2025.06.19 紹介ノウハウ
子育て世代に有効な「リファラルマーケティング」とは?ママネットワークを活かした集客戦略を徹底解説

今、20代後半から40代前半が中心の「子育て世代」をターゲットとしたマーケティング手法として、「リファラルマーケティング」が注目を集めています。
この世代の多くは、仕事や家事、育児に追われ、商品やサービスを比較・検討する時間が限られているため、友人や家族など信頼できる人からの「おすすめ」に強く影響されやすくなっています。こうした背景から、紹介を起点とするリファラルマーケティングは、子育て世代と非常に親和性が高く、有効なマーケティング手法です。
本記事では、子育て世代におけるリファラルマーケティングの有効性と、成果につながる戦略や事例を解説します。
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1. ママネットワークの集客力に注目が集まる理由
子育て世代では、「ママ同士のネットワーク」が非常に重要な役割を果たします。このネットワークが強い集客力を持った背景について、2つの視点から解説します。
1.1 子育て層の情報収集は「人づて」から
子育て中のママたちは、家庭のあらゆる消費に関わる“購買のキーパーソン”です。育児用品や食品、日常雑貨から教育・健康分野まで、判断を任される領域は多岐に渡ります。一方で、自分のための情報収集に十分な時間を確保するのは難しく、育児と家事に追われながら限られた時間で意思決定を行わなければなりません。
こうした状況で頼りにされるのが、身近な「ママ友」や「家族」の存在です。
同じ立場で育児に取り組む相手の実体験やおすすめは、Web上のレビューや企業発信の広告よりもずっと信頼されやすい傾向があります。
1.2 SNS・LINEなどの利用と拡散力
SNSとメッセージアプリを基盤としたママネットワークは「拡散エンジン」として、集客の際に大きな力を発揮しています。
特にInstagramやLINEは、ママ同士が気軽に情報をやり取りする手段として広く活用されており、その利用実態は企業にとってマーケティング施策の重要なヒントとなっています。
以下にて各SNSツールの特徴をまとめました。
SNSツール | 特徴 |
LINE | 親しい相手に紹介URLやクーポンを簡単に送れるため、紹介のハードルが低く、自然なリファラル行動が起こりやすい |
写真や動画を通じて商品の使用感やリアルな体験を視覚的に伝えられるため、口コミの信頼性や拡散力が高い |
2. リファラルマーケティングとは?
ママネットワークの影響力が高まる中で、その関係性を活かした集客手法として注目されているのが「リファラルマーケティング」。ここでは、リファラルマーケティングの基本と、注目される背景について解説します。
より詳細な「リファラルマーケティング」については、『【2025年最新】リファラルマーケティングとは?』をご覧ください。
2.1 リファラルマーケティングの基本
リファラルマーケティングとは、既存の顧客が友人・知人に自社の商品やサービスを紹介することで新規顧客を獲得する手法です。
自発的な口コミとは異なり、紹介行動を促進するためのインセンティブや仕組みを企業側が設計する点が特徴です。紹介する側の動機づけを強化しつつ、受け取る側にとっても「信頼できる人からの推薦+お得感」という心理的な後押しを与えます。
さらに、信頼をベースにした拡散が行われるため、Web広告やSNS広告、SEOによる流入に比べてCVR(コンバージョン率)が高い傾向があることも特徴です。今では、広告に頼らず、顧客との関係性を起点とした集客の仕組みとして、多くの業界で導入が進んでいます。
2.2 リファラルマーケティングが注目される背景
リファラルマーケティングが注目される背景には、Web広告のクリック率の低下や広告費の高騰といった課題があります。こうした状況の中で、より費用対効果の高いマーケティング手法として、信頼を起点とするリファラルの価値が見直されているのです。
また、「全国消費者実態・幸福度調査2020」では、約8割の人が「ネット上の口コミを信頼していない」と回答する一方で、約6割の人が「友人・知人・家族など、身近な人の口コミは信頼している」と答えています。こうした、身近な人の口コミ(=紹介)が商品購入に与える影響が大きいという傾向も1つの背景になります。
リファラルマーケティングは、企業の広告とは異なり、実際のユーザーによる紹介を通じて情報が伝わるため、広告に懐疑的な現代の消費者にも受け入れられやすい特徴があります。「信頼資産」を活用したリファラルマーケティングは、長期的な顧客関係を築く手法として、今後ますます重要性を増していくでしょう。
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3. なぜ子育て世代にリファラルが有効なのか?
