2025.01.21 invy事例紹介 紹介ノウハウ マーケティングノウハウ
顧客エンゲージメントとは?エンゲージメントを高めるコツと成功事例
デジタル化が加速する現代のビジネス環境の中で、他社との差別化を図り自社の製品やサービスを選び続けてもらうには、顧客エンゲージメントの向上が大切です。
顧客エンゲージメントの向上は、リピーターの増加や売り上げ向上といった優良顧客の獲得だけでなく、従来の商品やサービスの品質を向上にも寄与し、企業の競争力を高める重要な要素の一つとなっています。
本記事では、顧客エンゲージメントの基本的な概念から、似た概念との違い、その重要性、メリット、そして実践的な向上施策や具体的な事例まで、詳しく解説していきます。
1.顧客エンゲージメントの基礎知識
まずは、顧客エンゲージメントについて知りましょう。この章では、顧客エンゲージメントとは何か、似た単語の違いも含めて解説いたします。
1.1 顧客エンゲージメントとは?
弊社e book 「イノベータ理論と紹介の関係性を徹底解説」 より
顧客エンゲージメントとは、商品やサービスを提供する企業と顧客との間の信頼関係のことです。
企業や商品に対して高い信頼性を感じている顧客は、他社商品に見向きもせずに商品を購入してくれます。また、お気に入りの商品やお店として友人に紹介する傾向があります。
弊社の調査によると、「自身がとても評価する商品・サービスがあります。他の人にそれを紹介することについて最も近い考え方を教えてください。」という質問に対して、積極的に紹介するもしくは比較的紹介すると回答した中の「イノベータ」「アーリーアダプター」の数は平均と比較して、それぞれ9.6ポイント、1.9ポイント高いことがわかっています。このように信頼性を感じている顧客は企業にとって商品やサービスを何度も利用してくれる「リピーター」であり、他の新規顧客に商品やサービスを紹介してくれる「アンバサダー」でもあると言えます。
顧客エンゲージメントの形成は、優良顧客の増加に寄与し、それが結果として企業の売り上げや収益をアップさせることにもつながります。そのため、顧客エンゲージメントは現在、どの業種の企業にとっても見逃せないものになっています。
顧客エンゲージメントの向上のためには、よりパーソナライズされたコミュニケーションが重要です。
顧客エンゲージメントは企業と顧客の間にある信頼関係です。この信頼を築くためには、個人個人が特別感を持てるような顧客体験を提供しなくてはなりません。そのためにパーソナライズされたコミュニケーションを行い長期的な関係を築き上げることが重要です。
また、顧客エンゲージメントは定性的で複雑な要素をどれだけ定量化できるかによって情報の価値が一変します。
先述の通り、顧客エンゲージメントは顧客が提供された製品やブランドに対して感じる 愛着や親近感のことです。顧客が感じる愛着や親近感は数値化しにくく、顧客が製品・ブランドからどのような恩恵やメリットを得て、どのような点に愛着や親近感を持っているかは、測りにくいといえます。
愛着や親近感などといった要素は、顧客の主観に拠るため、顧客自身もはっきりと自覚していないことがほとんどです。こうした定性的かつ複雑な情報を様々な指標を用いて定量化することが顧客エンゲージメントの価値を高めるうえで重要です。
1.2 顧客エンゲージメントと類似のマーケティング用語を解説!
顧客顧客エンゲージメントとは、商品やサービスを提供する企業と顧客との間の信頼関係のことでした。類似の用語がございますので、併せてチェックしましょう。
顧客ロイヤルティとの違い
顧客ロイヤルティとは、顧客が企業や製品、サービスに対して抱いている愛着度や信頼度を数値で表したものです。
ポジティブな感情に着目している点は、顧客エンゲージメントと似ていますが、両者は数値化の有無や分析の対象が異なります。一般的に顧客ロイヤルティは、NPS (Net Promoter Score) を指標とします。
NPSは、製品やサービスについて、それを友人や同僚にも紹介したいと思うかどうか質問し、顧客ロイヤルティの高低を計測する調査です。一方、顧客エンゲージメントでは、顧客が実際に起こした行動を調べることで、自社の製品やブランドに対する愛着・親密度、信頼関係を分析します。
顧客満足度との違い
顧客満足度とは、顧客が何らかの商品購入やサービス提供を受けたときに得られる顧客満足を数値として表した指標です。
この顧客満足は、個人の主観によるところが大きく漠然としていますが、その満足の度合いをアンケートなどの調査によって統計的に数値化し、客観的に評価できる指標として可視化されたものが「顧客満足度」です。
信頼関係を表す顧客エンゲージメントと、満足度を表す顧客満足度は一見同じような数値に思えますが、顧客満足度の方は、あくまでその製品やサービスに対しての評価にとどまる点が異なります。「製品やサービス自体はよいと思うが次は別のものも検討する」というパターンが顧客満足度にはあるため、顧客エンゲージメントと比較して、リピーターの行動を把握しづらいという違いがあります。
2.顧客エンゲージメントが重視される2つの理由
なぜ顧客エンゲージメントが注目されているのでしょうか?
