紹介キャンペーンをしっかり強化すべき理由とは?
紹介プログラムとは、自社サービスを既存顧客から友人・知人に紹介してもらい、認知を広げるプログラム手法です。
人から人への口コミを狙った紹介プログラムは多くの企業様で実施されている手法ではあります。
しかし、成果を上げるためには以下に紹介体験をより良いものにするかがポイントです。
LINEやFacebook、メッセージ・メール、はたまた口頭など人はさまざまタイミングで紹介を行ないます。そういったときにいかにスムーズにとても魅力的な情報が人同士の間で交わすことができるかが重要となってきます。近年では、そういった顧客との関係づくりをいかにより魅力的・より効果的に行うことで成果を上げるマーケティング手法として、リファラルマーケティングという概念が確立しつつあります。
Webやモバイルビジネスにおいて、このリファラルマーケティングの効果に目を向け始めたのはここ数年のことです。
今回の記事ではなぜ「紹介プログラム」が重要なのか? その理由を考えていきたいと思います。
これから紹介プログラムをもっと強化したいと考えている方は必見です。
この記事でわかること
- 1.紹介プログラムに力を入れるべき理由とは?
- 1.1 紹介プログラムはあなたのブランドを知る手段の一つ
- 1.2 紹介プログラム経由で出会えるお客さんは、広告では出会えない
- 1.3 オンライン広告ではなく、直接顧客に声を掛けられる
- 1.4 紹介プログラムはSNSを通じて簡単にできる
- 1.5 紹介の可視化が新たなきっかけをつくる
- 1.6 紹介が自社サービスの品質を改善させる
- 1.7 紹介する人は情報感度が高いイノベータ気質の人
- 2.紹介プログラムでより成果を上げるためには?
- 2.1 紹介プログラムの存在を知られていますか?
- 2.2 お友達紹介していただく間合いで声かけていますか?
- 2.3 その人お友達紹介してくれそうなお客さんですか?
- 2.4 お客さんが求める紹介特典は金銭だけではありません。
- 2.5 手間がかかる紹介プログラムは参加したくありません。
- 2.6 紹介プログラムは、お友達を企業に売るわけではありません。
- 2.7 そもそも顧客体験の低いサービスは紹介されません。
- 3.お友達紹介事例
- 4. 紹介プログラムをより効率的に実施するために
1.紹介プログラムに力を入れるべき理由とは?
1.1 紹介はあなたのブランドを知る手段の一つ
情報過多の時代は「何を言うか?」より「誰が言うか?」が重要です。
下記のデータからもわかる通り、「友達/家族からのオススメ」は最も信頼される情報源です。
紹介がされる時に「誰が」「どんな情報」を友人・家族に伝えているのでしょうか?
サービスに関わるポジティブな体験レポート? それともインスタ映えの写真?、それとも特典に関わる情報?
どんな情報を伝えるかはコントロールは難しいですが、少なくともそれはあなたのブランドを知るきっかけとなっています。
どんな情報ソースよりも、友達や家族からの「紹介」はもはや目を向けなくてはならない要素なのです。
https://webtan.impress.co.jp/n/2018/03/07/28617
【調査対象】1都3県に居住する有職の25~29歳未婚女性
【調査方法】インターネット調査(ネットリサーチ)
【調査時期】2018年2月9日~2月21日
【回答者数】500名
【調査主体】ADDIX
【調査機関】ジャストシステム「Fastask」
1.2 お友達紹介経由で出会えるお客さんは、広告では出会えない
紹介で出会うお客様の中には、広告では出会えない方が多く含まれています。
例えば、親子での紹介、遠距離での紹介、同じ趣味を持った同士での紹介など紹介される相手は、紹介者にとって身近な人の場合で、特にあまりWebをご覧にならない人もその中には対象となってきます。そういった方は、Web広告ではいくらターゲティングしても獲得することはできません。
1.3 オンライン広告よりもお客様への「身近さ」をアピールできる
