2025.10.28
APIとは?API連携の仕組みから具体例までわかりやすく解説|紹介キャンペーン運用にも活用
近年、企業の業務効率化やDX推進のキーワードとして頻出する「API」。
しかし、多くの方が言葉を知っている一方で、「APIとはそもそも何か?」「どんな仕組みで連携が行われるのか?」と、意外と理解があいまいなまま使うことが多い言葉でもあります。
実は、API連携を進めることで業務効率化だけではなく、マーケティング施策の拡大にも期待できます。
この記事では、APIの基本から種類、や導入メリット、そして運用が煩雑になりがちな「紹介キャンペーン」での活用方法までを分かりやすく解説します。
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1. APIとは?API連携の基本をわかりやすく解説
APIは、異なるシステム同士をつなぎ、データのやり取りをスムーズにする“橋渡し”の仕組みです。ここではAPIの基本的な考え方や、代表的なWebAPIについて解説します。
1.1 API連携とは?

APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略称で、異なるシステムやアプリケーションがデータや機能をやり取りするための仕組みです。
つまり、複数のシステムをした場合でも、API連携をすることで「データや機能の連携」を効率化することができます。企業においては、ECサイト・在庫システム・CRM・決済システムなどをつなぐことで、入力や転記といった手作業を省き、効率的かつ正確な業務運用を実現できます。
1.2 API連携の仕組み
API連携は「リクエスト(要求)」を送る側と「レスポンス(応答)」を返す側が決められた動作に従って行われします。
例えば、ECサイトで在庫確認を行う場合、フロントエンドから「商品Aの在庫を確認したい」というリクエストが送られると、在庫管理システムはその要求を受け取り「商品Aは残り10点です」というレスポンスを返します。
つまり、【リクエストの送信→リクエストの処理→レスポンスの送信】で一連の流れが行われます。
このように、API連携ではデータがリアルタイムにやり取りされるため、次のようなメリットが得られます。
・顧客に正確な情報を提供できる
・手入力などの人的作業を削減できる
1.3 汎用性の高い「WebAPI」
WebAPIはインターネットを通じて提供されるAPIで、汎用性・拡張性に優れているのが特徴です。代表的な形式には REST や GraphQL があり、多くの開発環境で利用されています。
WebAPIを活用することで…
・外部サービスとの柔軟な連携が可能
・決済サービスの導入やSNSログインなど新機能を容易に追加できる
・外部データを取り込み、顧客体験を強化できる
結果として、業務効率化 と 競争力向上 の両立につながります。
2. API連携をするメリットとデメリット
API連携を導入することで得られる利点は数多くありますが、その一方で注意すべきリスクも存在します。効率化や顧客体験の向上といったポジティブな効果と、外部依存やセキュリティ面のリスクをバランスよく理解することが導入の鍵です。
| メリット |
①業務効率化 |
| デメリット |
①外部依存 |
2.1 API連携をするメリット
❶ 業務効率化
API連携により、従来は人手に頼っていたデータ入力や転記作業を自動化できます。
これにより、作業時間の短縮だけでなく人的ミスの防止にもつながります。さらに、定型業務の負担が減少することで、担当者はより付加価値の高い業務にリソースを割くことが可能になります。
❷ リアルタイムデータの取得
API連携を活用すれば、最新の情報を即座に共有できるため、業務のスピードと精度が大幅に向上します。
例えば、在庫情報や顧客情報をリアルタイムで反映させることで、顧客対応や意思決定における迅速さを実現できます。
❸ 顧客体験向上
顧客体験の改善も大きなメリットの一つです。
例えば、SNSやGoogleアカウントの連携で、新規アカウントの登録の手間を省いたり、紹介キャンペーンの場合は、特典を自動で即時付与できる仕組みを構築などが挙げられます。
このような“スピーディでストレスのない体験”は、顧客にとってポジティブな体験として受け取られます。API連携を活用することで、顧客の満足度を高めるだけでなく、ブランドへの信頼感も強化することが可能です。
2.2 API連携をするデメリット
❶ 外部依存
