとっては20 ドルのクレジットの価値が高まります。このため、自分の友人や家族など関係する人すべてに招待メールを送ろうというモチベーションが発生しました。その結果Uber は急速に成長したのです。

同様のパターンで急成長した例として、バケーションレンタルのオンラインサービスを展開するAirbnb(エアビーアンドビー)が挙げられます。つまり、グロースハックの王道パターンはリファラルマーケティングが担っているということなのです。

関連記事:お友達紹介キャンペーンとは?|やるべき20のポイントと42の成功事例

 

「インセンティブ式」の派生パターン例

上記の構図が基本パターンですが、派生パターンによっては考慮すべきことも変わってきます。
以下、派生パターンを見ていきましょう。

紹介者と利用者が異なる場合のリファラルプログラム

紹介者と利用者が別のパターンもあります。
代表的なのは学習塾。利用者は子ども(生徒)ですが、実際の紹介者は保護者(から保護者)になります(図50)。

このような場合には、紹介特典と利用特典を分けるのがセオリーです

・利用者である子どもに→子ども向けの特典

・紹介者である保護者に→入会特典など、別途特典

まず塾で紹介告知を一番に受ける回数が多いのは、子どもです。その際、子ども向けの特典をフックに、リファラルプログラムを子どもから保護者へ周知してもらいます(例えば子どもが喜ぶお菓子の特典などはどうでしょう)。その際に「塾が楽しい」などの口コミも期待できます。

特典内容だけでなく、告知内容も子どもと保護者で別の内容を用意しましょう。
利用者である塾生に対しては、「お友達と一緒に授業を受けられるよ」といった紹介によって顧客体験が高まる内容や、「成績が上がって学校で自慢できるね」「難しい問題がスラスラ解けるようになったね」といった達成感に働きかける内容が良いでしょう。
特に、ゲスト(被紹介者)の子どもは塾生のクラスメイトであることが多いです。「XXちゃんと一緒に通いたい!」という子どもの声は、特典と同じくらい、またはそれ以上にゲストの行動の後押しとなります。
一方で保護者は、実際のサービス体験者ではありません。このため、難関校への合格実績など、誰でも納得性のある実績や講師の質などを表に出すほうが、知り合いに伝えやすいでしょう。

子どもと保護者とで特典を変えて成功した事例記事もありますので、ご参考いただけますと幸いです。

関連記事:invy導入インタビュー(学習塾様)

 

紹介者のパターンが複数ある場合のリファラルプログラム

複数の紹介者が考えられる場合もあります。
例えば振袖の紹介プログラムの場合、紹介者には以下のパターンが考えられます。

1)お嬢様(サービス利用者)の親が、お友達の親に紹介する
2)先輩が後輩に紹介する
3)既に振袖を購入した同級生がお友達に紹介する
4)まだ振袖を購入していない同級生がお友達を誘う
5)姉や親戚が身内に紹介する

このように同じ商品なのに、ゲストとは世代が違う保護者や、世代が同じ先輩や友人など、様々なターゲットが「紹介者」になる商材があります。
このような商材の場合、それぞれの紹介者の属性に合わせて特典や告知内容を考える必要があります。

 

主催者と告知者が異なる場合のリファラルプログラム

インセンティブ式で多いのは、リファラルプログラムの主催者が紹介者に告知をするパターンですが、主催者以外が告知をするパターンもあります

典型的なのは、加入企業に対して福利厚生を提供している企業の例。
加入企業の社員に対して、福利厚生サービスの利用件数を増やすために紹介キャンペーンを行う場合です。このようなキャンペーンの場合には、紹介依頼のステップを設ける必要があります。
まずは福利厚生提供企業が、加入企業の福利厚生担当者(総務部や人事部)へ紹介告知を依頼します。すると福利厚生担当者は、利用経験のある社員に対して別の社員に紹介してもらうように依頼します

このケースでは、紹介してくれた社員および利用してくれた社員に主催者(福利厚生提供企業)からインセンティブを直接渡す(郵送またはデジタル配布)ことがあります。直接渡すことで、加入企業に手間を掛けさせないという配慮になると同時に、利用者情報を得られるメリットともなります。合わせて加入企業側に協力を求めるパターンでは、実績に応じて加入企業へのインセンティブを考えることも必要かもしれません。
その他には、特典や告知は加入企業で手配する一方で、仕組みやページを福利厚生提供企業から提供するケースもあります。この場合、加入企業のなかから紹介プログラムに参加したい企業が手を挙げて、有志で参加する形となるため、強制力は低いでしょう。

このようにインセンティブの負担主体者や告知主体者などに様々なパターンがあるため、自社がどこから試すかを確認し、施策を検討してみてください。

関連記事:invy導入事例インタビュー SOMPOヘルスサポート株式会社様

 

まとめ:インセンティブ式プログラムは「主体」の定義が重要。

リファラルプログラムは、通常のキャンペーンより登場人物が多いものです。このためリファラルプログラムを企画する際は「誰が行動するのか?」を事前に定義づける必要があります。
特に紹介者は、動機がなくては周囲に紹介してくれません。この動機付けをいかに行うかが、リファラルプログラムの質の根本となるところです。
一見シンプルなプログラムだからこそ、顧客視点・現場視点に立ち、最適なフローを採用することがポイントとなります。

 

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