<iframe src="//www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-P2MDTJ" height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden">

リファラルマーケティング6つのプログラムタイプ:③ギフト式

ギフト=身近な人への手軽なオススメ行為。

ギフト式とは、自社の商材の体験や割引クーポンなどを簡単にギフト(主にデジタルギフト)として贈れるようにすることで、友人や家族に気軽におすすめしてもらうことを狙う方法です。ギフトを贈るという比較的日常的なコミュニケーションを活用したものです。

ある商材のギフトを贈るということは、「これだったら相手が喜んでくれそう」という商材を選ぶ行為を伴います。つまりギフトを贈るのは、ある意味で「紹介」に等しい行為だと考えます。
そして、ギフトによって自社商材を贈ってもらうことは、商材の認知拡大の上で非常に好ましい手法だと言えます。だからこそ「ギフトマーケティング」という文脈で自社の商材をギフト化する企業が後を絶たないのです。

 

※このブログ記事の内容についてより詳しく知りたい方は、『リファラルマーケティング大全』(フォレスト出版、2022年9月17日発売)をご覧ください。
>>書籍「リファラルマーケティング大全」詳細はこちら

スクリーンショット 2022-09-13 8.08.55

ギフトマーケティングが進んでいる背景

1. デジタルギフトの台頭

ギフト式のプログラムが普及してきた背景には、ギフトのデジタル化があります。

以前は贈り物といえば、贈る側がデパートに出掛けて自分で選び、熨斗(のし)を付けてもらい、持参したり郵送するものでした。
しかしここ数年のデジタル化ギフトは進化し、より気軽に贈れるようになりました。物品に限らず、体験もデジタルギフト化されています(例えば、スカイダイビング体験をデジタルでプレゼントする、など)。

デジタルクーポンはスマホアプリで送ったり、メールにQR コードを添付する形で送ったりすることも簡単にできます。使う側もスマホさえあれば簡単に利用できるので、双方に重宝がられています。
もちろんチケットを郵送することでも可能ですが、最近は友人同士でもお互いの住所を知らないということがよくあります。メールアドレスもあまり教えたくないというケースさえあります。例えばLINE やFacebook といったSNS ではつながっているが、お互いのメールアドレスを知らないということも珍しくなくなりました
お互いの住所やメールアドレスを知らないという場合は、LINE Facebook で贈ることが普通でしょうし、紙のチケットや物品の郵送が必要な場合には、受け取り側がアプリ経由で業者にアクセスして、受取先の住所を入力する手もあります。

 

2. ギフトを贈るシーンの多様化

ギフトのデジタル化やデジタルのメッセージツールの浸透によって、ギフトをいつでも気軽に贈ることができるようになりました。このため従来とは違う新しいギフトの形が生まれました

誕生日のお祝いメッセージやクリスマスカードも手軽に贈れるようになりました。わざわざプレゼントを贈ると、相手側がお返しを贈るのも大変なので、知り合い程度の間柄ではプレゼントを贈るのは遠慮されていたものですが、デジタルカードならお返しも楽なので重宝されています。

こうした身近な事例に、自社が提供する顧客体験の中からギフト化できるものを見つけるヒントがあるはずです。どんなシーンでどんな目的のためにギフトが贈られているかを研究してみてください。

 

ギフトを贈る際のターゲット特性とコミュニケーション

ギフト式の場合はギフトに紹介者の気持ちが反映される、つまりギフトによるコミュニケーションが成立するため、インセンティブ式アンバサダー式の場合よりも特にターゲット特性が重要になります。

女性を中心とした「世話好き型」(見返りを求めず、相手への思いやりで紹介を行うターゲット)を対象とするギフトは、「ほんのきもち」「お裾分け」といった手軽なものが好まれます。「大阪のおばちゃん」でいうところの「飴ちゃん」のイメージです。世話好き型は世話を焼くのは好きなのですが、何かをもらうことによる精神的負担が大きいので、あくまでお返しはなしの前提のギフトが贈られやすいでしょう。

一方、男性を中心とした「マッチョ型」(上下関係を重視し、見栄が重要になるターゲット)に対しては、「ちょっとだけ多めにお金を使いました」ぐらいの少し高額のギフトが適当です。お世話になった人や目上の人に感謝の気持ちを伝えるためにギフトを贈るからです。

贈与に対しては返礼をしないといけないという精神的負担があるのは、ターゲット特性にかかわらず同じ。違いは「どのぐらいの金額や価値から負担を感じるか」です。
「世話好き型」「マッチョ型」についてはこちらの記事でも取り上げています。

 

ギフト式の場合、ギフト代金を誰が負担するか?

ギフトの代金を誰が負担するかによって、大きく2 つのパターンがあります。

1つは、紹介者である顧客が負担するパターンです(①)。熱量が高いファン的顧客の「布教活動」を後押しする形になります。ハードルが高い分、熱量も高いので、アンバサダー式のように「1 リーチの重み」が大きくなります。

もう1 つは、紹介ブログラムをつくる企業側が負担するものです(②)。インターネット広告のCPA1 人当たり8,000 円~ 1 万円以上の場合、いっそインターネット広告への出稿をやめてリファラルプログラムのゲストに直接使ったほうが、より確度の高いキャンペーンができる、という考えに基づくものです。

 

①自社商品を顧客が購入してまで人に勧める動機とは?