API連携は外部サービスに依存するため、提供元の仕様変更やサービス停止が発生すると、自社業務に大きな影響を及ぼすリスクがあります。安定した提供元を選ぶことに加え、リスクヘッジとして代替手段を用意しておくことが重要になります。
❷ 障害リスク
システム障害やレスポンス遅延が発生すると、業務プロセス全体に影響を及ぼします。そのため、運用時には監視体制を整え、障害発生時の対応フローを事前に準備しておきましょう。
3. API連携の活用例

API連携の価値を理解するためには、実際の利用シーンを具体的にイメージすることが効果的です。ここでは、代表的な4つの活用例を紹介します。
3.1 ECサイトと在庫管理システムの連携
ECサイトと在庫管理システムのAPI連携は、在庫情報をリアルタイムで反映させる仕組みです。ECサイトと在庫管理システムをAPIで連携させることで、在庫情報をリアルタイムに更新できます。
さらに、複数の販売チャネル(オンラインストア・実店舗)を持つ企業では、在庫データを一元管理することで、余剰在庫や欠品リスクを最小化できます。
このようなAPI連携は、オペレーションの効率化と顧客満足度の両立を可能にします。
3.2 CRMやMAツールとの連携で顧客データを一元化
CRMやMAツールとのAPI連携では、購買履歴・利用傾向・紹介データなどを自動で統合し、顧客ごとの行動を可視化できます。
これにより、紹介行動の多い顧客を特定し、優良顧客として特別なキャンペーンを配信することが可能になり、自社のマーケティングアプローチを拡大することができます。また、マーケティングオートメーションと組み合わせることで、特定条件に基づいたメール配信やキャンペーン実施も可能になります。
顧客データの一元化は、顧客ロイヤルティを高め、ライフタイムバリュー(LTV)の最大化の効果が期待できます。
3.3 SNSアカウントでのログイン認証
SNSアカウントを利用したログイン認証は、API連携の代表的な活用例のひとつです。LINE、X(旧Twitter)、Google、Facebookなどの外部サービスと連携することで、ユーザーは新規アカウントを作成する手間なく、ワンクリックでのログインが可能になります。
また、SNSログインを活用することで、会員登録率の向上やユーザー行動データの取得がしやすくなり、パーソナライズされたマーケティングにも活用可能です。
3.4 パートナー企業とのデータ共有
API連携は、自社システム内にとどまらず、パートナー企業とのデータ連携にも効果的です。
たとえば、紹介キャンペーンなどマーケティング施策を実施する場合は、成果確認のための手作業によるデータ受け渡しの手間を削減し、リアルタイムでの成果確認が実現できます。
さらに、APIではアクセス権限や暗号化通信を組み合わせることで、必要な情報だけを安全に共有できるため、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが可能です。
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4. API連携で実現する効率的な「紹介キャンペーン」の運用
紹介キャンペーンを継続的に運用する企業の多くが、「データが分散して管理されている」「特典付与に時間がかかる」「成果が可視化できない」といった課題を抱えています。
こうした課題に対して、API連携は非常に有効な解決策です。CRMやEC、店舗システム、分析ツールなど、複数のシステムをAPIで連携することで、以下の3点を同時に実現できます。
・データの一元管理
・特典付与の自動化
・成果のリアルタイム可視化
ここでは、紹介キャンペーンにおけるAPI連携の活用方法を解説します。
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4.1 紹介データをCRMと自動連携し、施策改善に活用
紹介キャンペーンでは、顧客がどのような経路で紹介を行い、どの層が最も反応しているのかを把握することが重要です。しかし、データが複数ツールに分散していると、分析や改善のスピードが遅くなってしまいます。
そこで、APIを活用して紹介データをCRMと自動連携すれば、紹介が発生した瞬間に顧客情報や成果データが即時反映されます。これにより、「誰が・いつ・どのチャネルで紹介したか」をリアルタイムで可視化でき、成果の高い施策や顧客層をすぐに特定できます。
その結果、より精度の高いターゲティングやフォロー施策を実施でき、紹介率・リピート率ともに向上が期待できます。