オークション形式で出稿管理が行われるオンライン広告では獲得コストをコントロールできません。自社の市場において競合が増えれば増えるほどオンライン広告の単価は高騰し続ける一方です。また、採用においても同じで、優秀な人材の採用費は高騰する一方です。市場の影響を受けて収益を圧迫するモデルよりも、自社資産を活用して紹介を増やすことで獲得効率が向上します。ただし、そのお客様があなたのサービスに満足していること。それが大前提です。
1.4 紹介プログラムはSNSを通じて簡単にできる
お友達紹介はSNSの発展とともにさまざまな業界で活用されるようになってきました。SNSの利用者は、普段から離れた場所にいる家族・友人と会話をしています。ちょっとした会話の中で、相手の悩みや相談事を聞いたり、紹介を行う「日常」の中でこそ、貴社のサービスは評価され、その結果が口コミとして伝わっています。デジタルでプログラムを用意しておけば、話題にあがったとき、手元のスマートフォンですぐに紹介できます。これまで紙で紹介プログラムを行っていたのであれば、デジタルでプログラムをやるだけでその効果は格段に上がるでしょう。
1.5 紹介の可視化が新たなきっかけをつくる
デジタルで紹介プログラムを実施することで顧客同士の紹介活動・紹介価値を可視化できます。
自社サービスにおいて担当者制度を実施しているのであれば、どういった担当者に対する紹介が多いのか、顧客からどれくらい紹介が行われているのか?、紹介から認知がどれくらい広がっているのか、そこから顧客化がどれくらい進んでいるかのか、今まで見えなかったデータが可視化されることで活用可能になります。
1.6 紹介の数値が自社サービスの品質を改善させる
紹介活動をデータ化することで、顧客評価を通じて獲得チャネルの評価をすることで今までは見えていなかった、口コミ効果を踏まえたROIを見ることができます。本当に自社で重要視すべき顧客はだれなのか、その顧客と接点を持つべきなのかマーケティングの在り方を再検討するのに役立ちます。
一方で、現場人材評価への反映や顧客評価のフィードバックにより社員満足度を向上することができれば、サービスレベルの改善にも寄与ができます。顧客の紹介活動データは顧客視点・自社視点両側面から改善を図ることができ、収益アップにつながります。
1.7 紹介する人は情報感度が高いイノベータ気質の人
私たちの独自調査からわかったこととして、イノベータとアーリアダプタは他のタイプより紹介行動も積極的だということです。言い換えると、まず紹介をしてくれる顧客は、イノベータかアーリアダプタである可能性が高いと言えます。
アーリーアダプタは情報感度が高く、動画やWebページ、書籍などからも積極的に情報を取得し、お試しをする層です。紹介を積極的にしてくれるこのイノベータ・アーリーアダプタ・アーリマジョリティの声をどう広げるかそこが市場拡大において重要な戦略となるでしょう。
イノベータ理論とは?5つのタイプの特徴と紹介との関係性を解説します【独自調査データ有】
2.紹介プログラムでより成果を上げるためには?
2.1 紹介プログラムの存在は社内外で知られていますか?
プログラムを実施していることを顧客に知ってもらうことは、紹介プログラムにおいてとても重要なことです。
いくら利用者の満足度が高くても、そのプログラムの存在を知らなければ、積極的にサービス紹介をしようともしません。紹介プログラムの存在を知らせるためのリンクを目の引く場所に配置したり、利用者とのコミュニケーション導線において必ず設置することが重要です。
例えば、オフラインの現場でも顧客折衝の場にポスターを貼っておいたり、業務フローの中でもひとこと説明するなどちょっとした刷り込みが印象を変えます。
2.2 お友達紹介していただく間合いで声かけていますか?
人は簡単にサービス紹介を友人にはしません。そもそも顧客がサービスや商材に満足していない限り、紹介プログラムは発生しません。そこには顧客が商品を紹介する理由が存在するのです。その理由を知らずに紹介プログラムを実施するとよい効果は期待できません。 自社のサービスが実際にどのように紹介されているのか?その紹介されている理由や動機を知ることがより効果的なお友達紹介の第一歩になります。
顧客評価を測る手法として、カスタマーサクセススコアや顧客満足度、NPS(顧客ロイヤルティー指標)などで図ることで最適なタイミングを把握することができるでしょう。
2.3 その人、紹介してくれそうなお客さんですか?