それには「市場の変化」と「顧客の変化」の2つの環境変化が背景にあります。
この項では、それぞれを深堀していきます。
2.1 市場の変化
インターネットの普及による購買プロセスの変化
従来、顧客は企業からの情報提供を待ち、与えられた情報を頼りに製品やサービスを購入していました。
しかし、インターネットが広く普及した今、顧客は企業からの発信を待たずに自らSNSなどで情報を取りに行き、比較検討して購入の意思決定をするようになっています。
膨大な情報の中にあっても顧客に選んでもらえるよう、顧客が情報を得る前に接点を持つことや、強い信頼を持って選ばれる関係を構築しておくことの必要性が高まりました。
企業発信の情報への反応数の減少
企業発信の情報に対する信頼感の減少も顧客エンゲージメントが重視されるようになった理由の1つです。ここではメールマガジン(以下メルマガ)を例に挙げます。
顧客ごとに適切な情報を発信できるメルマガは、顧客ニーズに沿ったプロダクトやサービスの継続利用を促すことが可能です。顧客に対して細やかなフォローができ、良好な関係性や信頼を構築するには欠かせないツールと言えるでしょう。 しかし、現在ではメルマガの山に埋もれてしまい、ほとんどが開封されない・閲覧されないままメールボックスの中に溜まっているということになります。
このように多くの企業が膨大な情報を発信するため、かえって反応されなくなっているのが現状です。したがって、あらゆる接点において顧客体験を高め、エンゲージメントを深めることが重要になっています。
LTVが重要視されるようになった
商品・サービスの性能や価格だけでは差別化が図りにくくなったことに加え、スマホやSNSの普及によって顧客が受け取る情報量が爆発的に増加したことにより、新規顧客の獲得が難しくなってきました。
その結果、既存顧客の離反を防ぎ、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めることがマーケティング戦略上重視されるようになりました。
2.2 顧客の変化
UGCや口コミなど顧客の発信力が高まった
SNSなどの普及により顧客自身が「メディア」となってリアルな声を発信するようになり、その口コミが影響力を持つようになりました。そのためUGC(User Generated Content)や口コミなどの発信を積極的にしてくれる顧客層を注視していく必要が出てまいりました。
顧客に本当に信頼される企業・ブランドとなるために、ひとりひとりの顧客との結びつきを重視し、繰り返し買ってもらえる顧客、周りの人に口コミを広げてくれる顧客を増やしていくことが重要になりました。
また、顧客に対する企業の対応一つとってもSNSで取り沙汰される現在は、顧客との双方向のコミュニケーションが重視されるようになりました。
顧客の知識量が増加した
かつてテレビCMなどのマス広告が大きな影響力を持っていた時代には、企業・ブランドが発信するイメージを顧客がそのまま受け入れ、支持していました。ところが、スマートフォンの普及によって、顧客は膨大な情報の中から商品・サービスを多角的に吟味し、自分にとって本当によい商品・サービスかどうかを厳しく見極めるリテラシーを身に着けるようになりました。
その結果、顧客の知識量は増え、企業はかつての広告戦略だけでなく顧客に寄り添った戦略を打ち出す必要が出てきました。
3.顧客エンゲージメントを高める3つのメリット
ここまで、顧客エンゲージメントの概要と重視される理由について解説しました。
次に顧客エンゲージメントを高める3つのメリットについて解説します。
3.1 リピート率が向上し、収益が安定する
顧客エンゲージメントが高まることで、リピート購入やアップセル/クロスセルをしてくれる確率が高まり、それがさらなる顧客エンゲージメントの強化に繋がるといった、好循環が期待できます。
また、サブスクリプションサービスなど会員制の事業モデルにおいては、解約が減少するのも大きなメリットです。顧客エンゲージメントが高まり、その商品・サービスのファンになればなるほど、その商品・サービスの継続的な購入・利用を続けてもらえるようになります。
3.2 好意的な口コミの発信で新規顧客が見込める
エンゲージメントの高い顧客は、自主的に周りに商品・サービスのポジティブな口コミを発信してくれます。エンゲージメントの高い既存顧客が見込み顧客の獲得に貢献してくれることで、結果として広告宣伝費の抑制にもつながります。
3.3 企業の製品、サービスの成長につながる
顧客エンゲージメントは、企業と顧客との間の信頼関係でした。製品やサービスに不満があるとき、エンゲージメントの高い顧客は改善点を企業にフィードバックしてくれます。顧客が「自分のフィードバックが活かされた」と感じれば、更なる顧客エンゲージメント向上につながるはずです。
また、ポジティブな口コミが少ない要素を改善点として見出すことも可能です。
これらの顧客からのフィードバックを製品やサービスに取り入れ、改善や開発していくことが企業の製品、サービスの成長につながります。
4.顧客エンゲージメントを獲得するための4つの手順
顧客エンゲージメントを向上させるためには、顧客にとってスムーズでストレスのない体験を提供し、顧客満足度を高めることが重要です。そして、顧客満足度を高めるためには、顧客体験を向上させる必要があります。
ここでは、顧客体験を向上させるために企業が取り組むべきことを明確にしていきましょう。
4.1 顧客エンゲージメントの定義と現状の把握
最初に、顧客エンゲージメントの定義を行います。簡単に言えば目標設定を行います。