自社商品を顧客がわざわざ購入してくれた上で人に勧めるというパターンは、どういうときに成立するのでしょうか。

一番わかりやすいのは、「布教ギフト」と呼ばれているもので、自分が好きで堪らないものを人にも教えたいという理由で購入するものです。

あわよくば好きになってもらえればいいなと思って、アイドルのCD を友達にあげる。渡す相手は、ちょっとでも興味を持ってくれそうな人を選ぶ。メルカリで売ってお金にするよりいい選択だと思っている」

※出典:日経クロストレンド https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00474/00003/

自分が買いたいがために、友人に勧めるという例もあります。
気になるものがあるが少し高額な商品である場合などに、友人に勧めたいという動機付けで購入を決断するという場合です。

気になっているウイスキーを見つけたとき、自分一人では購入に踏み切れないが、友人に薦めるために買うんだと自分の中で口実をつくれれば決断できる

※出典:同上

上記2 つの例は方向が逆ですが、自分が欲しくて堪らないものを人に勧めるという点では共通しています。

サブスクリプションのお試しをギフトとして贈る場合があります。自分が大好きなサブスクサービスを人にも伝えたいのですが、いきなり定期購入してもらうのはハードルが高いものです。
サブスクリプションの良さは実際に使ってみないとわかりませんが、一般的な無料トライアルは自動更新されるものが多く、解約を忘れそうだと二の足を踏む人も多いでしょう。こうした懸念から、無料トライアルでさえも勧めるのはためらわれがちです。そこで紹介者側がトライアル料金を負担し、なおかつ自動継続もされないようにすれば、勧めることへのハードルがグッと下がるわけです

 

②企業側でギフト代金を負担するメリットとは?

企業側がギフト代金を負担し、ギフトを送り先のお友達が手軽に自社商品を試せるようにする、というアイデアも有効でしょう。

例えば、自社の食品を贈答品として贈られた新規利用者(まだ顧客にはなっていない見込み客)に対して、リファラルプログラムのQR コード付き告知カードを同封します。受け取った人が食べておいしいと思えば、告知カードに付いているQR コードをスマホで家族や友人に贈るでしょう。受け取った人も紹介された人も半額で購入できるということなら、両方が買うかもしれません。CPA が1 万円だとすれば、6,000 円ぐらいの負担は問題ないどころか、4,000 円の節約になるのですまた、紹介された人にも同様の告知をしていけば、紹介の連鎖が生まれるかもしれません。

 

ギフトの決済はいつ・誰が行うのか?

ギフト式のフローを考える上でもう1 つ重要なポイントは、ギフトの決済をいつ・誰が行うかです。
「誰が」についていえば、先に述べたとおり、①紹介者か、②企業かのいずれかになります。
紹介者が決済するパターンでは、ギフト送付前に決済するのが今のところ一般的ですが、紹介された人がギフトを選んでから紹介者が決済する、というパターンもあるでしょう。一方、企業が負担する場合には、ゲストへ紹介後、何らかのトリガーで企業側にゲストへのギフト発送依頼が届いたタイミングで、企業による代金負担が行われます。これは体験だったり、サンプル品を用いることでマーケティングコストとみるケースが一般的です。

 

コラム:紹介と寄付を連動させるリファラルプログラム

ギフト式のフローを使って、紹介と寄付を連動させる取り組みをしている企業もあります。
例えば商品を紹介するタイミングに合わせて、紹介が発生するごとに慈善団体への寄付も発生する、というフローを作るのです(寄付金は企業が負担します)。
自社がSDGs 関連の取り組みをしていて、その取り組みと関連がある慈善団体への寄付を集めるためのリファラルプログラムを企画すれば、企業イメージの向上や共感する人の顧客化につながります
紹介者とゲストには金銭や物質的なギフトは届きませんが、寄付による社会貢献の実感という「心のギフト」が届きます。慈善団体にはもちろん寄付が集まることになり、ここでも「三方良し」、さらにはキャンペーン企画側の企業においては企業イメージ向上を図れるという点で「四方良し」が実現することになります。

 

まとめ:自社商材のギフト化が、究極の顧客体験を生み出す。

自社の商品・サービスを他人に薦め、ギフトとして贈る、という体験は、顧客にとっても特別なものでしょう。特に自分でお金を払ってお友達を誘う場合は、言わば究極のオススメ行為です。
だからこそ、自社のギフトを贈る体験が無味乾燥なものにならないよう、自社商材がギフトになり得るシーンをよく検討してみては如何でしょうか
どのような会話で、誰に対して自社の商品を贈りたくなるか。これはリファラルマーケティングの戦略を考える上で根本になる部分ですので、自社のマーケティング担当者や顧客を交えて意見交換してみるのもよいかもしれません。

 

≪書籍『リファラルマーケティング大全』一部公開!≫

前の記事:リファラルマーケティング6つのプログラムタイプ:②アンバサダー式

次の記事:リファラルマーケティング6つのプログラムタイプ:④紹介営業


トピック: 紹介ノウハウ

もっとも読まれている記事

情報過多の時代は「何を言うか?」より「誰が言うか?」が重要です。紹介がされる時には「誰が」「どんな情報」を友人・家族に伝えているのでしょうか?  詳しくはこちら>>
インフルエンサーマーケティングは適切に行えば高い効果を発揮しますが、方法を誤ると一過性のもので終わってしまう危険性も。失敗を防ぐためには何に気を付ければいいのでしょうか?  詳しくはこちら>>
大事なポイントはリファラルコミュニケーションのデザイン。オンラインだけでなくオフラインも最適化することで紹介経由の顧客獲得が4倍に。  詳しくはこちら>>
コロナウイルスに伴う外出自粛によって、人の消費行動や生活様式は大きく変化しました。ウィズコロナの店舗集客のあり方がどのように変わるのか、考えるためのポイントを解説します。  詳しくはこちら>>