より質の高い紹介を発生させる顧客はどんな顧客かわかりますか? あなたのサービスを紹介してくれる顧客の動機はすべて同じではなく、サービスの利用する理由・課題も異なれば、サービスの利用形態・課金の価格帯も異なります。本当に良いと感じている顧客でなおかつ貴社にとって有益な顧客であればあるほど、サービス理解も高く、より質の高く正確な紹介が発生します。顧客によっては1社・一人を紹介するだけでなく複数~10数人への顧客へのリファラルが発生するケースも少なくありません。
特定の顧客ターゲットをみつけ、彼らの顧客体験をより高めるインセンティブ(特典)を用意することで、リファラル戦略はあなたの期待する結果をもたらすでしょう。
2.4 お客さんが求める紹介特典は金銭だけではありません。
紹介プログラムにおける特典の多くは金銭やポイント、割引のみが設定されていることがいまだに多いです。
直接的な金銭に反応する顧客は多いかもしれませんが、それが果たして本当に良いお客とは限りません。このポイントについて、画期的なアイデアを出し有名になったのがDropboxです。Dropboxではユーザが利用できる容量増加をするための特典として友達紹介プログラムを組み込みました。紹介者がDropboxのアカウントを作れば作るほど、250MB容量を追加するもので、結果として、顧客獲得コストを劇的に下げたと言われています。
これを機にフリーミアムの期間が延びたり、体験回数を増やしたりとそのサービスの顧客体験を味わえる特典設計が主流となってきています。
2.5 手間がかかる紹介プログラムは参加したくありません。
お友達紹介をより多く誘発するためには、まず第一にどれだけその手続きが簡単にできるかが重要となっています。
いくら紹介特典がとても良いもの!だとしても、それを手にするのにとても時間がかかるとするならば、参加意欲はなくなってしまいます。どんな特典でもそれがきっかけとしてお友達紹介を発生させます。その特典自体がすぐに使える(次回の体験で使えるなど)か、より早く手にできること重要です。
最後に、お客様が紹介するために、いろいろな接点からプログラムの認知を図ることだけでなく、プログラム参加が気軽にできる仕組みづくりが必要となります。初めてのお友達紹介はちょっとした勇気を乗り越えたものとして、とても大事にしたいものです。
2.6 お友達紹介は、お友達を企業に売るわけではありません。
紹介プログラムを実施するうえで重要なことは、紹介者と友人と自社サービスとそれぞれの関与者の特性を踏まえてプログラムを設計することが重要です。
特に紹介者はプログラムによっては一人の人だけにサービスを紹介するわけでなく多くの人に顧客体験を伝えてくれます。1回だけでなく、複数回行なわれることを前提とした特典設計がとても重要です。一度商品を紹介した人が再び紹介する確率が高いのは論理的に自然です。しかし、多くのプログラムは一度でも友人紹介した人に再び紹介してもらうためのコミュニケーションを「仕組み化」していません。
より効果的に紹介プログラムを機能させるためには、紹介の「成功」を紹介者へ伝えること、そして再び(さらに)友人紹介を促すためのオファーとインセンティブを用意することです。顧客と自社の関係を深いものとするしかけをつくることで、さらなるお友達紹介を期待することができます。お客様-お友達-自社の三方よしをしっかりつくりましょう。(関連記事:紹介プログラムはマルチ商法・ねずみ講とどう違うのか【今さら聞けない疑問】)
2.7 そもそも顧客体験の低いサービスは紹介されません。
お友達紹介で成果を上げていく手法他にもたくさんあります。より印象に残り、紹介しやすく、インセンティブが魅力的なことなどとても重要ではありますが、それよりも何よりも大事なことは顧客視点で自社サービスを見直しを図り、その体験を絶えず改善することです。(関連記事:口コミ活用マーケティングに起きている、ある重大な変化)
顧客体験が秀逸であればあるほどお友達紹介は自然と発生します。紹介プログラムで成功している企業は、顧客満足という観点から顧客接点をもつすべての関与者が「お友達紹介」の重要性を理解し、改善を図っています。まずは満足の高い体験を追求し続けましょう。