まずは、顧客エンゲージメントの状況を確認します。NPSやリピート率、解約率、LTV、レビュー数などの指標を用いて定量的なデータを収集します。そしてそれを基に顧客とどのような関係を構築したいか、目標を設定します。
このとき中長期的な目標を立てることが重要です。顧客エンゲージメントは顧客との信頼関係であり、それを築き上げるためには長期的な視点が必要になってくるからです。 顧客にどんな行動を・いつまでに・どの程度促したいのか?具体的に設定するようにも心がけましょう。
4.2 顧客分析
現状の把握をしたら、次は顧客分析を 行います。顧客を理解し、適切なアプローチを策定することが目的です。
顧客エンゲージメントは、製品やサービスの価値と良い顧客体験によって向上します。顧客との接点すべてにおいて質の良いサービスを提供できると確実に顧客エンゲージメントは向上するでしょう。しかし、接点をすべて洗い出し、それらすべてに対して施策を行うことはとても時間のかかる作業でもあります。まずは特にウィークポイントとなっている指標や、目標に対して効果的な部分から優先的に改善施策を行っていきましょう。そして、それらを把握するために行うのがこの顧客分析なのです。
前項で洗い出した現状を顧客単位に落とし込み、より詳しく見ていきます。顧客単位に落とし込み、プロセスを追っていきましょう。このような顧客の行動分析に有効なのがカスタマージャーニーマップです。カスタマージャーニーマップは、顧客がブランドと接触する一連の体験を時系列で整理・視覚化し、顧客のニーズや感情を深く理解するためのツールです。以下に、具体的なプロセスをステップごとに解説します。
このようにカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客がどの段階でつまずきやすいか、どのポイントでエンゲージメントが向上するかを可視化できます。これにより、CX(Customer Experience:顧客体験価値)の向上を図り、エンゲージメントを強化するための施策を立案しやすくなります。
4.3 施策を実行する
現状を把握 し、課題を特定した後は、その課題を解決するための施策を実行しましょう。
例えば、前項の課題の例に挙げた、「購入手続きが複雑で離脱率が高い」という課題に対しては、「ワンクリック購入機能の実装」など購入手続きの簡略化を図る施策を実行し、「問い合わせ対応に時間がかかり、不満が生じる」という課題に対しては、「チャットボット」や「よくあるご質問ページ」を活用して問い合わせ対応の迅速化、疑問や不満の解消を行うといった具合です。
また施策実行のためには、従業員が顧客エンゲージメントの重要性を理解しておくことも大切です。サイトや店舗の設計や動線の見直しのような改善が必要だと判断した場合などは特に社員の理解がなければ、実行にすら移せない可能性もあります。ですので、顧客エンゲージメントの理解を得られるような体制づくりも同時進行で行っておきましょう。
4.4 改善施策を考える
顧客エンゲージメントを高めるには、戦略の策定だけではなく、施策を計画・実行した上でその効果を振り返り、修正していくことも重要です 。これが後手に回ってしまうと、施策を実行するところまでで終わってしまい、効果が小さくなりやすいため、施策の実行のあとの振り返りを意識的に行いましょう。
5.顧客エンゲージメントを向上させた成功事例を紹介
ここまで、顧客エンゲージメントについて学びました、ここからは実際に紹介制度を用いて実現した事例を2つ紹介いたします。
成功している事例に共通していることは何か。自社でできることはあるか考えながらご覧ください。
SOMPOヘルスサポート株式会社様
SOMPOヘルスサポート株式会社様は、‘生活習慣病予防’をサポートする、医療保険者向けデジタルサービス「QUPiO Plus(クピオプラス)」を運営されております。紹介マーケティングを行う上で、ユーザの視点に立ち、「声のかけやすさ」を意識して、ウォーキングイベントを開催しました。結果良質な顧客体験を提供でき、数百件のCVを達成しました。
キッコーマンこころダイニング様
キッコーマンこころダイニング様は「発酵のある暮らし」をコンセプトに腸活ごはんやしょうゆもろみ等、調味料の通販事業を展開されています。
顧客視点を大切にし、「わかりやすさ」「使いやすさ」を意識したサイト設計を行い、企画を楽しんでもらう抽選キャンペーン施策などを実行し、webサイトの接点における顧客体験を向上させ、初期の企画に比べCV数が約二倍に向上しました。
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6.まとめ
ここまで具体的な事例を交えながら、「顧客エンゲージメント」の重要性について解説しました。
顧客エンゲージメントは、優良顧客や新規顧客の獲得に欠かせない重要な要素です。
顧客のニーズを的確に把握し、各接点でスムーズかつ価値ある体験を提供することで、顧客は企業に対して好意的な印象を持ち、再利用や口コミによる新規顧客獲得にも貢献します。顧客エンゲージメントを戦略的に向上させることは、企業が競争市場で勝ち残るために不可欠であり、顧客に選ばれ続けるブランドを築くための最善の方法なのです。
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トピック: invy事例紹介, 紹介ノウハウ, マーケティングノウハウ
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