ここでは、なぜこの世代において、紹介ベースのマーケティングが親和性を持つのか。背景にある消費者心理と社会的な特徴を3つの観点から解説します。
3.1 広告への信頼の低下と紹介への信頼
現代の消費者は、広告や企業発信の情報に対して慎重な姿勢をとるようになっています。
特に子育て世代は、家族や子どもに関わる商品を選ぶ際に、「安心・安全」「信頼できる情報」を重視する傾向があります。そのため、企業の主張だけでは不十分で、過度に誇張された広告表現や、実態と乖離したPRは、「子育て世代」にとってはむしろ逆効果になります。
このような背景から、ママたちは第三者である他のママからの紹介という形で情報が届くリファラルは、子育て世代にとって特に受け入れやすい形なのです。信頼性のある情報提供者による紹介は、購入検討の大きな後押しとなり、企業にとってはリスクの少ない自然流入チャネルとして機能します。
3.2 ママ同士のつながりと「共感」による拡散効果
ママたちの間には、「同じ立場」「同じ悩み」を共有する仲間意識があります。これは、友人関係よりは、互いの子育てを支え合う“共感ベースのつながり”とも言えるものです。
こうしたネットワークの中で交わされる情報は、共感によって信頼性が増幅され、拡散力も高まります。特に「どの保育園がいいか」「どのサプリが安心か」「このサービス便利だったよ」といった実体験に基づく情報が共有される傾向にあります。リアルな使用感や信頼の感情が伴っているため、高い説得力を持ちます。
リファラル施策を行う際も、「共感が生まれる体験」を提供できれば、効果はさらに高まるでしょう。
3.3 子育て中の「情報選別時間の不足」とリファラルの親和性
子育て世代、特に乳幼児を抱えるママは、常に時間に追われています。買い物や情報収集に十分な時間を取れない中で、「何を選べばよいのか」「どれが信頼できるのか」を自分だけで判断するのは困難です。そうした中で「信頼できる人からの紹介」は、選択の手間を省き、安心して購入に踏み切れる大きな要因になります。
リファラルマーケティングは、こうした時間的制約のある消費者に対して、「信頼できる人からのお墨付き」という形で情報選別の負担を軽減します。効率的かつ心理的な安心感をもたらすこの仕組みは、子育て世代にとってまさに理想的な購買導線となるのです。
4. リファラル施策を設計するための3つのポイント
子育て世代に響くリファラル施策を成功させるには、「共感」や「信頼」といった感情を起点にした設計が不可欠です。先ほど解説した行動心理やライフスタイルを踏まえた仕掛けが必要です。
ここでは、子育て世代に向けたリファラル施策を設計するうえで、特に重要な3つのポイントを紹介します。
4.1 ママ世代の「共感」を起点に
ママ層の紹介行動を促すうえで最も重要なのは、「共感」が生まれる設計になっているかどうかです。
子育て中のママたちは、日々の悩みや不安、ちょっとした工夫や成功体験を他のママと共有したいという気持ちが強く、「私も同じ!」と感じられる内容に強く反応します。そのため、紹介のきっかけになる「共感ストーリー」をコンテンツやSNS上で用意することが効果的です。
たとえば、「肌荒れに悩んでいたけれど、この商品で変わった」「子どもが喜んで使っている」など、実体験をベースにしたエピソードが紹介に繋がりやすくなります。
企業としては、ユーザーの声を拾って“共感されやすい文脈”で商品やサービスを伝える工夫を加えることで、子育て世代の中で「自然に伝えたくなる」仕組みが育ち、リファラルの継続率も高まります。
4.2 インセンティブは実用品・体験価値を重視
紹介を促すインセンティブの設定において重要なのは「自分にとって役立つかどうか」。金銭的報酬よりも、日常で使える実用品や、家族と楽しめる体験型の特典のほうが好まれる傾向があります。
たとえば、スキンケアサンプル・子どものおやつ・食事宅配の割引など、「あったらうれしい」と感じられるアイテムを選ぶと、高い効果が期待できます。
加えて、特典は紹介者・被紹介者の両方に用意するのがベストです。どちらかだけが得をする設計では、行動の動機づけが弱くなるため、Win-Winの構造を意識しましょう。「実際に自分で使ってよかったから紹介したくなる」という状況をつくることが、継続的な紹介行動につながります。
4.3 告知タイミングは「利用実感」が出た頃に
リファラル施策の成功には「紹介してもらうタイミングの設計」も重要です。商品やサービスの良さをまだ実感していない段階で紹介依頼をしても、紹介行動につながりにくく、逆に効果やメリットを「自分ごと」として感じられるタイミングであれば、自然な流れで紹介が発生しやすくなります。
たとえば、商材ごとに有効な告知タイミングは以下のように異なります。
スキンケア商品:「肌の変化を実感した頃」
サブスク型サービス:「2回目の配送が届いた頃」
このように、ユーザーが「これは本当に良かった」と実感し、誰かに話したくなる瞬間を逃さず、紹介導線を差し込むのが理想です。
また、ママたちは日常の会話の中で「最近これ使ってみたんだけど…」とさりげなく話す傾向があるため、雑談の中で紹介しやすくなるような一言フレーズや画像素材の提供も有効です。
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5. 設計の際に注意すべきポイント