3.お友達紹介事例
3.1 劇団四季 紹介プログラム
劇団四季が実施している「一緒に行こう♪メール」は、舞台を一緒に観に行きたい方へ、チケットの購入をお願い(おねだり)するメール機能です。
コミュニケーションとして面白いのは、届いたユーザは「断る」「買う」のどちらかしか選べない仕様となっているところです。女性から誘われた男性の多くは断りづらく買ってしまうのではないでしょうか? お祝い事やお誕生日などを基軸にに、友人・ご家族同士の紹介・おねだりを誘発できる施策だと思います。
3.2 Oisix 紹介プログラム
おうちCO-OPが実施している紹介プログラムは、紹介をすると紹介者には何人でも3,000円相当のクーポンが、ゲスト側には5,000円相当のクーポンに加えて、送料半年無料+毎週3品無料+野菜とフルーツが20%OFFになるOisix Premium Passの初月無料がプレゼントというかなり豪華なものです。ターゲットが主婦(夫)の皆さまが対象となると思いますので、よりOisixの魅力を感じていただけるようなインセンティブが用意されているのではないかと思います。紹介者もメリットを感じられる紹介プログラムではないでしょうか。(2019年11月現在)
3.3 海外の有名サービスの紹介プログラム
Dropbox
Dropbox の紹介プログラムは、もっとも有名ではないかと思います。Dropboxでお友達紹介すると、自身が利用できる利用容量を増やすことができます。Dropbox Basic アカウントでは 1 人紹介するごとに 500 MB、最大 16 GB まで無料容量が手に入ります。Dropbox Plus と Dropbox Professional アカウントでは 1 人紹介するごとに 1 GB、最大 32 GB まで無料容量が手に入ります。Dropboxの紹介プログラムは、15か月で400万人のユーザーを獲得したと言われています。
Amazon Prime
お友達紹介で1,000円分のクーポンがプレゼントされるのがAmazonファミリー・紹介プログラムです。紹介プログラム管理ページから招待用リンクをコピーして自分のサイトやブログ、Eメールに貼り付けたり、Facebookでシェアすることが出来ます。紹介された人がAmazonファミリーに入会し、Amazon.co.jpでの販売商品(Amazonマーケットプレイスの商品を含む)から1,000円以上同時購入すると、そのご注文の発送日から約10日後にアカウントにクーポン(1年間有効)として登録されます。獲得出来る紹介料の上限は年間で10,000円となっています。
Riff Raff&Co
Riff Raffは赤ちゃん向けの睡眠グッズ販売をするオーストラリアの会社です。シンプルな在宅ビジネスから、Riff Raffは口コミで百万ドルのビジネスに成長したと言われています。
Riff Raffがおこなっている友達紹介プログラムでは、友だち紹介は世界規模で行われています。まず、商品の発送を全世界無料で実施しています。サービスを紹介された友人が招待リンクから購入すると、併せてRiff Raff&Coの無料睡眠グッズが送られます。
4. 紹介プログラムを「仕組み化」しよう
紹介プログラムというKWで検索するとさまざまなプログラムが世の中で行なわれています。
しかし、その顧客体験はまだまだなものが多いです。紹介プログラムの本質的な目的と価値を理解した上で、本当に価値のある紹介プログラムをデザインすることは、今後のマーケティングや店舗運営で不可欠の課題になるものと思われます。
LINEでカンタン、お友達紹介ができる「invy」はお友達紹介というマーケティングに特化した定額サービスです。アプリのダウンロードも必要ありませんし、お客様が普段使われているモバイルブラウザとLINEアプリだけでプログラムが行うことができます。プログラム運営側も簡単・お手軽に管理ができます。
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お友達紹介マーケティングにお悩みならば是非ご相談ください。
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