4.2 特典付与をEC・店舗システムと連携し自動化
紹介が成立してから特典が付与されるまでに時間がかかると、顧客の満足度や信頼感が低下してしまいます。
紹介が成立した際に、特典を自動的に付与する仕組みをAPIで構築すれば、運用工数を大幅に削減できます。顧客は待たされることなく特典を受け取れるため、満足度や信頼性が高まり、さらなる紹介を促進します。
この仕組みを導入することで、付与漏れ防止・顧客満足度向上・運用負荷の軽減を同時に実現できます。
4.3 APIで可視化した紹介成果をレポート・分析に反映
紹介経由の売上やコンバージョン数をAPI経由で分析ツールに連携すれば、成果を定量的に把握できます。
APIを使って紹介ツールとBIツールや分析基盤を連携すれば、紹介経由の売上・CV・LTVといったKPIをリアルタイムで可視化できます。そうすることで、経営層へのレポーティングも自動化でき、最新のデータを基にした意思決定が可能になります。
さらに、蓄積データを分析することで「紹介が増える時間帯」や「リピーター率の高い紹介者層」などの傾向を抽出し、施策改善にも役立てられます。
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5. API連携の実装手順
API連携を導入するには、いきなり開発に入るのではなく、以下の流れをしっかり踏むことが大切です。
STEP① 目的を明確にする
STEP② API仕様を確認する
STEP③ 認証を設定する
STEP④ 開発を行う
STEP⑤ テストを実施する
STEP⑥ 運用
STEP① 目的を明確にする
最初のステップは、「どのシステムと、どんな情報を、どのように連携したいのか」を明確にすることです。たとえば、
・紹介データをCRMに自動登録し、顧客ごとの紹介履歴を蓄積したい
・紹介成立時にECシステムと連携し、特典を即時に付与したい
・紹介経由の売上データをBIツールに自動連携して分析したい
など、業務上のゴールを明確にすることがAPI設計の出発点です。
ここで整理した目的は、次の「仕様確認」や「開発設計」に直結する重要な材料となります。
STEP② API仕様を確認する
次に、利用するサービスの「API仕様書(マニュアル)」を確認します。
API仕様書には、どのような情報を送受信できるのか、利用できるエンドポイント(接続URL)、データ形式(例:JSON、XML)、通信方法(GET/POSTなど)が記載されています。
どんな情報を送受信できるのか、使えるエンドポイントやデータ形式を把握しましょう。
STEP③ 認証を設定する
APIを安全に利用するには、アクセス権限を管理する「認証」の設定が必要です。
認証の設定は、単に“接続の許可”ではなく、データを守るセキュリティの第一歩です。特に顧客情報や紹介データを扱う場合は、セキュリティレベルの高い認証方式を採用することが推奨されます。
STEP④ 開発を行う
API仕様と認証設定が整ったら、いよいよ開発フェーズです。ここでは、システム間で情報をやり取りする「リクエスト(要求)」と「レスポンス(応答)」の処理を実装します。
最初から全機能を組み込もうとせず、まずは小規模な範囲でテスト実装するのがポイントです。一部のデータで通信確認を行い、問題がないことを確認してから全体へ拡張していくことで、トラブルを最小限に抑えられます。
STEP⑤ テストを実施する
開発が完了したら、実際の運用を想定したテストを行います。テストは「想定どおり動く場合」と「エラーが発生する場合」の両方を用意するのが重要です。
また、本番環境と同じ条件でテストを行うことで、運用時のリスクを事前に把握できます。このフェーズでしっかり確認しておくことで、安定した連携が長期的に維持できます。
STEP⑥ 運用
実装が完了しても、API連携は「つないで終わり」ではありません。安定した運用を続けるためには、定期的なチェックとメンテナンスが必要です。
6. まとめ:API連携で紹介マーケティングを加速させよう
API連携は、業務効率化、リアルタイムデータの活用、顧客体験の向上といった多くのメリットを企業にもたらします。一方で、外部依存や障害リスク、セキュリティ管理といった課題も存在しますが、適切な体制を整えることでそのリスクは最小限に抑えられます。
自社の目的に合わせたAPI活用を検討することで、業務の効率化と顧客満足度の向上を同時に実現できるでしょう。
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