リファラルマーケティングは効果が高い一方で、法令違反や過度な訴求に注意が必要です。ここでは特に注意すべき2つのポイントを紹介します。
5.1 景品表示法の上限に注意
リファラル施策で特典やギフトを設計する際には、景品表示法が定める「景品類の上限」に十分注意する必要があります。
たとえば、「お友達紹介でギフト券1,000円プレゼント」といった特典は、法律上の「景品類」に該当します。景品類とは、商品の購入やサービスの申込に関連して無償で提供される金銭・ポイント・物品・サービスなどの経済的利益のことを指し、その金額や提供方法には明確な制限が設けられています。
具体的な上限額については、プレゼント配布区分や商品・サービスの価格(取引金額)によって変動するため、施策の設計段階で必ず確認を行いましょう。詳しい内容は『景品表示法とは?紹介キャンペーン実施時に注意すべき3つのポイントを分かりやすく解説』をご参考ください。
参考:消費者庁「懸賞による景品類の提供に関する事項の告示」
5.2 誤認表示を避ける
子育て層は、家族や子どもに関わる商品・サービスの選定において、安全性や信頼性を非常に重視しており、広告表現にも敏感に反応します。
そのため、薬機法や景品表示法に抵触するおそれのある誤認表示は絶対に避けなければなりません。例えば、「絶対に効果がある」「100%改善」などの断定表現や、個人の体験談を普遍的に見せるような訴求はNGです。こうした表現は信頼性を損なうだけでなく、法的なリスクも伴います。
また、紹介者がSNSで商品を紹介する場合でも、企業側が文面を指定したり、指示的に情報を提供していた場合、「ステルスマーケティング(ステマ)」とみなされる恐れがあります。紹介文の雛形を提供する際には、事実に基づいた表現にとどめ、消費者に誤解を与えない表現設計を心がけることが重要です。
6. 「子育て世代×リファラル」成功事例 2 選!
6.1 子供服専門オンラインショップ「devirock」
devirock公式サイト:https://devirockstore.net/
ユニセックスなデザインのデイリーウェアを中心に、ベビーからキッズ・ジュニアまで展開する子ども服ブランド「devirock(デビロック)」では、リファラルマーケティングを通じて、ママ層との自然なコミュニケーション導線を構築しました。
同社が特に重視したのは、「企業目線での押し付けにならない設計」です。
紹介文や特典内容は企業側の都合ではなく、実際の利用者が“自分から話したくなる内容”になるよう工夫されており、その結果、ママ友同士の会話やSNS投稿を通じて自然に広がる紹介導線を実現しました。
さらに、他のキャンペーン施策と併用しながらも、リファラルマーケティングクラウド「invy」を活用することで、紹介経由の成果を可視化。数値をもとに継続的に施策の改善を重ね「一方通行ではなく、ユーザーが動きたくなる仕組みづくり」を築いています。
リファラルを通じて、ママネットワークの拡散力を活かし、商品・ブランドへの愛着と紹介行動を結びつけた好事例です。
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6.2 知育玩具の定額レンタルサービス「トイサブ!」
トイサブ!公式サイト:https://toysub.net/
お子様の成長に合わせたおもちゃ・知育玩具を、定期的にお届け・交換する新感覚の定額制レンタルサービス「トイサブ」では、リファラル施策を導入し、顧客満足と紹介行動の両立に成功しました。
同サービスの特徴は、顧客一人ひとりに寄り添ったカスタマーサクセスを徹底している点です。単に“モノを届ける”だけでなく、年齢・発達・家庭環境に応じた玩具を選定し、返却時のフィードバックを反映してサービスをアップデートするなど、「期待を超える体験」が紹介という行動を自然に後押ししています。
リファラル施策の運用面では、施策の告知導線を配送時の同梱チラシ、会員ページ、メールなどの複数のタッチポイントに設置。顧客にとって無理なく紹介を意識できる環境を整えることで、毎月安定して新規顧客の獲得を実現しています。実際に施策を通じて得た顧客の声や行動データは、プロダクト改善にも反映されており、トイサブ!にとってリファラルは「集客手法の一つ」ではなく、「顧客との関係構築を深める仕組み」として機能しています。
>>広告+紹介キャンペーンの組み合わせで、CPAの大幅改善に成功!
まとめ:ママネットワークを味方につけることが、紹介成功の鍵
信頼関係でつながるママ同士のネットワークは、リファラルマーケティングとの親和性が高く、大きな効果を発揮します。
施策設計の際には、「共感を生む体験設計」「実用的な特典」「紹介したくなる適切なタイミング」といったポイントを意識することで、自然で強力な紹介の連鎖を生み出すことができます。
ママネットワークを理解し、味方につけることが、これからの紹介施策成功の最大のカギとなるでしょう。
子育て世代のマーケティング戦略も解説していますので、気になる方は「【2025年最新】子育て世代のマーケティング戦略」の記事をご覧ください。
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リファラルマーケティングについて知りたい方は、紹介マーケの始め方がわかるお役立ち資料をご覧ください。
トピック: 紹介ノウハウ
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